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携帯ユーティリティ訴訟、ソースネクストに600万円の賠償命令
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SSIトリスターは、同社がソースネクストを相手取って起こした携帯電話向けユーティリティソフトに関する損害賠償請求の民事裁判で、28日判決が下ったことを明らかにした。判決ではSSIトリスターの主張を一部認め、ソースネクスト側に600万円の賠償を命じたが、SSIトリスターは「主張が十分に認められなかった」として控訴を準備中。
今回の訴訟は、ソースネクストがソフト流通大手のソフトバンク・コマースなどに、SSIトリスターが同社の商標権および著作権を侵害しているとした文書を配布したことに対し、SSIトリスター側が営業妨害などの損害賠償請求を行なったもの。SSIトリスターによれば、東京地方裁判所の判決では、ソースネクスト側の行為を「虚偽事実の告知行為」および「不正競争」とし、SSIトリスター側がソースネクストの商標権および著作権を侵害していないと裁定されたという。
SSIトリスターでは、現在係争中の虚偽告訴罪、営業妨害罪の2つの刑事訴訟(いずれもSSIトリスターの訴え)でも、今回の判決が裏付けとなるとしている。しかし、SSIトリスター側が主張した総額5億円の損害賠償については、600万円の賠償しか認められなかった。このため、SSIトリスター側は判決を不服としてさらに控訴する考えだ。
一方のソースネクストは、「SSIトリスターが約4億9,000万円もの損害賠償請求を行なったが、28日の判決では約4億8,400万円が棄却され、(ソースネクスト側の)主張が大部分が認められた。しかし、残りの600万円についての主張が受け入れられなかったのは予想外の判決だった。現在、判決の分析を行なっており、控訴の方針であり、上訴審で全ての真実を明らかにしたい」としている。
なお、ソースネクストは、2002年9月にSSIトリスターを相手取り著作権侵害製品の販売差し止め請求の仮処分を申請。その後、販売差し止め請求の対象となった携帯万能8の販売が終了した時点で仮処分を取り下げている。SSIからも「不正競争行為の差止仮処分命令」の申請が行なわれたが、同様の理由でSSIも仮処分を取り下げた。
今回の件で問題となったSSIトリスターの「携帯万能8」とソースネクストの「携快電話6」は、いずれもアメリカンメガトレンド(AMI)がソフト開発元となっており、ソースコードの著作権はAMI側にある。この点については、ソースネクスト側では「ソースコードのみについてはAMI側に権利があるが、それ以外の全ての部分はソースネクストに権利がある」と主張している。
【お詫びと訂正】
記事掲載当初、賠償金額を「1,000万円弱」と記載しておりましたが、その後の取材でこの金額が「600万円」であることが分かりました。お詫びして訂正いたします。
■ URL
プレスリリース(SSIトリスター)
http://www.ssitristar.com/news/news_detail00000010.shtml
ソースネクスト
http://www.sourcenext.com/
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(津田 啓夢)
2004/01/28 22:47
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