| ||||||||||||||||||
三洋では今年2月、VGAサイズの撮影が可能な1/7型CCDカメラモジュール「HyperEye（IGT99268M-ST）」を発表し、現在、サンプル出荷を開始している。今回発表された「HyperEye」シリーズ2製品は、2月に発表された「IGT99268M-ST」から機能の一部を省略し、低消費電力化を図ったり、小型化を実現したもの。 CCDやモジュールの基本構成は、「IGT99268M-ST」を継承しており、DSP（デジタル信号処理）部分の機能を限定することで省電力化している。モジュールは、高さを抑えた形状の「IGT99268G-ST」と、省スペース化した「IGT99268F-ST」が用意される。大きさは、「IGT99268G-ST」が18.0×9.9×5.4mm（幅×奥行×高）で、「IGT99268F-ST」が12.0×9.7×6.2mm（幅×奥行×高）となる。 なお、今回のモジュール発表によって、同社のVGA対応のCCDカメラモジュールは、3モデルとなった。2月に発表された「IGT99268M-ST」が高性能モデルで、今回の2モデルが省電力・省スペースモデルとなり、端末メーカーの目的によって選択肢の幅が広がったことになる。 消費電力は、「IGT99268M-ST」では15fpsで145mWだったものが、今回の「IGT99268G-ST」と「IGT99268F-ST」では15fpsで95mWと100mWを切るものとなっており、モジュールの実装面積も小さくなった。また、従来製品と同じく2.9Vの単一電源で動作するが、別途電源回路を用意することで1.8Vにも対応する。これは、端末のシステム自体の省電力化が進められている現状に対応するためとのこと。 今回の2モデルでは、「IGT99268M-ST」からAD変換機（ADC）が10bitから8bitと小さくなり、デジタルズーム機能やスケーラーなどが機能制限された。これに関して、三洋電機 コンポーネント企業グループ CCDビジネスユニット システム開発部 部長の渡辺 透氏は、「ADCが8bitとなったことで、画質は下がる」としたものの、「パソコンで厳密に評価しないかぎり、携帯電話上ではまず画質の差はわからないだろう」とコメント。また、ズーム機能などが制限されたことについては、「次世代の携帯電話では、端末側のシステムでズーム処理を行なう」と述べた。 なお同氏は、現在サンプル出荷が開始されている高機能モデル「IGT99268M-ST」と、今回の2製品で、「半々ぐらいの需要があるのではないか」と予測。「昨年までは11万画素で5fpsの製品でよかった」とし、今年に入って15fpsの製品需要が急速に高くなってきており、中には30fpsを要求する声も挙がっていることも明らかにした。 このほか、現在開発が進められているメガピクセル製品に関しては、「他社が先行していることを踏まえて、三洋電機らしいものを提供したい」としている。同氏は、将来的に200万画素、300万画素クラスのカメラが搭載されるとの認識を示したが、「どれほどのニーズがあるのか、ビジネスとして見極めなければならない」とするに留まっている。
■ ＵＲＬ 三洋電機 http://www.sanyo.co.jp/ ■ 関連記事 ・ 三洋、VGAサイズに対応した1/7型CCDカメラモジュール発表 （津田 啓夢） 2003/04/15 15:43 | ||||||||||||||||||
|
|