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MVNO活用ガイド ~各社のデータ通信サービスを紹介

 携帯電話の新規事業者が増えたことにより、MVNOと呼ばれる事業形態でサービスを始める企業が増えている。現在はノートパソコンなどで利用できるデータ通信サービスが主流で、個人で簡単にインターネット接続を始められるサービスが揃っている。今回の特集では、個人向けを対象に、各社のMVNOサービスを簡単な一覧表にまとめた。外出先でインターネットを使うことが多いユーザーはもちろん、利用頻度や内容によっては自宅の固定回線の代わりとして使うこともできるだろう。MNOとは違う、MVNO独自の内容にも注目したい。


MVNOとは

 まず、MVNOとはMobile Virtual Network Operatorの略で、仮想移動体通信事業者とも呼ばれるもの。移動体通信事業者からネットワークを借り受けて独自のサービスを展開する。MVNOに対し、NTTドコモなどの移動体通信事業者はMNO(Mobile Network Operator)と呼ばれる。MVNOで提供される通信サービスのエリアは、基本的にMNOのネットワークと同じ、ということになる。


対応エリアはMNOに準拠

 MVNOのサービスを大きく分類するなら、提携しているMNOで分類できる。従来からMVNOとしてサービスを展開してきた日本通信、KCCSはいずれもウィルコムのPHSネットワークを利用したサービスを提供している。一方、ニフティ、BIGLOBEなどはイー・モバイルのネットワークを使っている。So-netはどちらにも対応し、それぞれサービスをラインナップしている。

 ウィルコムのネットワークを利用するMVNOの場合、ウィルコムのネットワークと同様のメリットがある。人口カバー率は99%で、ウィルコムのサイトから詳細な提供エリアを確認することも可能だ。MVNOでの接続速度は、KCCS「KWINS 8x」の場合で下り最大256kbps(ベストエフォート式)などとなっている。また、So-netはウィルコムのPHS高度化通信規格「W-OAM」に対応した通信カードを個人向けに提供しており、W-OAM対応エリアにおいては従来よりも高速な通信速度が実現されている。

 一方、イー・モバイルのネットワークを使うサービスでは、対応エリアで下り最大7.2Mbps、それ以外でも下り最大3.6Mbps(いずれもベストエフォート式)という高速なデータ通信速度が特徴。提供エリアは、現在は都市部が中心となっている。


端末提供形態の違い

 MVNOのサービスでは、データ通信端末の扱いについても、MNOが提供するサービスとは違った特徴を持っている。日本通信の「bモバイル」、KCCSの「KWINS」は、6カ月分、12カ月分などラインセンスと端末が一緒になったパッケージを購入するだけ。初期費用は高くなるが、短期で使いたい場合には便利だ。ライセンス更新用パッケージも用意されており、端末が含まれない分、新規用パッケージよりも価格は安い。パッケージによっては一部の公衆無線LANサービスも利用でき、場所に応じて通信方式を使い分けられる。

 また「bモバイル」には、150時間分など決まった時間だけ使えるパッケージ「bモバイル hours」も用意されている。

 イー・モバイルと提携しているニフティ、BIGLOBE、So-net、U-netSURF、@T COMのサービスでは、端末はレンタル提供となる。最低利用期間が定められているものの、こちらも短期で利用したいユーザーや、イー・モバイルのエリアが自分の使いたい場所で利用可能かどうか試したいユーザーにとっては便利だ。長期割引と絡めた2年契約などの“縛り”が無い分、気軽に始められるだろう。

 また、上記5社はインターネット接続サービスのプロバイダでもあるため、メールアドレスが新たに発行されたり、会員であれば非会員より262.5円(ニフティの場合)安くなったりといったメリットもある。


法人向けも提供

 このほか、MVNOでは法人向けのサービスも提供されている。今回の特集では下記の一覧表にて参考程度の紹介にとどめるが、NTTドコモやKDDIのネットワークを使うものや、専用線サービス、フィルタリング、VPNなど、法人向けの機能が提供されている。


