ケータイ Watch
最新ニュースIndex
【 2009/06/26 】
携帯フィルタリング利用率は小学生で57.7%、総務省調査
[17:53]
ドコモ、スマートフォン「T-01A」を28日より販売再開
[16:47]
ソフトバンク、コミュニティサービス「S!タウン」を9月末で終了
[15:51]
ソフトバンク、ブランドキャラクターにSMAP
[15:34]
カシオ、携帯での閲覧にも対応した画像変換ソフト
[14:56]
テレビ朝日、iモードで動画配信「テレ朝動画」を開始
[13:54]
ファーウェイ、東京に「LTEラボ」開設
[13:22]
SoftBank SELECTION、iPhone 3GS向けケース3種発売
[13:04]
「G9」の文字入力に不具合、ソフト更新開始
[11:14]
アドプラス、iPhone 3G向けコンバージョンレンズ
[10:41]

KDDIと日立、法人向けに携帯電話用の無線ICタグリーダー

携帯電話用ミューチップリーダーを手にする日立の井村氏(左)とKDDIの渡辺氏(右)
 KDDIと日立製作所は、携帯電話に装着して使う無線ICタグ(RFID)リーダーを共同開発し、10月2日から販売すると発表した。

 今回発表されたのは、折りたたみ型携帯電話の電池パック側に装着して利用する「携帯電話用ミューチップリーダー」。読み取れるのは日立が提供する無線ICタグ「ミューチップ」で、周波数帯は2.45GHz帯を利用する。リーダー本体と携帯電話は有線ではなくBluetoothによる無線接続を行ない、リーダー本体には単4型電池が搭載される。これにより携帯電話に装着していない状態でもリーダー機能を利用可能。携帯電話に装着するアタッチメント部分は交換可能で、さまざまな機種に対応できる仕様になっている。

 リーダー本体および組み合わせて活用するためのソリューションは日立から提供される。KDDIは、携帯電話の供給と、読み取り用アプリなどBREWアプリケーションの開発・サポートを行なう。携帯電話用ミューチップリーダー本体の価格は1台あたり84,000円。受注生産で、標準納期は5カ月。別途システム構築費用やアプリケーション開発費用が必要になる。両社では、今後3年間で10,000台の販売を目指す。なお、ミューチップの価格は、月産1億個のペースになれば1個5円程度になる見込み。


KDDIの渡辺氏
 27日には都内で記者向けの発表会が開催され、概要が説明された。KDDI 技術統轄本部 技術開発本部長の渡辺 文夫氏は、「MNPに向けていろいろな施策をうっているが、コンシューマーに加え今後非常に重要なのが法人マーケット」と法人市場の重要性を語るとともに、RFIDについてはKDDIとしてこれまでもさまざまな研究を行なってきたとした上で、「ネットワークに組込み提供することで、法人マーケットの拡大につなげたい期待の商品」とミューチップリーダーへの期待を述べた。


日立の井村氏
 日立製作所 情報・通信グループ トレーサビリティ・RFID事業部長の井村 亮氏は、トレーサビリティのもたらす価値連鎖、社会のニーズなどを説明した上で、今回発売する携帯電話用ミューチップリーダーの概要を説明。「いつでもどこでも使えることが特徴。携帯電話なので、ネットワークインフラが敷設されていない場所でも使える」と携帯電話と連携する点をポイントに挙げたほか、GPS、カメラ、ブラウザ、音声など携帯電話のさまざまな機能と組み合わせた利用が可能とした。

 適用例として挙げられたレール敷設・保線管理システムでは、線路脇に打ち込まれる杭にミューチップを内蔵。リーダーで読み取った際にはGPS機能を利用して管理情報に位置情報を追加でき、メンテナンス対象箇所の特定などが正確に行なえるようになる。このほか、宅配業務におけるトレーサビリティの実現とドライバー配送支援のシステムや、小売店において詳細情報の配信から決済、在庫管理まで行なえるサービスなどが挙げられたほか、ビルのセキュリティシステムや、防犯・火災検知システムなどで導入が検討されているという。

 井村氏は、将来的にはICタグの利用がコンシューマーにまで拡大するだろうと予測し、近い将来では家電や食品においてICタグがコンシューマー向けに利用されるとした。また今後は、リーダー機能をチップ化し、携帯電話に内蔵することもニーズに応じて検討していきたいとの考えを示したほか、海外市場の携帯電話向けにミューチップリーダーの展開も行なっていきたいとした。


ミューチップリーダーと携帯電話の融合でさまざまな活用ができるとした 読み取り用アプリで保線の杭を読み取ったところ

ミューチップリーダーを装着したW32T 左側にインジケータと電源スイッチ

携帯電話を掴んでいるアタッチメント部分は交換可能で、他の機種に対応できる Bluetoothに対応し、BREWアプリが動く携帯電話であれば対応可能。法人向けのE03CAなども対応できるという

左はミューチップを内蔵した杭 RFID読み取り用のデモアプリ


URL
  ニュースリリース(KDDI)
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/0927/
  ニュースリリース(日立)
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/09/0927a.html

関連記事
KDDI、携帯向けRFIDリーダーや簡易BREWアプリ制作ツール


(太田 亮三)
2006/09/27 15:08

ケータイ Watchホームページ

ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.