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ボーダフォン、今年はメール・コミュニティに注力

左からモロー氏、津田氏、太田氏
 ボーダフォンは28日、新機種「904SH」の発表に合わせ、今後のプロダクト・サービスの方向性を明らかにする発表会を開催した。コミュニケーション・サービスへの回帰と革新的なボーダフォンの復活が強く打ち出された内容で、ボーダフォン代表取締役社長 ビル・モロー氏、同代表取締役会長の津田 志郎氏、専務執行役 プロダクト・サービス開発本部長の太田 洋氏の3氏から今後のボーダフォンの展開が語られたほか、開発中のサービスなども明らかにされた。

 発表会の冒頭では、モロー氏が「他社と全面的に勝負するのではなく、セグメントに特化して勝負していく。写メールのように強みを持つメッセージングの分野でリーダーシップを発揮していく」と語り、今後の同社の展開においてメールなどのメッセージング・サービスに注力していくことがまず打ち出された。

 同日発表されたVGA液晶搭載端末「904SH」についても「イノベーションが復活してきた」とし、端末プロダクト面での革新性もアピールした同氏は、同端末で採用されたBluetoothによるチャットやゲーム対戦機能にも触れて「写メールのイノベーションをさらに広げていく」と革新的なサービスの展開に意欲を見せた。


2006年は「本格的な挑戦の年」

 津田氏はこれまで、2005年度を「反転攻勢の年」と位置付けてきたが、2006年度は「本格的な挑戦の年」と位置付ける。同氏は2つの大きなテーマ「3Gへの本格移行」「イノベーティブなボーダフォンの復活」を掲げ、それぞれについて展開の方向性を明らかにした。

 3Gへの本格的な移行を示す数値としては、2005年に発売された17機種のうち、11機種が3G端末であったことや、3G契約者数が200万件を突破したことなどを挙げた。また、全体の加入者数に占める3G契約者の割合が2004年は3.5%であったのに対し、2005年は16.8%に上昇したとして「着実に3Gへの移行が進んでいる。ラインナップ、品質を向上した結果と考えている」などとした。サービスエリアについては、現在3Gの人口カバー率が99.89%であるとし、今後は屋内なども品質向上に取り組んでいくとした。

 FeliCaへの対応やVodafone live! CAST、デルモジ表示や顔認証機能など、新サービスは「いずれも軸足を3Gに置いている」とする同氏は、「2006年度も3Gを加速していく」と述べて、積極的に3Gへ取り組んでいくとした。なお、PDC端末のサービスについては、「3Gへの移行率を上げていきたい。競合他社の移行も加速しており、我々だけゆっくり3Gに移行するというのは許されない」とするとともに、「今後数年の中で、ユーザーの意向を踏まえながらサービス終了時期を検討することになる」とした。


「コミュニケーション」を中心に5つの方向性

「コミュニケーション」を中心に5つの方向性を示した
 今後の具体的な展開については、太田氏から説明が行なわれた。同氏は初めに「日本仕様のプロダクトをきちんと提供しなけらばならない」とし、「グローバルの仕様に日本向けの仕様をプラスした端末を、2005年から開始している」と述べて、3G端末初期の反省を踏まえた展開が行なわれていることをアピールした。

 今後のプロダクト・サービスの開発コンセプトについては、「エンターテイメント」「実用的サービス」「生活密着型サービス」「企業向けサービス」の4つと、その中心に位置する「コミュニケーション」の5つのコンセプトが掲げられた。


音楽サービスでは新サービスも示唆

ネットワークを利用した本格的なゲームの投入も

企業向けにはWindows採用端末やPDA型端末も検討
【エンターテイメント】
 まず、エンターテイメント分野では、これまでも展開してきた電子コミックに加え、ゲーム、音楽を戦略サービスと位置付ける。電子コミックはさらに注力していくとし、904SHには保存用の専用のフォルダが設けられたことを紹介。Bluetooth対戦機能でゲームアプリで近距離の無線対戦が可能になったことに関連し、今後は遠くのユーザーとも利用できる高度なオンラインゲームも市場に投入予定であるとした。

 音楽系サービスにおいては、Vodafone live! BBで採用しているようなコンテンツのデータとライセンスキーに相当するファイルを別々に流通させる超流通の仕組みを開発中であることも明らかにされた。

