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イー・モバイル、安くてシンプルな携帯ブロードバンドへの展開
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イー・モバイルは17日、記者懇親会を開催し、2007年3月にスタートする予定のモバイル事業について語った。同社の代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏、代表取締役社長兼COOの種野晴夫氏、代表取締役副社長兼CFOのエリック・ガン氏などが出席した。
■ 千本氏、MNPは「たいしたことはない」
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イー・モバイルの千本氏
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新ロゴ
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海外の講演から帰国したばかりという千本氏は、国内で注目を集める携帯電話の番号ポータビリティ制度(MNP)について、「そんなにたいしたことはない。それよりも世界からは、携帯電話の新規参入に対しての質問が沢山寄せられた」と話した。この後同氏は再三に渡り、「MNPの話題は1%程度、我々は来年の3月にはその100倍面白いことをやる」と語っていた。
千本氏の話題の中心は、日本のベンチャーが3,000億円という巨費を調達し、携帯電話事業に新規参入するという話が、欧米人に注目されているというものだった。もちろんこのベンチャー企業とはイー・モバイルのことだが、同氏は、「米国でもありえないような資金を調達してモバイルオペレーターをやる、世界にも例を見ないこと。MNPで何%のユーザーが動くかということよりも、我々まっさらなオペレーターが携帯電話の8兆円市場でどうなるかということが注目されている」と語る。
また、「これからの情報通信産業は、基本的にはモバイルが全て」とも語っており、その意気込みを示す上でも17日に、イー・モバイルの新たなロゴを発表したという。新しいロゴで印象的な赤色について千本氏は「ビビッドな赤。知的な意味合いを持ち、我々の挑戦する態度を表わしている。音声のモバイルではない、パソコンに変わる本格的なモバイルブロードバンドの無限の広がりを赤で表現した。モバイル事業への愛も込めている」とした。ロゴ自体はシャープで斬新、優しさなどを表現したものだという。今後、2007年3月に向けて、同社のロゴは街中で見られるようになるとのこと。
最後に同氏は、「3~5年後、この赤のモバイル、ブロードバンドモバイルがかなりの地位を占める。そして、できれば世界にも拡げていきたい」と述べた。同氏がふいに語った「ボーダフォンの赤とは違いますからね」は会場の笑いを誘っていた。
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シンボルカラーは赤
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斬新さと優しさを表現したデザイン
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■ 端末やサービスは2月にお披露目
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イー・モバイルの種野氏
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事業展開スケジュール
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種野氏からは、モバイル事業の具体的な展開について話があった。
イー・モバイルのモバイルサービスは、2007年3月にまず東名阪エリアで開始される。1.7GHz帯において、下り最大3.6MbpsのHSDPA方式のデータ通信サービスを展開し、その1年後となる2008年3月に音声サービスが開始され、2010年3月には300万加入、2012年には500万加入を目指すとしている。
音声サービスについては、2008年3月~2010年11月までの約2年間はNTTドコモとローミングして対応する。つまり、当初の音声端末はイー・モバイルとドコモのデュアル端末ということになる。その間に基地局を増設し、2010年11月には自前の回線による全国サービスを展開するとしている。基地局の増設には2,500億円を投じて展開中だという。なお、データ通信サービスについてはローミングの予定はなく、あくまで自前の回線のみで展開する予定だ。
説明の中で種野氏は、2007年3月に国内外から複数のデータ通信カードを提供するとした。2008年3月の時点で複数のメーカーから音声端末が登場するとしており、「音声では今後、いわゆるスマートフォン的な、BlackBerryのようなものも提供していきたい。その後エンベデッド向けのものも投入する予定」(種野氏)と述べた。
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データ通信サービスの展開
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音声サービスの展開
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端末ロードマップ
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なお、説明後には種野氏から、サービスの方向性などが談話として語られた。
同氏によれば、2007年3月の時点でイー・モバイルの売りとなるのは下り最大3.6Mbpsのデータ通信速度と割安な利用料、わかりやすい料金プランになるという。同社は東名阪からスタートし、政令指定都市へと対応エリアを拡大していくが、やはり、通信可能なエリアについて既存の事業者に追いつくのは当分先になるとのこと。
端末については、国内外のメーカーと開発を進めているとし、海外メーカー製端末のローカライズはイー・モバイルがイニシアティブをとっているとした。また、販売店へのインセンティブについては現時点でも検討課題であるとし、「なるべくインセンティブに頼りたくないが、なかなか難しい」とコメントした。端末やサービスについては2007年2月頃に発表されるという。
さらに、2010年のドコモのローミングが終了時点までに、SkypeのようなVoIP型のモバイルサービスを提供するつもりがあるか問うと、メインの音声サービスとしては従来型のものを当面考えているとした。ただし、「アプリで実現するものについては投入されるかもしれない」と述べた。
種野氏はターゲットとなるユーザーを、ビジネスコンシューマーと語った。安い料金で早い通信速度のデータ通信サービスとなると、ウィルコムのPHS事業と重なる部分もあるが、その点についてはある程度食い合いになるとの見解を示し、「競争がなければどちらもよくならない」と話していた。
このほか、CFOのエリック・ガン氏は「パケットって何だかわからない。1パケットが0.01円と言われても、ユーザーは今何パケット使ったのか全然答えられないでしょう。そういうものではなく、パケットを考えなくてもいいようなものにしたい」と語ったが、定額料金となるかどうかについては明言を避けた。
さらに、既存携帯事業者の機能やサービスを挙げて、「全部使っていますか? 使っていないでしょう。その分の無駄な料金も我々は支払わされています。我々はADSLの時と同様にシンプルに展開しますよ」とコメント。シンプルな端末をわかりやすい料金で安く提供することが現実的に可能だとコメントし、同時に利益も確保できるとした。インドでは1カ月800円で利用できる事業者がドコモの2倍のEBITDAマージンをあげているという。
■ URL
イー・モバイル
http://www.emobile.jp/
新ブランドロゴのニュースリリース
http://www.emobile.jp/cgi-bin/press.cgi?id=441
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(津田 啓夢)
2006/10/17 20:40
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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