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三洋、「携帯電話事業の売却はない」

三洋電機の井植 敏雅社長
 三洋電機の井植敏雅社長は、24日に行なわれた2006年度中間期連結決算会見の席上、一部報道などにあった携帯電話事業の売却検討について、「売却については、何も計画がない」と完全否定した。

 だが、井植社長は、「携帯電話およびデジカメ事業は黒字であるものの、同事業が今年度の計画未達に大きく影響しているのは事実。中期経営計画のSANYO EVOLUTION PROJECTにおいて、携帯電話とデジカメを含むパーソナルモバイル事業の抜本的見直しに取り組む」として、同中期計画における追加施策として、携帯電話事業の構造改革に取り組んでいく姿勢を示した。

 昨年度までは、収益の柱と位置づけられていた携帯電話事業が一転して、課題事業に位置づけられた格好だ。

 携帯電話事業の課題として、井植社長は、「端末機器の高機能化が進展したことによって、開発コストが増大し、これによって利益を圧迫したこと。ライフサイクルの短命化によって在庫コントロールの問題が顕在化したこと。さらに、台湾メーカー勢の台頭による価格競争の激化や、ヒット商品と期待したものに対する部材の確保が遅れ、打ち込みのタイミングが遅れたことなどがマイナス要素となった。市場は想定以上のスピードで動いており、これに対する対応が遅れた反省もある。さらに、MNP制度に対する過剰な期待もあった。デジカメと携帯電話で年初計画に比べて、営業利益が約200億円強減少したが、このほとんどが携帯電話」だとした。

 携帯電話事業の追加施策としては、海外生産の比率をさらに拡大することで、年間1,200万台規模という量産メリットを追求するほか、米国の通信キャリアとの協業強化によって、高付加価値製品の創出を図るという。また、国内市場においては、KDDIとの協業強化により、携帯電話のプラットフォーム開発を推進することで、高機能化および端末開発のコスト削減を狙う。

 同社では、マレーシアの生産拠点での携帯電話生産ラインの増強をすでに明らかにしており、「これにより、他の国内メーカーが国内を中心とした生産としているのとは異なり、海外生産がマジョリティとしている当社の強みをさらに生かしていきたい」とした。

 同社では、追加事業構造改革費用として、約400億円を計上する計画を発表したが、そのうち、携帯電話およびデジタルカメラ事業のコスト構造の改革費用として、約50億円を計上しており、「構造的な問題の解決が早急に求められている。携帯電話事業の生き残りに向けてどうするのか、また来期以降の収益確保にどうするのか引き続き検討を進めていく」とした。

 なお、同社の2006年度中間期連結決算は、全社売上高が前年比7.1%減の1兆955億円。営業利益は158億円、税引前損失は70億円と、いずれも前年の赤字から黒字転換。当期純損失は1,425億円の赤字から回復したが、36億円の赤字となった。そのうち、電話事業の売上高は前年同期比7.5%減の1,650億円となっている。



URL
  三洋電機 2006年度中間期連結決算
  http://sanyo.web-ir.jp/CACHE/japanese/library_summary.cfm
  三洋電機
  http://www.sanyo.co.jp/


(大河原克行)
2006/11/24 17:18

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