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【MediaFLO Day】
米国でのサービス内容を紹介、管理・放送設備も公開
MediaFLO USAプレジデントのジーナ・ロンバルディ氏
2006年中にベライゾンとともに米国でのサービス提供が予定されている「MediaFLO」だが、クアルコムの100%子会社で米国内での事業展開を担当するMediaFLO USAプレジデントのジーナ・ロンバルディ氏から、最新の状況や今後の見通しが明らかにされた。
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当初は全8チャンネル、月額制サービスに
移動中よりも日中の暇つぶし用途として、MediaFLOは受け入れられるとの見通しが語られた
ロンバルディ氏は、米国でのサービスのコンセプトとして「年齢層などに囚われない、マスマーケットに向けて提供する」と説明。現在は、6月の完成を目指して、MediaFLOでのコンテンツ配信を管理・運用する部門「National Operation Center」の施設工事を進めているほか、「つい先ほどまでMTVの方と電話で話していた」(同氏)と述べながら、配信内容の選定に向けて、コンテンツホルダーと協議を進めているとした。
ベライゾンが主体者となって提供されるという全米でのMediaFLOだが、ロンバルディ氏は「最終的な提供価格はキャリアが決定することになるが、マスマーケットに受け入れられる価格設定になるだろう。たとえば月額30ドルは高すぎる。クアルコムとベライゾンでは、より多くのユーザー層へリーチできる可能性を踏まえて、広告モデルの導入も検討しているが、価格と同じく、最終的にはキャリア側が決定することになる」とした。
配信コンテンツについて同氏は「仕様上、最大20チャンネルまで対応できるが、正式サービス開始時には8チャンネル程度になる見込み。その後、チャンネルが増えれば、オプションのような形で追加契約されることになるだろう。ドイツ銀行の調査によれば、米国ではケーブルテレビが9,000万以上の加入数になっており、有料でのテレビ視聴という文化が成立している」と述べた。
また、ロンバルディ氏は、携帯での映像視聴そのものにニーズがあるかどうか、という点について、同社が行なったアンケート調査の結果を公表。ケーブルテレビや衛星放送を契約し、携帯電話も月100分以上使うというユーザー2,800人(全米から抽出)を対象にしたもので、たとえばカメラ機能と動画視聴機能を比較した場合、「カメラ機能のほうが必要」と回答したユーザーの1.5倍ほど、「動画視聴の方が必要」と回答したユーザーのほうが多かった。
同じように、インターネットアクセス機能と比較した場合は、1.6倍、プッシュトゥトーク機能と比較した場合は2.3倍、インスタントメッセージ機能と比較した場合は3倍、ゲームと比較した場合は6倍も動画視聴機能を求めるユーザーが多かったという。
MediaFLOを活用したサービス例
ゲームのニーズに比べると、動画を求める声は6倍も多かったという
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MediaFLOの管理システムと放送システム
NOCの完成予想図
米国では、有料での月額サービスという体系が想定されているMediaFLOだが、実際にユーザーに対して課金する場合は、携帯電話のネットワーク経由でユーザー情報を取得する。
有料サービスということもあって、サービスの品質管理は大きな課題の1つだが、ロンバルディ氏が示したMediaFLOのネットワーク構成図によれば、コンテンツ配信の流れにおいてはNational Operation Center(NOC)が重要な役割を果たしている。
NOCは、全米各地でMediaFLOの配信システムを管理、運営する部署だ。その施設はまだ工事中ながら、その概要も明らかにされた。
現在は、試験的に仮運用されているNOCだが、設備の拡充を図った後、正式サービスの開始時には24時間体制でMediaFLOのネットワーク全体を見守る。NOCは、ネットワークマネジメントシステムのほか、急に発生する設備の故障に対応するためのインシデントマネジメントシステムなどで構成されている。
NOCはネットワークの管理・運用を担当するほか、何らかのトラブルが発生した際には顧客への対応を行なうコールセンターとしても機能する。ただし、MediaFLO USAにとっての顧客とは、エンドユーザーではなくキャリアになるため、エンドユーザーから訴えがあった場合は、まずキャリア側のサポートで解決を図り、それでも解決できない場合にNOCが対応することになる。
また試験で用いられている送信設備もあわせて公開された。この設備は、試験用の放送波を発信しているとは別の設備で、あくまでも室内でのシミュレーション用とのことだが、構成自体は本番環境と同じもの。
トランスミッターのコアで、実際に変調を行ない、MediaFLOの電波そのものを作っているのが「エキサイター」と呼ばれる部分になる。ただし、エキサイターで生成された放送波の出力は約5kW。これをアンプで増幅させてから、約50kWという出力でアンテナから発される。この出力は、米国のテレビ局のアンテナと比べると低い出力とのことだが、MediaFLOのアンテナ1カ所で半径20~30kmをカバーする。送信設備の構成は、ほぼテレビと同じとのことだが、変調を用いているところが異なる点という。同社では、放送に携わった経験を持つスタッフを採用し、放送そのもののスキームをMediaFLOでも取り入れているという。
このほか、実環境で用いられるソフトウェアを試験する「SYSTEM TEST BED」と呼ばれる部屋なども公開された。今後のスケジュールとしては、放送設備や運用システムを含め、2006年第4四半期にも正式サービスに向けた体制作りが完了する見込みだ。
MediaFLOのネットワーク構成
今回公開された、試験運用中のNOC
放送波の送信装置
トランスミッターのコアという「エキサイター」
同社内には、コンテンツホルダーからの動画データを受信するため衛星通信用のアンテナも。FTTHでの接続も用意されるという
SYSTEM TEST BEDと呼ばれる部屋。実環境と同じ構成にして、正式サービスでも用いられるソフトウェアをテスト
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URL
クアルコム(英文)
http://www.qualcomm.com/
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クアルコム、MediaFLOにフォーカスしたプレス向けイベント
(関口 聖)
2006/03/02 17:53
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