各社の代表的なサービス

 下記では、これから新規に申し込むユーザーを想定し、各社の代表的なデータ通信サービスについて、料金やサービスの概要を簡単にまとめた。料金形態については、定額制のデータ通信サービスが主流となっている。通信方式と対応エリア、対応OSなどはユーザーにより必要条件が異なるのでしっかりとチェックする必要があるだろう。また、初期の契約事務手数料や端末購入費用を割り引くキャンペーンが実施されている場合もあるので、導入時期に合わせて各社のサイトで確認するのがよいだろう。

個人向け
提供会社 サービス名 料金 速度 提携MNO 端末 Win Mac
日本通信 bモバイルone 月9,750円 ※1 128k ※2 ウィルコム USB
KCCS KWINS 8x 月9,983円 ※3 256k ウィルコム PCカード
KWINS 4x 月7,700円 ※4 128k ウィルコム CF
ニフティ Mobile BB 月5,974.5円 7.2M イー・モバイル PCカード
USB
BIGLOBE 高速モバイル 月5,828円 7.2M イー・モバイル PCカード
USB
月2,930~
6,437円
7.2M イー・モバイル PCカード
USB
So-net birWarp(EM) 月5,880円 7.2M イー・モバイル PCカード
USB
birWarp(W)4x 月5,256円 ※5 128k ※2 ウィルコム CF
※6
U-netSURF JetSURF 月5,817円 7.2M イー・モバイル PCカード
USB
@T COM 高速
モバイルコース

※11
月5,922円 7.2M イー・モバイル PCカード
USB
法人向け
提供会社 サービス名 料金 速度 提携MNO 端末 Win Mac
日本通信 bモバイルBiz 39,800円
※7
128k ウィルコム CF
KCCS KWINS 3G 月4,935円~
※8
3.1M KDDI CF
※9
IIJ IIJモバイル
タイプD
月8,500円 3.6M NTTドコモ USB
IIJモバイル
タイプE
月4,600円
※10
7.2M イー・モバイル PCカード
CF
USB


Windows対応状況
◎:Vistaをサポート
○:XPをサポート

※1:パッケージ価格は58,500円(新規・6カ月間)
※2:高度化PHS規格(W-OAM)をサポートし、対応エリアでは下り最大204kbps
※3:パッケージ価格は119,800円(新規・12カ月間)
※4:パッケージ価格は92,400円(新規・12カ月間)
※5:端末代含まず
※6:PocketPC 2002/Windows Mobile 2003/2003SE/5.0もサポート
※7:月あたりではなく新規・200時間分のパッケージ価格
※8:Sパック。25万パケット以降は1パケット0.0263円の従量制
※9:Pocket PCの各バージョンもサポート
※10:2年契約
※11:サービス開始は2008年4月1日


USB接続タイプ(日本通信) CFタイプ(KCCS)

USB接続タイプ(イー・モバイル系) PCカードタイプ(イー・モバイル系)

さまざまに広がるMVNOの形

 一口にMVNOといっても、サービス内容は各企業に委ねられている。変わったところでは、日本通信が「コネクトメール」としてNTTドコモの携帯電話で利用できるメール送受信サービスを提供している。子供の見守りサービスといった、ひとつの機能に特化してサービスを提供しているMVNOもある。

 ディズニーが始めた「ディズニー・モバイル」は、移動体通信事業者として自社で端末を提供するもので、独自のコンテンツサービスも用意されるが、ソフトバンクモバイルとの協業によりネットワーク設備を借り受ける、という点でMVNOに近い事業形態と考えることもできる。

 また今後は、2.5GHz帯でWiMAXや次世代PHSを利用したサービスにも注目が集まる。同周波数帯の免許を取得したUQコミュニケーションズ(旧ワイヤレスブロードバンド企画)とウィルコムは、いずれもMVNOへネットワークを提供する姿勢を明らかにしている。具体的な展開はまだ発表されていないものの、次世代の高速データ通信サービスでもMVNOからさまざまなサービスが提供されることに期待したい。


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(編集部)
2008/03/24 12:00

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