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【mobidec 2001】
ドコモ夏野氏講演、「FOMAはiモードの延長線上」

 携帯電話向けのコンテンツやアプリケーションの開発者を対象とした技術カンファレンス「mobidec 2001」が8月29日~30日の2日間、東京・お台場の日航ホテルで行なわれている。2日目の最初の講演には、NTTドコモ iモード企画部長の夏野剛氏が登場。同氏は「iモード・ストラテジー 複雑系コンセプトに基づくケータイ革命」と題した講演を行なった。


日本は「ケータイ最先端国家」

NTTドコモ iモード企画部長 夏野剛氏
 冒頭、夏野氏は8月27日に発売されたばかりのNEC製iアプリ端末「N503iS」を手にして、HTMLブラウザの搭載、Java、SSL、MIDI、TFT液晶など、その先進性を説明。「みなさんにはもう慣れっこでしょうが、これは海外から見れば、まさに夢の携帯電話です」と語ったあと、日本が「ケータイ最先端国家」であると宣言するところから講演は始まった。

 iモードについて夏野氏は、2682万8920人という加入者数の最新データをスクリーンに映し、「1000万人を越えてからメディアも報道してくれなくなったが、この数は全人口の5分の1近くですよ」とおどけてみせ、「規格をオープンにしたからコンテンツが増えた、コンテンツが増えたからユーザーが増えた」という同氏の従来からの主張である「ポジティブフィードバック」の理論を改めて説明した。その後、約4万8000にものぼる一般サイトのアクセスが、全体のアクセスの半分以上であるというデータを挙げて、「『ある役所』が言うように、ドコモがコンテンツプロバイダーやユーザーから搾取し、独占経営をしていたならば、一般サイトのアクセスが公式サイトのアクセスを越えるなどということはあり得ない」と会場を沸かせた。


iアプリのポイントはカスタマイズ性とオープンな環境

 この講演のメインとなるiアプリについて、同氏はまず始めに、「今年1月の発売以来、端末のバグでみなさんに迷惑をおかけしながらも、なんとか586万人までユーザーを獲得し、軌道に乗ってきた」と現状を報告。iアプリの一般サイトが公式サイトの数を大幅に上回っているデータを示し、「オープンな環境を提供し、ポジティブフィードバックを起こす」というiモードと同様の戦略を採ってきたことを説明した。

 続いて、30KBまでのJ-フォンと50KBまでのauに比べ、10KBと容量制限が厳しいという批判を受けているiアプリについて夏野氏は、「ドコモは悪く言われることが多いのだが、単純計算で10対30対50と思わないで欲しい。メディアはすぐそのように簡略的に扱うが、それは勉強不足」とバッサリ切り捨て、技術的なスペックなどにとらわれず、いかに一般ユーザーに受け入れられるかがポイントだとした。iアプリの容量を16和音の着信メロディとほぼ同じ10KBにしたことも、わかりやすいゲームコンテンツをテレビCMなどで大々的にアピールする戦略を採ったのも、すべて「普通のユーザー」にiアプリを使ってもらうためだったという。さらに、他社のJavaアプリケーションの仕様について、「携帯電話に内蔵されているのに、ネットワークに接続できないアプリケーションや、事業者と特別な契約をしなければ開発ができないアプリケーションなど意味がなく、インターネット時代には後れた『クローズドな考え方』」と厳しい見方を示した。

 また、夏野氏はカスタマイズ性とオープンな環境の重要性を説き、iアプリはその2つの条件を満たしていることをアピール。特にカスタマイズ性については、iアプリがデータ保存領域(スクラッチパッド)を持っていることに触れて、「iアプリは10KBではない。10KB+10KBだ」と再三強調した。iアプリのまとめとして同氏は、「iアプリは初期段階を通過し、今後は法人向けなどバリエーションが増えていくだろう」との見通しを語ったほか、容量制限の拡張にも取り組んでいくとした。


「ポジティブフィードバック」のイメージ図 夏野氏が直接書いたというiアプリ戦略のポイント

FOMAはiモードの延長線上

 ドコモが7月から開始したiエリアについても、新しい技術やGPS等のテクノロジーが問題なのではなく、ユーザーの使いやすさを最優先するというiモード・iアプリと同様の戦略であることを説明。「使いやすくするために技術がある。決してその逆ではない」と従来通りの主張を展開した。また、「ぴあ」や「hanako」を参考に人口密集度や店舗密集度を徹底的に分析し、エリア分けをしたことなど開発秘話を公開した。

 現在試験サービス中の第3世代携帯電話サービス「FOMA」に関して夏野氏は、「iモードで表現できなかったものを補うのが役目」とし、FOMAはiモードの延長線上であるという考え方を示した。講演の最後、同氏は大半が開発者である会場に向かって、「FOMAが出てきたからといって、コンテンツを無理にビデオにすることはない。テキストで表現できるものはテキストで」と「コンテンツの必然性」を踏まえ、ユーザビリティを最優先にすることを促して、講演を締めくくった。

 講演終了後の質疑応答で、パケット通信料の定額制に関して質問を受けた夏野氏は、「『定額制=安い』という考えはプロフェッショナルやヘビーユーザーの論理で、大きな間違い。大勢を占めるライトユーザーにとっては高くなる」と通信料定額制には慎重な考え方を示した。


・ NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/

ドコモ夏野氏講演、ドコモはiモードの世界進出にも自信
NTTドコモ夏野氏が語る「iモード・ストラテジー」


(伊藤 大地)
2001/08/30 16:25

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