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左から「804SS」「804N」「904T」「V403SH」
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ボーダフォンは、春商戦向け新機種「804SS」「804N」「904T」「V403SH」を2月下旬以降に発売すると発表した。
なお、各端末や新サービスの詳細については、個別記事を参照されたい。
■ 野副氏、「反転攻勢から、2006年は攻勢の年へ」
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ボーダフォンの執行役副社長 コンシューマー事業統轄本部長の野副正行氏
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発表会ではまず、ボーダフォンの執行役副社長 コンシューマー事業統轄本部長の野副正行氏より、ボーダフォンの現状について説明があった。
同氏は冒頭、1月11日に発表された電気通信事業者協会(TCA)の2005年12月末時点の携帯電話契約数情報に言及。「11月は57,000件、12月は63,700件の純増と好調だった」と、同社の2005年の目標だった「反転攻勢」が後半になって達成したとする一方、「年間では43,000件のマイナス。グループ全体として一昨年の施策が間違っていた。この結果を真摯に受け止め変えていく」とした。
同氏は、2005年9月にボーダフォンに迎えられた同社のコンテンツ系のキーパーソン。元ソニーの常務で、おサイフケータイの非接触ICでも知られるFeliCaの推進役として活躍していた。同氏によれば、2004年12月のボーダフォンの失敗を受けて、2005年4月以降、津田(代表執行役会長 津田志郎氏)・モロー(代表執行役社長 ビル・モロー氏)両氏の新体制となってからは、「しっかりした3G端末の提供」を第一に検討してきたという。
新体制以降、昨年夏の3つの定額サービスや、3Gのカバーエリアの拡充(99.88%)など、こうした施策が功を奏したか、ボーダフォン契約者における3G端末の割合は15%にまで拡大した。2005年11月・12月だけを見れば、半数以上が3G端末を契約している状況だという。また、昨年11月にスタートしたLOVE定額も好調で、現時点で1,500万契約を突破、野副氏は、「現在、新規ユーザーの半数が定額サービスに加入している状況だ。今後もユーザー第一に展開していく」と述べた。
とはいえ、NTTドコモ・auと比較してみると、ボーダフォンの純増数は決して大きなものではない。野副氏はその点を踏まえた上で、「2006年は番号ポータビリティもあり、市場はまだまだ難しい状況だが、2006年は攻勢の年と考えている。昨年後半の反転攻勢から、今後は攻勢に転じていきたい。我々はチャレンジャーとして、夏・秋に向けて攻勢をかけていきたい」とした。
■ 初の国内向けサムスン製端末や、モバイルSuicaについて
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新端末を手に野副氏(左)と、ボーダフォンの専務執行役 プロダクト・サービス開発本部長の太田洋氏(右)が並んだ
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春商戦向けの新端末については、ボーダフォンの専務執行役 プロダクト・サービス開発本部長の太田洋氏より説明があった。
今回発表されたのは、「804SS」「804N」「904T」「V403SH」の4機種。「804SS」は、サムスン電子製の3G端末で、薄さ14.9mmに2.3インチ、QVGA液晶を搭載。「804N」は、450MBの大容量メモリを搭載したNEC製の音楽ケータイで、NEC製のボーダフォン向け端末としては初の国際ローミング対応端末となる。「904T」は、3.2メガカメラなどを搭載した東芝製のフラッグシップモデルで、おサイフケータイなどに対応する。「V403SH」は2メガカメラを搭載したコンパクトなPDC端末となる。
ボーダフォンでは、これら4機種に加えて、既に発表されている端末や、新たなボディカラーが加わる「804SH」「803T」「V604SH」「V502T」を合わせた計8機種で、春商戦を戦う方針だ。春商戦のモデルについて、太田氏は、「ハイエンドからスタンダードまでそろえたバランスを考えた構成」としており、デザイン性でのポジショニングについてもバランスを重視した構成であるとした。
太田氏は、サムスン製の端末を投入した背景を「ボーダフォンのグローバルでは長い付き合いがある。今回、日本でも売れると確信した」と説明。「今回の端末は日本先行型となるが、おそらく今後グローバルでも投入される」と語った。
一方、野副氏は「メーカー各社は日本の成熟したマーケットでは苦労している。それは海外のニーズとギャップがあるためだ。3Gについても開発スピードや品質のコントロール能力など、高いレベルでクリアしなければならない。サムスンはそうした問題をクリアできる会社の1つ」とした。
なお、フラッグシップ端末として、今回発表された端末で唯一おサイフケータイに対応する「904T」は、モバイルSuica非対応となっている。ドコモ・auでモバイルSuica対応をアナウンスした端末が登場しているだけに、アドバンテージを許している状況だが、こうした点について、自身も長くFeliCaに携わってきた野副氏は、「私も長いことFeliCaをやってきている。しかしSuicaの場合は、利用に耐えるために、JR東日本の長いクリアランス(手続き)や、実験が必要となる。先方にはお願いしており、若干遅れるが、我々もやっていきたい」とするに留まった。
また、春商戦のラインナップについて、野副氏は「春商戦は端末の物量ではなく、各セグメントに合った商品を提供できるかどうか。新社会人・新学生に向けた商品は用意していると思う。ラインナップもハイエンド、ミドルクラス、エントリーと用意し、3GはもちろんPDCも提供する。マーケット的に充分やっていける」と述べた。
このほかボーダフォンでは、ワンセグ対応端末の開発や、子供向けの端末についても検討を進めているという。子供向けについては春商戦に投入はないとのことだが、YOZANが展開する自動見守りシステムに同社の通信網が使われる予定となっている。
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2006年春商戦モデル
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新端末のターゲット分布
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デザインのポジショニング
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■ URL
ボーダフォン
http://www.vodafone.jp/
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(津田 啓夢)
2006/01/18 15:15
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