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【WIRELESS JAPAN 2006】
ドコモ尾上氏、3Gと4Gを繋ぐ「スーパー3G戦略」を語る
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NTTドコモ IP無線ネットワーク 開発部長の尾上誠蔵氏
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WIRELESS JAPAN 2006で20日、NTTドコモ IP無線ネットワーク 開発部長である尾上誠蔵氏による講演「スーパー3G戦略~3Gから4Gへの発展シナリオ」が開かれた。同社の第3世代携帯電話(3G)「FOMA」の発展版である「スーパー3G」について解説している。
■ 4Gを見据えて投入される「スーパー3G」
尾上氏はまず、ドコモの3G利用動向状況に言及。6月18日には第2世代携帯電話であるmovaとFOMAの利用者比が50%になったことに触れた。movaからFOMAへの移行は堅調に推移しており、今後はFOMAが中心的なサービスになるとみられる。
FOMAではHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)などに代表される高速化に向けた取り組みも行なわれているが、2010年以降とされる第4世代携帯電話(4G)サービス開始前の更なるワンステップとして用意しているのが「スーパー3G」だ。
スーパー3Gは最大伝送レート下り100Mbps、上り50Mbpsを実現させるための携帯電話規格。まったく新しい周波数帯を利用する4Gに対して、既存の3G用周波数帯を活用するのが最大の特徴だ。加えて低遅延であることも求められる。下りの無線アクセス方式には「OFDMA」、上りには端末側の送信電力軽減を図るため「Single Carrier FDMA」が採用される。
現在、3GPPにおいて、その標準化作業が行なわれているが、基本的なシステムコンセプトの作成や性能評価は6月の段階でほぼ終了。今後はより具体的な仕様を検討していく段階にあるという。
尾上氏はスーパー3Gを「4G時代でも競争力のある3G。3Gの長期的な発展系」と位置づける。加えて「4Gのスムーズな導入に向けても必要だ」と述べている。長期的な視点に立って普及させる計画で、2010年以降もスーパー3Gの利用を広げていき、最終的には2020年代以降に、既存3Gからスーパー3Gへ完全移行させるシナリオを狙っている。
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スーパー3Gの概要
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3GPPで標準化を行なっている
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■ 周波数増加のタイミングでスーパー3Gを投入
スーパー3Gの主要仕様は、3GPPによって2007年10月ごろに策定される見込みだ。これにあわせドコモではスーパー3G対応端末・基地局の開発メーカー募集を開始するなど、実用化に向けての具体的な動きをみせている。
なおスーパー3Gの立ち上げにあたって尾上氏は、既存3Gとスーパー3Gのデュアルモード的な端末を用意し、スーパー3G対応エリア外では、既存3G網を利用可能な形態にしたいという。また、今後追加されるであろう3G用新規周波数をスーパー3G向けに割り当てたいとの意向も示している。
一方で、4G時代に備えた動きもドコモでは始めている。すでに横須賀市で実施しているフィールドテストでは、4Gの技術的用件である高速移動時100Mbps、低速移動時1Gbpsの伝送に成功しているという。
尾上氏は最後に「スーパー3G標準化に向けての議論は白熱するだろうが、ドコモとしては早急な実用化を目指したい」とその心境を語り、講演を締めくくっている。
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3Gとスーパー3Gに対応したデュアルモード的な端末でのサービスを計画
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4Gへの取り組みも始めている
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■ URL
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
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・ 国内最大級の通信関連イベント
(森田秀一)
2006/07/21 19:35
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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