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子どもと携帯の関わり方を考える国際ワークショップ

 3月6日、7日の2日間、都内で青少年が携帯電話経由で利用するインターネットのあり方を考える国際ワークショップが開催されている。欧米の学術機関や企業から多くの関係者が参加しているほか、日本からもNTTドコモやKDDIなどから出会い系サイトへの規制などについて語られた。


ドコモ、希望に応じて一般サイトへのアクセスを制限

NTTドコモ iモード事業本部 iモードビジネス部 営業推進担当課長 永田英昭氏
 午後の部に登場したNTTドコモのiモード事業本部 iモードビジネス部 営業推進担当課長 永田英昭氏は、出会い系サイトなどを利用したユーザーが犯罪に巻き込まれるケースが発生していることに対して、現在同社が検討している対策について説明を行なった。

 聴衆の半数が海外からの参加ということもあって、同氏は、まずiモードそのものの説明から行なった。iモードでは、さまざまなコンテンツが利用可能だが、永田氏は「ドコモでは公式メニューという形態を採用することによって、ユーザーに対して安心して利用できるサービスを提供している」とした。また、そのなかでも青少年に人気のコンテンツは、定番ともいえる着信メロディや待受画像、ゲームなどであることが明らかにされた。

 iモードでは、URL入力などで一般サイトにもアクセス可能で、同社が把握しているだけでも約6万サイトが存在している。その中には、出会い系サイトのほか、わいせつな画像を掲載しているサイトや、違法性の高い薬物情報を提供しているものなどもあるという。

 これらの状況を鑑み、2月に行なわれた立川社長の定例会見において、今夏を目処に出会い系サイトの閲覧制限を検討していることが明らかにされていたが、永田氏は改めて「両親から申請があれば、青少年の所有している端末から一般サイトへのアクセスが行なえないようにするという方法を検討している。自由な通信を妨げるなどの論もあるが、あくまでもユーザーからの申し出があった上で行なう」と語り、時期こそ未定だが、同社が導入しようとしている具体的な対策が明らかにされた。

 このほか、同社が実施している対策の1つとして、iショット画像の閲覧回数制限も例に挙げた。永田氏は、iショット対応端末が700万台を突破したことも明らかにした。


親からの申請があれば、青少年の端末から一般サイトへのアクセスを制限できるようにするという 一般サイトの中には、出会い系サイトのほか、わいせつな画像を掲載しているサイトや、違法性の強い薬物情報を提供しているものがあるという

KDDIは現在検討中

KDDI au事業本部 au事業企画本部 サービス開発部長の安田豊氏
 ワークショップには、KDDIのau事業本部 au事業企画本部 サービス開発部長の安田豊氏も出席。同氏は、携帯電話の普及率が7,000万人を超え、市場が飽和状態にあることや、新規ユーザー数の順調な増加は見込めないものの、自動車などに搭載することによってまだまだ市場は成長すると予測。その上で、CDMA2000 1xEV-DOの導入など、これまで同社関係者からさまざまな講演で述べられてきた内容を語った。

 さらに同氏は、KDDIが携帯電話を通じて実現したいサービス像を紹介。6日に発表された日本語と韓国語の自動翻訳を行なうメールサービス「EZ翻訳メール(韓国語)」を例に「今後の目標の1つとして、国内外のユーザー同士が相手の言語を知らなくてもコミュニケーションが図れるよう、自動翻訳サービスを提供していきたい。まずはテキストから行なっていくと思うが、いずれは音声もリアルタイムで翻訳できれば」と語った。

 このほか、位置情報技術やカメラ機能を用いて、子どもが学級新聞を手軽に作成できるシステムや、携帯電話を通じてペットとコミュニケーションできるサービス、海外事業者のユーザーと画像や動画を添付したメールの送受信が行なえるサービスなどを挙げた。これらのうち、画像付きメールを海外ユーザーとやり取りすることは、技術的にはすぐ提供できることとしたが、実際のサービス提供は未定とのこと。


“匂い”を伝えられるサービスも実現したいサービスとして挙げられた “夢”の1つであるペットとのコミュニケーション機能は、聴衆にも好評であった

高校生にとってケータイは必需品

ワークショップに招かれた3人の高校生。携帯電話の利用シーンが紹介された
 午前中に行なわれたセッションには、日本の高校生男女3人が招かれ、聴衆からの質問に答える形で、携帯電話の利用シーンが紹介された。「携帯電話のどの機能を利用しているか」との問いには、「通話やメール、ネットにゲーム、メモやスケジュール」と携帯電話が持つほぼ全ての機能が挙げられた。

 「携帯電話を持っていることで困ったことは?」という問いに対しては、迷惑メールやワン切りが多いことを指摘。また、「同級生の女の子に、18歳の男の子というメールが来た。その後もメールでやり取りしていたら、会おうという話になり、実際に顔を合わせてみたら、30歳くらいの男性で、関係を迫られた」といった体験談も語られ、実際に危険な状況に出くわしている高校生は少なくないと静かに語っていた。

 しかしながら「携帯電話がない状況は考えられない。メールなら異性に告白できたり、言いにくい想いを伝えることができる」と多大なメリットを感じているようだった。

 利用料の支払については「両親に払ってもらっているが、多くの友人は小遣いやバイトをすることで携帯電話を所有している。どういったコンテンツを利用しているかは、親に聞かれたことはない」という。



URL
  インターネット協会
  http://www.iajapan.org/

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(関口 聖)
2003/03/06 20:30

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