【生活密着型/実用的サービス】
 生活密着型および実用的サービスの分野では、ショッピングなどのEコマースの拡大が見込まれるとし、さまざまな支払い手段を提供しながら、携帯電話上や実際のショッピングで利用できるサービスを本格的に立ち上げる予定であることが明らかにされた。

【企業向け】
 企業向けサービスの分野を「ここも大事なエリア」とする太田氏は、これまでノキア製端末のSymbian OSに対応してきた「ボーダフォン・オフィス・メール」について、Java版が開発中であることを明らかにした。また、企業向け端末も継続的に投入する予定とし、Symbianに加えOSにWindowsを採用した製品や、PDA型の製品を検討しているとした。ビジネス向けアプリも3G端末を基本として展開し「WiFiやVoIP対応サービスもビジネスエリアではやっていく」などとした。


感情を伝える「フィーリングメール(仮)」

「ちかチャット」はBluetooth対応端末で利用できる通信料不要のチャット機能
【コミュニケーション】
 5つの方向性の中心に位置する「コミュニケーション」について、同氏は「通信事業者として基本であるコミュニケーションに立ち返りたい」と述べ、SkyWalker、J-SKY、写メールなどメッセージングで強みを発揮してきた同社として、「メールコミュニケーションに再度フォーカスしていく」という方向性が打ち出された。

 同氏は電話やテレビ電話、チャット、エモーティブメッセージング、コミュニティの4つ挙げた上で、開発中のサービスを含めた「フィーリングメール(仮)」「ちかチャット」「V-コミュニティ(仮)」「V-TOWN(仮)」の4つの新サービスを公開した。

 1つ目は、開発中の「フィーリングメール(仮)」。これは、受信したメールを開く前でもメールの内容や送信者の気持ちが伝えられるというコンセプトで考えられたサービス。バイブレーションや着信音、LED、アニメーションなどを連動させて変化させることで、送信者の感情を伝えようというもので、「アバターが現われて気持ちを伝える」といった表現方法にも言及された。

 2つ目に紹介されたのは、Bluetoothを利用するチャット機能「ちかチャット」。同氏は「Bluetoothを利用して近距離で使えるチャットで、サクサク使える。不謹慎だが、会議中に目配せしながらチャットする、なんてこともできるかもしれない」などと利用シーンの一端を紹介した。

 3つ目に紹介されたのは「V-コミュニティ(仮)」。これは「SNSやブログのようなもの」と紹介され、日記をメンバーに公開したりサークルを開設したりといった機能が紹介された。

 最後に紹介された「V-TOWN(仮)」は、3Dの仮想空間の街でチャットやゲーム、コミュニティ機能が利用できるというもの。仮想空間の楽しさを訴求しながら、エンターテイメントサービスや実用性のあるサービスを投入していくとした。


「V-コミュニティ(仮)」ではSNSのようなサービスを検討 「V-TOWN(仮)」は3Dの仮想空間をベースにさまざまなサービスを展開する

コミュニケーションにフォーカスした端末

端末ラインナップと位置付け
 これら5つの方向性以外に、端末開発の方向性についても説明が行なわれた。「バリエーションをどんどん増やしていきたい」とする同氏は、「コミュニケーションにフォーカスしていく」こと改めて示し、メッセージングなどの分野で新しいアプリケーションを積極的に展開していくという方向性を打ち出した。また、ゲームや電子コミックといったメディア、コンテンツのサービスも積極的に強化していく。

 「使いやすいケータイへ」という端末の方向性も挙げた同氏は、日本向けのユーザーインターフェイス(UI)を使いやすいものにするため、日本のボーダフォンに専門のチームを設置してUIの研究・開発が行なわれていることも明らかにした。

 このほか、VGA液晶を搭載した904SHについては「液晶の美しさをぜひ確認して欲しい。新しいアプリケーションの可能性もある」などとしたほか、詳細は伏せられたものの開発中のワンセグ対応端末も紹介された。


VGA液晶の高精細な表示は新たなサービスの登場を予感させる 詳細は伏せられたワンセグ端末、回転ギミックが特徴


URL
  ボーダフォン
  http://www.vodafone.jp/

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(太田 亮三)
2006/02/28 21:12

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