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対応端末の2割が日本市場~Symbian OSの最新動向

 シンビアンは8日、報道関係者向け説明会を開催した。日本法人代表取締役社長の久晴彦氏から2006年第4四半期の動向が紹介されたほか、同社ディレクターテクニカルコンサルティングの山田貴久氏が技術面から見た最新情報を紹介した。


Symbian OS搭載端末の20%が日本

1億1,000万台に達したSymbian OS搭載端末

1億1,000万台に達したSymbian OS搭載端末
 久氏からは、Symbian OSにまつわるさまざまな数値が紹介された。まず2006年までのSymbian OS搭載端末の累計出荷台数は1億1,000万台に達した。久氏は、「創立から9年でここまで来た。実は2006年だけで5,170万台出荷しており、累計台数の半分以上を占めている。また2006年第4四半期の出荷数は1,460万台で、1秒間に2台出荷されたことになる」と説明した。

 総出荷数のうち、20%が日本からの出荷となる。世界各地のスマートフォンにおける、Symbian OSが占める割合は、欧州では90%強、日本では約60%、中国では60%弱などとなっており、好調な結果となっているが、北アメリカではBlackBerryを筆頭に、Windows MobileやPalmといった競合他社の端末がシェアを占め、Symbianが占める割合は少ない。なお、日本市場では、残りの約40%をLinux勢がほぼ占めている、というデータになっているが、このデータ内にau端末は含まれていない。またFOMA端末に限った場合、NECが23%、パナソニックが21%、シャープが19%、富士通が13%、三菱が12%、ソニー・エリクソンが7%、三洋が3%となっており、Symbian OS搭載機種はあわせて51%となっている。


日本ではこれまでに53機種登場した 富士通、三菱、シャープ、ソニー・エリクソンがSymbian OSを採用
日本ではこれまでに53機種登場した 富士通、三菱、シャープ、ソニー・エリクソンがSymbian OSを採用

スマートフォン市場では、北米以外で、多数を占めている 地域別の出荷数と前年からの成長率
スマートフォン市場では、北米以外で、多数を占めている 地域別の出荷数と前年からの成長率

シンビアン久氏

シンビアン久氏
 また、今後の動向について久氏は「日本は、前年比185%と出荷数は順調に伸びたが、その分、今後の成長余地はあまりない。シンビアンとしては、ミッドレンジ端末にSymbian OSの搭載を目指す戦略を採っている。現状、一番のライバルは、Windows Mobileなどではなく、メーカーごとの独自OS。ノキアもモトローラも、ミッドレンジ以下の端末には独自OSを採用している」と述べた。

 また、Symbian OS搭載端末の動向として、2006年第3四半期時点で開発中だった49機種のうち、第4四半期には、10機種が発売され、新たに17機種が開発中機種に加わっている。

 2006年通年での同社売上高は、約1億6,500万ポンド(約370億円)となった。このうち、ロイヤリティ収入は1億5,110万ポンド。1機種あたりの平均ロイヤリティは1台5.3ドル(約620円)となる。ただし、このロイヤリティにはSymbian OSに加えて、UIQの分も含まれているが、UIQは2007年2月にソニー・エリクソンへの売却が完了しており、今後の数値は今回よりも変わる可能性があると見られる。久氏は「ミッドレンジに注力するということで、ロイヤリティの値下げについては多くの要望をいただいている。Symbian OSは、ミドルレンジ向けやハイエンド向けといったエディションは存在しておらず、世界一律でのロイヤリティになっていたが、昨年9月から少し方法を変えた。1つはボリュームディスカウント、もう1つはキャリアへの納入価格に応じて変動する形だ」と述べ、柔軟な姿勢で対応しているとした。


Symbian OS対応機種は続々と市場に登場している 財務データ
Symbian OS対応機種は続々と市場に登場している 財務データ

POSIXをサポート

技術面から解説した山田氏

技術面から解説した山田氏
 続いて説明を行なった山田氏は、「Symbian OSは、ハードウェアとユーザーインターフェイスに挟まれた存在で"ハンバーグモデル"と呼ばれることもある。基本的にメーカーに対してソースコードを開示しており、オープンな環境で展開していく」と同社の基本姿勢を説明した。

 また同氏は「Symbian OSの言語はC++で、優れたアプリケーションを設計できるが、エンジニアが少ない。そこでPOSIXに対応することにした」と述べた。POSIXは、UNIX系OSで採用されている仕様を示す言葉で、Symbian OS v9では、libc、libdl、libm、libpthreadと4種類をサポートする。

 山田氏は「もしCのAPIがあったら楽だ、と思うエンジニアは多くいるだろう。そこでPOSIXのうち、とりあえず4つ使えるようにした。今後、C言語で記述されたGaim(インスタントメッセンジャー)やApache(Webサーバー)などがSymbian OSを搭載した携帯電話上で動作する可能性もある。現状はまだ具体的なアプリケーションは登場していないが、面白い試みだと思っている。現実問題として、C++でプログラムできるエンジニアは多くない。そこでC言語の技術者に開発してもらえれば、Symbian OSのエコシステムが活気づく」と今後の動向に期待感を示した。


ハンバーガーモデルとも呼ばれるSymbian OS POSIXをサポート さまざまなC言語のアプリが登場する可能性も
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POSIX対応で開発者の増大を図る セキュリティの特徴 Symbian OSにおけるセキュリティ対策の考え方
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URL
  シンビアン
  http://www.symbian.com/Japan/

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(関口 聖)
2007/03/08 19:19

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