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W杯現地観戦者必見! ドイツでの国際ローミング利用法

 6月9日、ドイツで「2006 FIFAワールドカップ」が開幕する。日本代表の試合は12日から行なわれるが、実際に現地で応援する、という人もいるに違いない。1人で行くにしろ、友人と連れだって行くにしろ、手元に携帯電話があれば何かと役立つことだろう。

 ドイツで携帯電話を利用するには、現地通信事業者のショップなどに行ってプリペイドの携帯電話やSIMカードを購入する方法、あるいは海外対応の携帯電話をレンタルする方法などがある。今回は、「海外は初めて」という人でもスムーズに利用しやすい、国内キャリアが提供する国際ローミングサービスの使い方を紹介しよう。


ドイツと言えばDB(Deutsche Bahn)。日本代表の全試合を観るならば、DBを活用する人も多いだろう 駅前が発展している街は多い。道に迷えば駅を目指すのも解決策の1つ

基本サービス「音声通話」のやり方は?

日本へ電話する場合、「+81」を付加しよう
 国内キャリアのローミングサービスを利用する場合、普段使っている国際ローミング対応の携帯電話をそのまま持っていって使う、あるいは対応機種をレンタルして使うことになる。普段使っている携帯電話から電話をかける場合、電話帳のサブメニューから「国際番号(+81)」を付加する機能を選べば良いだろう。

 一方、レンタルユーザーの場合は、最初は端末本体内の電話帳にデータが登録されていない。SIMカードに電話番号などを登録しておく、あるいは渡航中に連絡する相手の電話番号などを手帳などにメモしておく、といった対応をする必要がある。電話帳に登録しないまま、電話をかける場合は、国番号などを付加することを心掛けておきたい。


ドコモユーザーの場合

7日発売のP902iSは3Gローミング対応機だ

7日発売のP902iSは3Gローミング対応機だ
 NTTドコモでは、国際ローミングサービス「WORLD WING」を提供している。海外で利用する場合は、エリアによって利用できるサービスが異なるが、ドコモユーザーが現地でアクセスする、つまりローミング先となる通信事業者はE-Plus、T-Mobile、O2の3事業者。日本代表が試合を行なう、カイザースラウテルン、ニュルンベルク、ドルトムントといずれの地域でも、E-PlusとT-Mobileが3Gネットワーク対応となっており、音声通話のほか、テレビ電話やiモード、SMSが利用できる。

 通話料は、ドイツ国内への相手にかけた場合、1分80円(テレビ電話は280円)で、日本にいる相手にかけた場合は1分180円(テレビ電話は480円)。また電話がかかってきた場合、着信料1分110円(テレビ電話は330円)かかる。

 現地でのパケット通信料は、T-Mobileが50パケットまで50円、50パケット以上は1パケット0.2円となっている。E-PlusとO2は、100パケットまで100円、100パケット以上は1パケット0.2円だ。どちらかと言えば、T-Mobileのほうが気軽に利用できる料金体系と言える。携帯電話側で、ローミング先の事業者を手動設定する場合は、T-Mobileを選ぶのがオススメと言えるだろう。

 料金は日本国内よりも割高だが、現地から写真付メールを友人に送れば、リアルタイムの興奮を伝えられる。さらにテレビ電話であれば、これまでにない新しい体験と言える。

 日本代表の試合が行なわれる6月12日までに発売される、あるいは発売済の国際ローミング対応機種は、N900iG、M1000、NM850iG、SIMPURE L、SIMPURE N、P902iS、N902iSの7機種。このうち902iSシリーズ2機種は、3Gエリアのみ利用できる「3Gローミング」対応機種だ。これらの機種を利用しているユーザーは、そのまま持っていくだけで利用できる。

 対応機種を持っていないユーザーは端末をレンタルすれば良い。ドコモユーザーであれば、事前に手続き、あるいは空港内のカウンターで申し込むことで、海外対応の携帯電話をレンタルできる。この場合は、別途、日額でのレンタル料が発生する。申込は、iモードかパソコンからのオンライン経由、ドコモショップ、電話窓口、空港内のワールドカウンターで受け付けている。ただし、レンタルする場合、オンライン経由かドコモショップであればレンタル料が1日105円となるのに対し、電話窓口や空港内カウンターでは1日525円となり、5倍もの差がある。となれば、オンライン経由やドコモショップから申し込んでおくべきだろう。

ドイツでの利用可能サービス
音声通話 テレビ電話 SMS Eメール Webブラウズ

ドイツでの料金目安
レンタル料 ドイツ国内
への通話料
日本への
通話料
着信料 パケット通信料
1日105円~ 1分80円 1分180円 1分110円 6.25KBまで50円
1.6円/1KB
(※T-Mobile)



URL
  WORLD WINGサービス案内
  http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/

auユーザーの場合

Nokia 3120は、グローバルエキスパート推奨機種

Nokia 3120は、グローバルエキスパート推奨機種
 KDDIがau向け国際ローミングサービスとして提供しているのは、CDMA 1X端末が海外でも使える「グローバルパスポート(GLOBAL PASSPORT)」と、au ICカードをGSM端末に差し替えて利用する「グローバルエキスパート(GLOBAL EXPERT)」の2種類。GSM/W-CDMA方式しか用意されていないドイツでは「グローバルエキスパート」を利用することになる。

 ただし、au ICカード対応機種を持っていない、というユーザーに向けたサービスも用意されている。それが「auモーバイルエクスプレス」と呼ばれるサービスだ。つまり、au ICカード対応機種を持っているユーザーなら「グローバルエキスパート」を、通常のCDMA 1X/CDMA 1X WIN端末のユーザーは「auモーバイルエクスプレス」を使う形になる。

