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【WIRELESS JAPAN 2001】
NTTドコモ夏野氏が語る「iモード・ストラテジー」
NTTドコモ・夏野剛氏
WIRELESS JAPAN 2001の2日目に併催された有料コンファレンスで、NTTドコモのiモード事業本部iモード企画部長・夏野剛氏が、「iモード・ストラテジー ~複雑系コンセプトに基づくケータイ革命~」と題した講演を行なった。
夏野氏は冒頭、503iシリーズで展開しているJavaサービスについて解説した。サービス開始から半年でユーザー数が450万人に達したJavaサービスは、「コンテンツプロバイダーにとってやさしい技術であるHTML、GIF、MIDI、Java、SSLなどのデファクトスタンダードを採用することで、他社が利用しやすい環境を作った」と語り、またこの仕様は、「欧米でも技術的には可能だが、手に入らない夢のようなもの」だとアピールした。「第3世代も試験的に開始されたが、消費者ベースで見た場合では、個人的にiアプリが現在の業界の最大トピックス」であると述べた。
Javaを503iシリーズのプラットフォームとして導入する際、「どこまでJavaでやるか、どこまでオープンにするか」で非常に頭を悩ませ、サイズを10KBに制限したことに対して、「他社では50KBなどの数字を設けているが、体感的にはユーザーは1分も待てないだろうということを考慮した数字である」と説明した。
次に、この7月でユーザー数が2556万人に達したiモードのコンセプトについて、これは「テレコムビジネスではなく、インターネットビジネス」であると述べ、「コンテンツプロバイダーとWin-Winな関係を築くプラットフォームで、NTTグループとしても新しい取り組み」であると語った。また、同氏の講演でたびたび耳にする「ポジティブフィードバック」の相関関係についても説明し、「ユーザーが増えたからコンテンツが増え、コンテンツが増えたからユーザーが増え」、iモードの拡大はこの相互の好循環が起因しており、「ドコモが単独でバリューチェーン(価値連鎖)をやらなかったから」だと説いた。
iモードのユーザー数はこの7月で2556万人に達した
夏野氏は「ポジティブフィードバック」による相互の好循環がiモード拡大の起因と話す
iモードの戦略としては、一般消費者レベルでの「むずかしい言葉」はマーケティングにおいて一切使用しないという堅い決まりを設け、なるべくコンテンツの内容を伝える方向性で展開したという。その結果、「個人のパケット使用料のボリュームは膨らみ、現在Eコマースを含めないコンテンツ利用料のみの収益は、1カ月で50億円の市場に発展した」と述べた。
夏野氏によると、「今現在iモードの公式メニューでリンクを貼っている提携企業は全1008社・1800サイトで、デジタルストリートの『OH!NEW?』によると、一般サイトは4万6272サイト」であるという。Javaサイトに関しても、公式では現在128サイトであるのに対し、一般サイトでは4536サイトで、いずれも一般サイト数が公式サイトを大幅に凌ぐ割合となっており、インフラとして拡大していることがポジティブフィードバックの表われであると語った。同氏はこの好循環の関係を第3世代にももたらす事を目指すという。
また、同氏は7月2日に開始された「iエリア」についてもコメントした。iエリアはiメニュー内で提供されており、コンテンツ密度・人工密集度に応じて全国を419エリアに分割して、エリア関連コンテンツを簡単に検索できるというサービス。メニューの階層を辿る必要なく、簡単に目的エリアの情報を入手できるのが特徴。「GPSは不要、ユーザーは緯度・経度を知りたいわけではない」とアピールした。
「iエリア」はGPSなどの機能は不要で、全iモードユーザーがiメニュー内から利用できる
FOMAにおける動画配信などの技術は、従来のサービスに対する付加機能という位置付け
なお、次世代携帯電話サービス「FOMA」については、すでに公演終了時間が迫っていることもあってか、あまり触れることはなかったが、期待される動画配信などの技術は、あくまでも従来のサービスに対する付加機能と位置付けた。
最後に、今後の発展の戦略について、「ユーザーは着メロのダウンロードにより、その行為に慣れていた。だからiアプリのJavaデータのダウンロードもOKだった」と説明し、「こうした段階的な行程を踏んでいくことで、ユーザーにとって使いやすいように進化させる」とコメントし、「これはevolutionであり、revolutionはいらない」と締めくくった。
・ NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
(松下 麻利)
2001/07/18 21:30
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