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インテリシンク、セキュリティを強化した「Mobile Suite 8」

左からウィルコムの青木氏、インテリシンクの荒井社長、井手氏、高久氏
 インテリシンクは、携帯端末を企業内のグループウェアと連携させて利用できるソフトウェア・プラットフォームの最新版「Intellisync Mobile Suite 8」を発表した。5月15日から提供が開始される。

 今回発表された「Mobile Suite 8」は、Symbian OSやWindows Mobileを搭載するスマートフォンを企業内のグループウェアと連携させることができるソフトウェア・プラットフォーム。メール、端末管理、ファイル同期、データベース同期の各機能を自由に組み合わせて利用できる。

 最新版ではセキュリティ機能の強化が図られ、端末紛失時にはユーザー自身がパソコンから管理画面にアクセスし、端末のロックやデータ消去といった操作をリモート操作で行なえる。端末管理、ファイル同期の機能ではSymbian OS上のS60 3rd Editionが新たにサポートされ、同OSでもセキュリティ機能の強化が図られることになった。

 携帯端末側にインストールするクライアント・ソフトウェアが一新され、Symbian OS上のS60 3rd Edition向けには新たなメールソフトが提供される。サブフォルダの同期・表示が行なえ、検索機能も搭載されている。Windows Mobile 5向けにも新たなクライアントが用意され、こちらもサブフォルダの同期・表示に対応。法人ユーザーの要望に応じた機能が追加されている。

 提供開始後のバージョンアップによりWindows Vista、Outlook 2007、Exchange Server 2007にも対応する予定のほか、Windows Mobile 6もサポートされる予定。

 また、「Mobile Suite 8」はASPサービスに対応しており、ウィルコムが「Mobile Suite 8」を利用したサービス「WILLCOM Sync Mobile」を3日に発表している。法人向けサービスでは、TISからも「Mobile Suite 8」を利用したASPサービスが発表されている。


クライアントソフトを一新 最新OSもサポート予定

Windows Mobile端末向けクライアントの機能 S60 3rd Edition向けクライアントの機能

スマートフォンの利用が拡大する3つの分野

 5日には都内で記者向けに発表会が開催された。インテリシンク 代表取締役社長でノキア エンタープライズソリューション 日本オペレーション担当副社長も務める荒井 真成氏は、アメリカを中心にスマートフォンがビジネスシーンで広く使われるようになっているとした上で、国内でも個人情報保護法などの影響により携帯端末を利用した法人向けソリューションが拡大する兆しがあると語る。また、検針業務など専用端末を用いている分野でも「スマートフォンなどの端末に置き換えていく展開があるのでは」と予測したほか、企業内の内線電話としてVoIPと携帯端末を利用したシステムが構築できるようになっているとし、「PHSのソリューションを置き換える時期に来ている」とした。

 荒井氏は、これら3つの分野が伸びる理由として、バッテリー利用時間の改善や機能の向上などハードウェア面の進化、パワーオンパスワードの強制利用などセキュリティポリシーを徹底させる技術の進化を理由に挙げた。また検針業務などにおいては、セキュリティや管理機能の面を含め、「Mobile Suite 8」などを利用すれば専用端末に比べて安価なランニングコストで済む点を挙げた。

 荒井氏はこれらの技術や条件が整ってきたとし、インテリシンクとしても積極的に展開を行なっていくとした。

 同氏はこのほか、自身が3月からノキアの職務も兼ねていることについて触れ、「(インテリシンクがノキアに買収され)ノキアになったからといって、Windows Mobileを扱わない、ということは無い。インテリシンク、そしてノキアのエンタープライズとして、どの種類のデバイスも重要であり、同様に扱っていくという考え方は重要なこととして定義されている」と述べて、これまでと同様にWindows Mobile端末をサポートしていく方針を明らかにした。


ウィルコムとは最適な組み合わせ

 インテリシンク 営業・マーケティング担当 副社長の井手 龍彦氏からは「Mobile Suite 8」の特徴などが紹介され、クライアントソフトの一新やSymbian OS上のS60 3rd Editionのサポートなどが紹介された。同氏はW-ZERO3をはじめとしたスマートフォンの台頭、携帯電話・PHSネットワークの進化を市場拡大の要素として挙げるとともに、法人からのニーズを紹介して高いセキュリティが求められている実態を紹介。セキュリティが確保されたネットワークと「データ定額」が提供されていることから「ウィルコムとは最適な組み合わせ」とするとともに、「高いニーズがあり、まだまだ始まったばかり」と、市場の一層の拡大に向けた意気込みを示した。


Mobile Suite 8の位置付けと特徴 法人からはメール、セキュリティへのニーズが高いとした

WILLCOM Sync Mobileの特徴
 ウィルコム ソリューション営業本部 副本部長の青木 伸大氏からは、「Mobile Suite 8」を利用したASPサービスである「WILLCOM Sync Mobile」が紹介された。青木氏は「WILLCOM Sync Mobile」が比較的安価で、短期間に、1人からでも導入できるといったメリットを紹介し、情報漏えい対策など、最近の企業に欠かせない機能が装備されていることを解説。料金面でも、6月から開始予定の「ビジネスタイム定額トリプルプラン」やデータ定額と組み合わせて、定額で利用できるメリットがアピールされた。


プッシュ型でメール同期のデモ 会社にメールが届くと、端末側の受信ボックスも即座に同期する。端末はNTTドコモのWindows Mobile端末「hTc Z」 管理画面の様子。インテリシンクが提供する「Mobile Suite 8」ではクライアントソフトが最新バージョンとなるため、リモート消去では外部メモリカードの内容も消去可能


URL
  インテリシンク
  http://www.intellisync.co.jp/

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(太田 亮三)
2007/04/05 17:19

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