 「グローバルエキスパート」、「auモーバイルエクスプレス」のどちらも、ドイツで利用できるサービスは音声通話のみ。国内での携帯電話の使い方と比べると少し寂しい感は否めないが、相手との待ち合わせや宿泊先への連絡など、携帯電話ならではのありがたみは十分味わえる。

 「グローバルエキスパート」の利用料は、ドイツ国内にいる相手への通話が1分100円、日本にいる相手への通話が1分300円だ。かかってきた場合は、着信料として1分140円かかる。一方、「auモーバイルエクスプレス」の利用料は、7月20日までドイツを訪問するユーザーを対象にしたキャンペーンが実施されているため、従来より割安になっている。通話料は1分230円、着信料は1分130円だ。

 グローバルエキスパートもauモーバイルエクスプレスも、基本的に現地で使う携帯電話をレンタルすることになるため、別途レンタル料が必要となる。グローバルエキスパートでの端末レンタル料は1日900円(31日目以降は1週間につき4,900円)となる。また、レンタルする携帯電話の補償制度も用意されており、加入する場合は1台につき1日200円かかる。

 auモーバイルエクスプレスでの端末レンタル料は、通常1日600円(オンラインや専用窓口からの申込では1日540円)だが、前述のキャンペーンによって、一定期間借りるコースを選択するとレンタル料が無料になっている。auユーザーならば、見逃せないキャンペーンと言えるだろう。

ドイツでの利用可能サービス
音声通話 テレビ電話 SMS Eメール Webブラウズ
× × × ×

グローバルエキスパート:ドイツでの料金目安
レンタル料 ドイツ国内
への通話料
日本への
通話料
着信料 パケット通信料
1日900円 1分100円 1分300円 1分140円

auモーバイルエクスプレス:ドイツでの料金目安
レンタル料 ドイツ国内への通話料 日本への通話料 着信料 パケット通信料
無料 1分230円 1分230円 1分130円
※期間指定コース(1週間コースなど)の場合
※2006年7月20日まで



URL
  au 国際ローミングサービス案内
  http://www.au.kddi.com/kaigai/

ボーダフォンユーザーの場合

VGA液晶搭載の904SHも海外で利用できる

VGA液晶搭載の904SHも海外で利用できる
 海外でも使える機種が最も充実しているのは、やはりボーダフォン。3G端末の多くでGSM方式がサポートされており、まさに「普段使っているケータイを海外で」ということが実現しやすい環境と言える。なお、国際ローミングサービスを利用するには、事前に利用申込する必要がある。

 ボーダフォンユーザーがドイツで利用できるのは、音声通話やTVコール(テレビ電話)、SMS/MMS、Webブラウジング、データ通信だ。現地でアクセスするローミング先は、E-Plus、O2、そしてVodafoneだ。ローミング先を手動設定するのなら、通話料が安いVodafoneがオススメ。たとえば日本へかける場合、他社は1分265円かかるが、Vodafoneならば1分175円。ドイツ国内へかける場合も他社は1分115円だが、Vodafoneは1分75円となっている。現地での通話料がドコモやauよりも安い、というのも特徴の1つだろう。

 通信料を見ると、SMSはどのローミング先でも1通100円だが、MMSやWebブラウズでは料金が異なる。他社(この場合E-Plusのみ)では最初の10KBで100円、以降、10KBにつき50円かかる。ローミング先をVodafoneにしていると、最初の10KBで100円というのは同じだが、それ以降の通信料は10KBにつき5円。E-Plusよりも割安と言えるだろう。

 3G端末のほとんどが海外対応だが、905SHや703N、802Nなど海外ローミング非対応の3G端末やPDC端末を利用しているのであれば、対応端末をレンタルすることになる。申込は、基本的にインターネットかFAXになるが、空港カウンターや一部のボーダフォンショップでは当日の申し込みも可能。当日申込では、在庫がない可能性もある。

 レンタル用端末はいくつかラインナップされているが、機種によって1日あたりのレンタル料が異なる。V801SHは1日840円、V66は1日420円、703SHは1日525円だ。端末の破損に備えて、補償制度も用意されており、こちらは1日210円となる。現地での利用料とあわせて、帰国時にクレジットカードで決済することになる。

ドイツでの利用可能サービス
音声通話 テレビ電話 SMS Eメール Webブラウズ

ドイツでの料金目安
レンタル料 ドイツ国内
への通話料
日本への
通話料
着信料 パケット通信料
1日420円~ 1分75円~ 1分175円~ 1分110円 10KBまで100円
5円/1KB



URL
  ボーダフォン 国際ローミングサービス案内
  http://www.vodafone.jp/3G/global_service/

注意したいことも

 ちなみに国民生活センターは今年1月、国際ローミングに関するトラブルが発生しているとして、注意を呼びかける文書を発表している。

 国内キャリアの国際ローミングサービスを利用した場合、海外でも普段とほぼ同じ使い勝手で携帯電話を利用できる一方、料金が予想以上に高くなる可能性は否定できない。さらに国民生活センターが発表した文書では、携帯電話内部に入っているSIMカードを抜き取られて、海外で使用されたケースも紹介されている。

 「通話料・通信料は日本より高い」「端末を常に手放さない」といったことは、渡航中、心掛けておきたいポイントだろう。


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国民生活センター、国際ローミングでのトラブルに注意呼びかけ


(関口 聖)
2006/06/07 17:52

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