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モリサワ、携帯向けアウトラインフォント「KeiType」

F901iCに搭載
 モリサワは、携帯電話などの組込機器向けアウトラインフォント「KeiType」(ケイタイプ)を富士通研究所と共同開発した。富士通製「F901iC」、三菱製「D901i」に搭載されており、今後、携帯電話では富士通製の端末を中心に搭載される見込み。

 今回開発された「KeiType」は、携帯電話やカーナビゲーションシステムなど、組込機器向けの軽量アウトラインフォント。パソコン向けのポストスクリプトに比べ、1書体あたり約5分の1のデータ容量と軽量化を図ったほか、従来のアウトラインフォントで使用されているベジェ曲線のほか、楕円弧、直線など複数の関数を最適に使用することでデータ容量を削減、表示を高速化した。また、組込機器向けということでディスプレイの解像度に合わせた最適化も行なわれ、小さいフォントサイズでも高い可読性を実現している。

 2日には都内で発表会が行なわれた。同社 取締役営業本部本部長 営業担当の森澤 彰彦氏は、「人は見慣れた文字を読みやすいと感じる。KeiTypeのフォントはモリサワフォントとして新聞をはじめ、印刷業界でも広く使われており、また小さいサイズでも非常に読みやすい」と「KeiType」の特徴を語った。また、「現在市場には約8,500万台の携帯電話があるといわれているが、KeiTypeのシェアは数年後に約1,000万台程度が目標」と意気込みを述べたほか、「今回はSymbianだが、今後はLinuxやTronへの対応も予定する。HDDレコーダーやデジタルテレビなど、情報家電もターゲットになるだろう」と述べ、KeiTypeを積極的に展開していく姿勢を明らかにした。

 従来の携帯電話に搭載されているビットマップフォントは、それぞれの文字を点の集合体として記憶しており、大・中・小、斜体といった文字サイズやタイプごとにフォントを用意する必要がある。反面、文字表示の際に機器側にかかる負担が少ないという面を持つ。一方、アウトラインフォントは文字のデータを曲線、直線といった関数で記憶しており、拡大・縮小や斜体、回転といった処理を1つのフォントで対応できる。拡大などの際にも美しい曲線が維持され、読みやすいフォントを表現できるのが特徴。反面、フォント表示の際にはビットマップフォントより機器側にかかる負担が大きく、非力な機器では表示に時間がかかるなどの問題があった。


左からモリサワ 取締役営業本部本部長 営業担当の森澤 彰彦氏、代表取締役会長兼社長の森澤 嘉昭氏 「KeiType」の特徴

F901iCの標準サイズの文字表示。書体は「新ゴR」が搭載された 文字サイズを小さくしたところ

PDAでの表示イメージ。実際にこの機種にはKeiTypeは搭載されていない 電子書籍での利用も見込む


URL
  ニュースリリース(PDF形式)
  http://www.morisawa.co.jp/news/press/pdf/M-PRNo_101.pdf

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(太田 亮三)
2005/02/02 15:59

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