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写真左から、イー・アクセス代表取締役社長兼COOの種野 晴夫氏、代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏、TBSテレビ 専務取締役の城所賢一郎氏、東京放送の執行役員・メディア推進局長の原田俊明氏
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イー・アクセスは、携帯事業に向けて準備を進めている子会社イー・モバイルにおいて、東京放送(TBS)を割当先とした総額100億円の第3者割当増資を実施すると発表した。
イー・モバイルは、無線ブロードバンドサービスの提供を目的に設立されたイー・アクセスの100%子会社。現在は事業開始に向けて準備を進めている。今回、イー・アクセスとTBSでは、放送と通信の連携サービスを検討するためのパートナーシップを構築する必要があると判断。9月30日付けでイー・モバイルの第3者割当増資が実施され、TBSが100億円で引き受ける予定。
また両社は、資本提携に伴って、共同で「モバイルブロードバンド・コンテンツ戦略推進委員会(仮)」を結成し、放送と通信の統合サービスに向けた検討・推進を行なっていく予定。1セグメント放送と呼ばれる携帯電話向けの地上デジタル放送や、モバイルブロードバンド向けコンテンツの企画、放送と通信が連携する番組連動型サービスなどを検討していく。
発表会では、イーアクセスの代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏より、今回の資本提携について説明があった。同氏は、総務省が8月22日より、同社が割り当てを求めている1.7GHz帯の免許申請が開始されたことに言及し、「12月頃には新しい3Gの免許が付与されると言われている。まさにカウントダウンが始まった」とした。同社では、免許を取得した後、高速パケット通信技術であるHSDPAでサービスを展開するとし、2007年にも無線ブロードバンドサービスを提供、以降、2008年頃には音声サービスを開始するとしている。
また、無線ブロードサービスに向けて、8月16日にはイー・モバイルへ300億円の追加出資を行なったことなどを説明。サービスインに向けて順調に展開していることを印象付けた。
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放送・通信業界の動向
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TBSが100億円を出資
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イー・モバイルの事業戦略
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同社が展開したいサービスの概要については、これまでの発表されてきたものと変わりなかったが、千本氏は、携帯電話のブロードバンド化によって、ユーザーのニーズは放送などの動画コンテンツに集中するとの見解を示し、今回の100億円の出資について「放送事業者と通信事業者が手を結ぶ本格的なもの」とコメントした。
今回の増資によってイー・モバイルの資本機と資本準備金の合計は約400億円となる。同社では2005年末を目途に約1,000億円まで増資する予定で、TBSのほかさまざまな企業に話を持ちかけているという。
また、今回の出資についてTBSテレビの専務取締役の城所賢一郎氏は、「イー・アクセスとのエクスクルーシブな(排他的な)関係にはしない。他キャリアへもコンテンツ提供していきたい」とした。一方、千本氏も「TBSは我々からすればプライオリティの高い企業となるが、エクスクルーシブな関係ではない」と他キャリア、他の放送事業とも提携していく可能性を残した。
このほか、両社ともにイー・モバイルの黒字化には長期的な視点を置いているとし、千本氏は単月黒字は事業開始から3年後との見通しを示した。TBS側の城所氏も「モバイル系は将来有力なパーソナルツールとなると考えている。映像と音声のコンテンツを提供することもそうだが、固定通信も含めて進出しておきたい」と話した。また、免許が交付されれば新たな携帯通信事業者となるイー・モバイルに当初から関わっていくことで、「面白いことができるのではないか」(城所氏)とした。
なお、イー・モバイルに免許が割り当てられなかった場合について、イー・アクセス広報部は、「割り当てられると信じている。TBS側も信じているため今回出資いただけることになった。万が一、割り当てられなかった場合についても株主に迷惑がかからないように対処したい」としている。
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1セグ放送も共同で検討していく
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ビジネスモデルの創出
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事業展開スケジュール
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■ URL
プレスリリース(イー・アクセス、PDF形式)
http://www.eaccess.net/press_img/3056_pdf.pdf
TBS
http://www.tbs.co.jp/
■ 関連記事
・ イー・アクセス、2006年にもモバイル事業開始を計画
(関口 聖, 津田 啓夢)
2005/08/31 16:01
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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