キャリアやメーカーなど数多くの企業が出展するCEATEC JAPAN 2007だが、会場の多くを部材関連メーカーが占めている。携帯電話関連でもユニークな出展が見られる。
■ 松下電工ブースでiPhone分解展示
|
iPhoneの分解展示
|
松下電工のブースでは、iPhoneなどを分解した状態で展示している。これは、同社の狭ピッチコネクタが採用された携帯機器を紹介するもの。携帯機器内部の回路を載せたボード上では、コードを繋ぐコネクタが配されているが、同社がこの部分を提供しているということをアピールする展示内容だ。
分解展示されているのは、iPhoneのほか、三菱製の「D704i」やHTC製の「HTC Advantage(U1000)」などとなっている。
海外では日本の携帯電話メーカーの競争力が弱いと指摘される一方、海外メーカー製の端末内部には日本メーカーの部材が多く採用されているという主張もある。今回の展示は「日本メーカーの部材採用例」を目にできる、またとない機会と言えそうだ。
|
|
HTC Advantage
|
D704i
|
|
松下電工の狭ピットコネクタ
|
■ ルネサス、ワンセグ特化のアプリケーションチップ
|
SH-Mobile L3V2のデモ
|
ルネサス テクノロジのブースでは、ワンセグに特化したというアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile L3V2」が紹介されている。
ガンマ補正機能や、QVGAサイズの画像をVGA/ワイドVGAに拡大した場合にエッジを強調する機能、VGAかつ30fpsでの映像再生といったスペックで、「CPUへの負荷を軽減し低消費電力を実現する」という。
またドコモの秋冬モデルで採用される見込みのプラットフォーム「SH-Mobile G2」のデモも行なわれていた。担当者によれば、後継の「G3」についても出荷が開始されたとのことだが、開始から間もないため展示会でのデモは見送ったという。
|
|
SH-Mobile L3V2の概要
|
こちらはSH-Mobile G2プラットフォーム
|
■ ロームの携帯向け技術
|
静電センサICのデモ。これはホイール動作を体験できる
|
ロームのブースでは、携帯機器の操作関連部材が展示されている。静電センサICを使ったデモでは、触れることでホイールやテンキーを操作したり、なぞるだけで画面上の地図の拡大縮小を操作したりできる。また、ホイール操作を実現する技術として、+極の磁石と-極の磁石を交互に並べて円形にしたものが用意されていた。ホイールを回すと、磁気の位相をチェックして操作できるようにしている。
|
|
こちらは静電センサIC利用のテンキー
|
磁気利用のホイール
|
このほか、半導体の付加価値向上を目指す先端技術の展示コーナーでは、LSIの上に非常に小さい振動する部材(振動子)を置いた、「圧電被膜ジャイロセンサ技術 on LSI」が紹介されている。LSIの上には、棒状の振動子が片方だけ固定する形で配置され、動きがあると振動子が揺れて、手ぶれなどを検知できるようになっている。量産化の時期などは未定だが、携帯電話での搭載も想定されている。
|
|
LCIの上に振動子を搭載
|
技術概要
|
|
Bluetoothモジュール
|
京セラブースは、携帯電話本体などは展示されておらず、部材中心の出展となっている。
携帯電話向け新製品として紹介されていたBluetoothモジュールは、6×5×1.4mmというサイズ。また携帯電話以外のモバイル機器向けGPSモジュールも新製品として紹介されていた。
電磁ノイズや静電気の対策として利用されるEMIフィルタも同社の技術をアピールする製品として紹介されている。EMIフィルタは、携帯電話の液晶やカメラなどで用いられているという。
また正確なリズムを刻み、GPSなどで用いられる水晶振動子を包む高強度アルミナパッケージは、従来製品よりも強度が約1.5倍に向上。剛性が増したことで、パッケージサイズの小型化・薄型化が実現できている。細かな部材ではあるが、こういった部材の進化、積み重ねが携帯電話全体の薄型化・小型化に結びついている。
|
|
EMIフィルタ
|
EMIフィルタの概要
|
|
高強度アルミナパッケージ
|
■ URL
松下電工
http://www.mew.co.jp/
ルネサス テクノロジ
http://japan.renesas.com/
ローム
http://www.rohm.co.jp/
京セラ
http://www.kyocera.co.jp/
CEATEC JAPAN 2007
http://www.ceatec.com/
■ 関連記事
・ IT・エレクトロニクスの総合展示会が開幕
(関口 聖)
2007/10/04 10:47
|