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「MP211」は、ARM製の3つのCPUを並列で搭載し、低消費電力かつ高性能を実現する携帯機器向けプロセッサ。昨年9月に発表し、2005年1月よりソリューションとして提供するとアナウンスされていたもの。 Linux OSに対応し、新たにOSやソフトウェアを開発することなく、携帯端末などに導入できる。例えば、携帯電話向け地上デジタル放送の場合、シングルチップのプロセッサでは他のアプリケーションを利用すると、処理速度が低下し画像がカクカクと表示される場合があるが、MP211では個別にCPUを走らせているためこうした状況になりにくいという。 また、ウイルスなどの外部から悪意のあるアプリケーションをダウンロードした場合、仮に一方のCPUがハングアップしてしまってももう一方のCPUは動作する。インターネットなど、外部から取得したアプリケーションと個人情報などを扱うCPUと別に配置すれば、外部アプリケーション側から個人情報へのアクセスを禁止することも可能。 両社では、今回のプロセッサを米カリフォルニアで2月7日から開催される学会「国際固体素子回路会議」（ISSCC2005）で発表する。また現在、個々のCPUの消費電力などを個別にコントロールできる技術「マルチコアDVFS用クロック＆バス技術」の研究に着手しており、成功すればMP211の性能を飛躍的に向上できるとしている。今後さらに、メモリの共有しながらハードウェアを制御する技術などに取り組んでいくとのこと。
発表会では、携帯電話向けの地上デジタル放送のデモのほか、1月26日に発表した音声認識技術のデモンストレーションが行なわれた。いずれもMP211が搭載されている。ただし、現状では今回のデモ用に3つのCPUを全て稼働しているため、携帯電話などに搭載するためにはさらに開発が必要だという。
■ ＵＲＬ NEC http://www.nec.co.jp/ ■ 関連記事 ・ NECエレ、Linux対応の携帯向けアプリケーションプロセッサ ・ NEC、携帯で動作するリアルタイム音声認識技術 （津田 啓夢） 2005/02/07 14:35 | ||||||||||||||||||||||||||||
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