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J-フォンのグリーン社長、連結決算発表会で3Gサービスについて語る

日本テレコムホールディングスおよび日本テレコムの代表取締役社長のウィリアム・モロー氏
 J-フォンや日本テレコムなどを抱える持ち株会社、日本テレコムホールディングスは27日、都内で決算説明会を行なった。

 説明会ではまず、日本テレコムホールディングスおよび日本テレコムの代表取締役社長のウィリアム・モロー氏より、組織再編の目的や2002年度の成果などが語られた。同社は2002年8月より持ち株会社制度を導入している。同氏は、「移動体事業のJ-フォン、固定網の日本テレコムと移動・固定の各通信事業に集中し、その他の子会社を売却および清算したことで、2003年度3月期に中間予想を上回る業績を挙げた」とし、組織再編が好調な結果をもたらしたことをアピールした。

 2002年度は、当初予想していた1兆7,700億円を1.5%上回る1兆7,970億円の売上高を計上し、当期利益も予想を22.3%上回る800億円となった。この理由としてモロー氏は、J-フォンの継続的な成長や日本テレコムの業務効率の向上などを挙げ、借入金の1,580億円を返済したことも明らかにした。

 このほか、日本テレコムホールディングスおよびJ-フォンのCFOを務めるジョン・ダーキン氏より、2001年比209.2%増の営業利益を上げたことも語られた。営業利益が拡大した背景として同氏は、増収効果や通信設備費用の削減のほか、J-フォン端末のコスト削減などの要因も説明した。今後も負債の削減を継続し、財務体質を強化していくという。


2002年度の各社の主な成果 予想を上回る増収となった

J-フォン、グリーン氏「怖いぐらいにいい数字」

J-フォン 代表取締社長のダリル E.グリーン氏
 続いて、J-フォンの代表取締社長のダリル E.グリーン氏より、2002年度の業績やブランド名の変更などが語られた。

 同氏はまず、電機通信事業収入が12.7%増の1兆1,570億円となり、マーケットシェアが2003年3月末で18.5%に上昇するなど、「どの数字を見ても怖くなるぐらいにいい数字となった」と、2002年度の目標達成率の高さを強調した。また、端末解約率の低下や非音声ARPUの上昇、そして3月末に写メールおよびムービー写メール端末の累計稼動台数が910万台を突破するなど好調に業績を上げている理由として、J-フォングループ統合後、役員などの意思の疎通が取れるようになったことを挙げた。同氏が「この18カ月間で、J-フォンは本当にいいチームになった」と、自社に対するメッセージを投げかける場面も見られた。

 2002年度に売上高や経常利益などプラス成長を遂げたJ-フォンだが、グリーン氏は「2Gから3Gへ投資を進めなければならならいこの時期に、フリーキャッシュフローを出せたことは大きい」と述べ、今後3Gへの投資を加速させることを示唆した。

 また、プリペイド対応端末のユーザー数が、2002年度第4四半期で2倍に増えたことも明らかにし、「プリペイドへのニーズは高い」と今後も力を注いでいくことを述べた。同氏は、ユーザー数増加の理由として、プリペイド専用端末を全国のコンビニ約30,000店舗で販売し、同じコンビニでリチャージできる利便性の向上を挙げている。また、「一般的にプリペイドのユーザーのARPUは低いと見られているが、それは誤解ではないか」と語り、プリペイド端末の拡大する余地がまだまだあるとの見解を示した。


2002年度の目標と結果 2003年度の目標

J-フォン、ブランド名を「ボーダフォン」に

 このほか、10月1日よりJ-フォンブランドから「ボーダフォン」へと変更することなども語られた。グリーン氏は、現在都市部でテストショップとしてオープンしているボーダフォンショップを例に挙げながら、既存J-フォンショップのボーダフォンショップ化を進めていくことなどを語り、「看板だけでなく、ショップのあり方やサービスの質も変える」と明言。手続きの改善やサービススタッフの訓練などにも力を注いでいくという。

 なお、テストショップでは、他キャリアユーザーがボーダフォングッズを買っていくシーンも多いという。同氏は「こうしたユーザーも是非取り込んでいきたい」と意欲を見せた。

 同氏によれば、ブランド名を変更しボーダフォン色を強めることで、「ボーダフォンという大きな会社のスケールメリットを活かせる」という。また、「いずれはボーダフォングループ全体で利用できる端末を提供したい」と将来的な展望も語り、移動機のネックとなるベースバンドチップの互換など部品やデザインコンセプトを含め、段階的にステップを踏んでいきたいとの意向も示された。

 加えて、昨年10月より欧州各国でサービスインした、J-スカイサービスを元に開発されたサービス「Vodafone live!」についても触れ、対応するシャープ製端末が好調であることが語られた。グリーン氏は「私は、日本の携帯電話メーカーが一番だと思う」と日本の端末メーカーの技術力を評価。今回のブランド名の統一などにより、さらにJ-フォンやボーダフォンと端末供給メーカーの関係を強化していきたいとしている。統一によって、現在のJ-スカイのコンテンツサービスの海外展開なども図られるという。

 なお、J-フォンの3Gサービス「Vodafone Global Standard(VGS)」の進捗状況については、「顧客数こそ少ないが、思うように増えている」としており、9月および10月には本格的なサービスが開始できるように進めているという。同社では、2002年度のフリーキャッシュフローなどを含めて、2003年度の設備投資のうち9割を3Gサービスのために充てるとしており、「2Gの基地局を活かした3G向け基地局など、10月に13,000台、カヴァレッジエリアでは95%を達成する」との目標を示した。


2Gの基地局を利用して3G基地局のコストダウンを図る ボーダフォンのブランドロゴ

J-フォンショップをボーダンフォンショップへ。 会場にはVGS端末などを紹介するコーナーがあった

モロー氏、「リップルウッドへの売却の話は時期尚早」

 質問時間には多数の質問がなされた。一部報道などで米投資会社のリップルウッドとの間で、日本テレコムの売却合意に達したと発表された件について、ウィリアム・モロー氏は、「まだ時期尚早。合意に達しておらずどうなるのかわからない」とコメント。戦略上、進捗状況についての明言は避ける形となったが「最終段階であるのは事実だ」と述べた。

 また、発売されたばかりのJ-SH53についてコメントを求められたJ-フォンのグリーン氏は、「J-SH53は革命的な端末だ」と語った。新規・機種変更価格ともに大胆な価格設定がなされたという。加えて同氏は、「3Gへの移行しても2Gはなくならない」との見解を示しており、2.5Gとなるパケット対応端末を利用して欲しいと語りながらも「ユーザーは複雑な端末は使わない」とのマーケティングデータも紹介した。

 なお、3Gへの移行とともに、法人需要へも注力していくという。グリーン氏は、「J-フォンは、一般ユーザー中心だったので、法人は苦手」としており、日本テレコムなどの協力を得て法人営業のフローを3倍に強化したことが語られた。



URL
  日本テレコムホールディングス
  http://www.telecom-holdings.co.jp/
  J-フォン
  http://www.j-phone.com/
  日本テレコム
  http://www.japan-telecom.co.jp/

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(津田 啓夢)
2003/05/27 21:16

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