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【WORLD PC EXPO 2001】
パネルディスカッションで発表された各社の最新動向と取り組み

コーディネーターは日経コミュニケーション編集長の井出一仁氏
 9月19日から幕張メッセで開催された「WORLD PC EXPO 2001」(日経BP主催)。これに併催する形で行なわれた「WORLD PC FORUM 2001」の「アジア・ケータイ・カンファレンスJAPAN」において、「モバイルインターネットの新潮流~第3世代サービスへの展望と課題」と題したパネルディスカッションが行なわれた。

 出席者は、ACCESS代表取締役の荒川亨氏、NTTドコモiモード事業本部iモード企画部長の夏野剛氏、KDDI au事業本部技術企画部長の冲中秀夫氏、J-フォン常務・経営企画部長のピーター・バリー氏、ノキア・モバイル・フォン・アジア・パシフィック戦略マーケティング担当副社長のナイジェル・ランドストローム氏。コーディネーターは「日経コミュニケーション」編集長の井出一仁氏が務めた。


各社の最新動向と取り組み

ACCESSの荒川亨氏
 ACCESSの荒川氏は、ブラウザや通信ソフトなどの端末組込向けソフトメーカーとして、自社の開発歴や搭載製品などを紹介したあと、現在開発中のブラウザ「NetFront v3.0」について述べた。「NetFront v3.0」は、Compact HTML、WML、XHTMLの3つのコンテンツ記述言語に1つのブラウザで対応できる海外向けブラウザ「Compact NetFront Plus」で蓄積した技術にD-HTMLやJavaScriptなどを加え、またWAP2.0を完全サポートし、最新のW3C推奨仕様に準拠するNetFrontの最新版。ACCESSでは、これを来年からの主力商品として投入していくという。また、「NetFront v3.0」の応用例としては、BSデジタル放送やコンテンツなどのインターネット上のサービスと連動した、カーナビやDTV向けのソリューションなどが想定されるという。



ACCESSでは、「NetFront v3.0」を来年からの主力商品として投入していくという
応用例としては、BSデジタル放送やインターネット上のサービスと連動したカーナビやDTV向けソリューションなどが想定される

NTTドコモの夏野剛氏
 NTTドコモの夏野氏はまず、現在Java対応の503iユーザーは670万を超え、iモードユーザーは9月19日時点で2742万5632人であることを明らかにした。続いて有料公式サイトの月額利益は全体で60億円にのぼり、これにEコマースの利益を加えると兆単位にまで及び、さらにiモードサイトは全体の60%をオープンサイトが占めるほどに普及しているという、数字によるデータを示した。そして、「何がこの普及率をもたらしたのか?」、その要因として、「iモードがあらゆるユーザーニーズを持っている点と、コンテンツ数の増加に比例した豊富な種類の提供サービスがもたらすクオリティの高さ、この2つが満たされているからだ」と解説した。

 また、多少のサービス延期はあったものの、各社に先駆けてこの10月より開始に漕ぎ着けることとなったFOMAについては、これが技術的には“革新”であっても、ユーザーサイドからの見せかけは“進化”で、ユーザーがいかに便利に楽しく使えるかが重要であり、「その裏側の技術は見えなくていいもので、今後は技術よりマーケットに注力する傾向にあるだろう」と語った。



現在503iユーザーは670万超、iモードユーザーは9月19日時点で2742万5632人
夏野氏の講演でおなじみの、iモードのポジティブフィードバックの相関関係

KDDIの冲中秀夫氏
 KDDIの冲中氏は、つい先日発表された今後の次世代サービスの提供スケジュールをなぞる形となったが、今年12月には、現在すでに開始しているezplusの仕様を次のフェーズにバージョンアップするほか、GPSとcdmaOneによる位置情報システム「gpsOne」、またそれをベースとしたナビゲーションサービス「eznavigation」などの導入を予定していると話した。また、同時にEZwebを現行の14.4kbpsから64kbpsに移行するほか、WAP 2.0をサポートし、動画配信サービスの「ezmovie」の提供も行なうという。

 144kbpsのCDMA2000 1xについては、サービスの開始を来年4月に延期されることとなったが、まずはビット単位の低廉化が必須であるとした。また、ドコモやJ-フォンが行なうPDCからW-CDMAへの移行はまったく異なるインフラへの改革となるが、cdmaOneからCDMA2000 1xへの移行は進化形であることを説明した。



来年4月に延期されることとなったCDMA2000 1x。まずはビット単位の低廉化が必須
ドコモ・J-フォンがPDCからW-CDMAへ改革するのに対し、cdmaOneからCDMA2000 1xへの移行は進化形

J-フォンのピーター・バリー氏
 J-フォンのピーター・バリー氏は、1996年から加入者が飛躍的に増加したこと、またJ-フォン端末ユーザーにおけるJ-スカイの加入者数の割合は、今年7月末の時点で75.6%にのぼり、この数字はiモードの69.7%を超えたとした。

 来年6月に延期されることとなった3Gサービスについては触れなかったが、今後のサービスコンセプトとしては、革新的でエンターテイメント性の高い、ユーザーフレンドリーなサービス・プロダクトを目指し、ケータイ1つでユーザーのライフスタイルそのものをサポートするようなトータルソリューションを展開していくという。



ノキア・モバイル・フォン・アジア・パシフィックのナイジェル・ランドストローム氏
 今回唯一のメーカーサイドであるノキアのナイジェル・ランドストローム氏は、今後のモバイル端末のサービス環境は、「ユーザーが何をしたいのか?」というニーズが重要で、あらゆる機能を持ったモバイルデバイスの出現の可能性があるが、キラーアプリケーションとなるのは、人と人とのコミュニケーションに焦点を当てたものがキーワードになるという、若干漠然とした内容の展望となった。



・ WORLD PC EXPO
  http://www.wpc-bp.com/

パネルディスカッション「第3世代サービスへの展望と課題」


(松下 麻利)
2001/09/25 11:52

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