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【CTIA Wireless 2005】
番外編「ドコモの国際ローミングサービス体験レポート」

 昨年12月に発売された、GSM/W-CDMAデュアルモード対応iモード端末「N900iG」では、海外でiモードサービスが利用できる。ただし、国内で利用する場合に比べて、通信料が割高になり、国によっては利用できるサービスが異なる。

 今回は、ドコモの国際ローミングサービスの使い方を、「CTIA Wireless 2005」の取材で滞在した米国ニューオリンズでの使用感とともに紹介しよう。


レンタルするならiモード・パソコン経由がオトク

手元に届いたレンタルサービスの「N900iG」一式。このまま持ち運びできるのは嬉しい
 iモードユーザーが、普段の携帯電話番号とメールアドレスを海外でも使いたいならば、「N900iG」を使う必要がある。日本国内でも使える端末なので、新規契約か機種変更で購入する手もあるが、レンタルサービスも用意されている。

 成田国際空港や関西国際空港、中部国際空港であれば、ドコモの窓口が設けられているので、出国当日に申し込んでレンタルすることもできる。

 普段、ムーバ端末を使っているのであれば「WORLD WALKER-PLUS」、FOMA端末を使っているのであれば「WORLD WING」というサービスを利用する形になる。窓口でレンタルした場合、1日あたりの利用料は、「WORLD WALKER-PLUS」が630円、「WORLD WING」が525円になる。

 ただし、どちらのサービスもiモード、あるいはパソコンからも申し込める。この場合、1日あたりの利用料は「WORLD WALKER-PLUS」が315円、「WORLD WING」が210円で、窓口で申し込むよりも割安になっている。端末の受取・返却は、窓口あるいは宅配便のどちらかを指定できるので、海外旅行の日程が決定した段階でiモードやパソコンから申し込んだほうが良いだろう。


出発前に確認しておきたいこと

 まず確認すべきことは、渡航先でどの程度ローミングサービスが利用できるのか、という点だ。現地の通信方式によっては、iモードが利用できないケースも充分あり得るのだ。

 ほとんどの国では、GSM方式対応という形になるが、中でも高速通信方式であるGPRSネットワークがサポートされているエリアであれば、現地からiモードやメールを使える。GPRSがなければ、音声通話とSMSの送受信のみが可能だ。ちなみに英国や香港ではW-CDMA方式に対応しているので、テレビ電話サービスが利用できる。

 今回、記者が滞在したニューオリンズは、GPRSネットワークが利用できたため、iモードサイト、iモードメールが利用できるようになっていた。


パケット通信料も要チェック

iメニュー経由でメールチェックしたところ。もし何かメッセージがあっても、初期設定では自動受信することはない
 ここで気を付けたいのがパケット通信料だ。実際に海外からiモードサービスを利用する場合、現地の通信事業者のネットワークにアクセスする形になるが、事業者によって「グループA」「グループB」に分類されている。

 両グループの大きな違いは、パケット通信料。どちらのグループでも1パケットあたり0.2円になるのだが、「グループA」であれば50パケットまで50円、「グループB」であれば100パケットまで100円になる。ちょっとだけアクセスした場合でも、1回通信するたびに最低利用料がかかる。グループAは50円、グループBは100円だ。

 記者が滞在したニューオリンズでは、Cingurar WirelessとT-Mobileのどちらかを選べるようになっていたのだが、「N900iG」の標準設定では、自動的にどちらかの会社に接続する形になっている。今回体験した時には、T-Mobileへ自動的にアクセスすることになっていたのだが、同社はグループB。一方のCingurarはグループAであり、滞在最終日になってから、記者はそのことに気づいた。

 また1回通信するたびに、最低利用料がかかるので、iモードを利用した時はすかさずメールを送る、というように1回の通信中にまとめてしまうよう心がければ、通信料はより安くなるだろう。


接続先の事業者を選択できる。グループAかBか、事前にチェックしよう。今回は、AT&T(現Cingurar)か、T-Mobileが選択可能だった 事業者を選択した後の画面には、その事業者名が表示される

FOMAカードの差し替え前に、アドレス帳を登録しよう

 皆さんが普段使っている携帯電話には、どの程度アドレス帳データが登録されているだろう。端末内に保存できる最大数まで登録していたとしても、海外渡航時に連絡を取り合う人数は数件程度になるのではないだろうか。

 レンタルして入手した「N900iG」に、パソコン経由でアドレス帳データを転送することもできるだろうが、今回はFOMAカード(UIMカード)に必要なデータだけ登録することにした。

 普段、ムーバ端末を使っているのであれば、レンタルした「N900iG」に必要な分のアドレス帳データを入力する必要があるだろう。しかし、FOMAユーザーならば、普段使っている端末を操作してFOMAカードにもアドレス帳データを登録しておけば、「N900iG」にFOMAカードを挿しただけで、アドレス帳データが使えるようになる。

 出発直前の準備に追われて、アドレス帳のことまで気が回らなかったとしても、空港まで普段使っているFOMA端末を持って行っていれば、その場でアドレス帳データの登録が可能だ。

 「N900iG」を日常的に使っていれば必要ないことだが、登録を忘れると、どこにも連絡できないという悲しい結果になりかねない。


FOMAカードに連絡先を登録しておけば安心だ N900iGのFOMAカード挿入口はここ

音声通話はほぼ普段通り

日本にある電話にコールしようとした画面。N900iGの初期設定では、国番号を付加するかどうか聞いてくれるようになっている
 渡航先で連絡を取り合うには、音声通話が一番ラク。相手が、米国内にいる日本から来た携帯電話、あるいは日本にある電話の場合は、電話番号の前に国番号である「+81」を付加する必要がある。

 ただし、N900iGの場合、電話をかける際に「日本への発信かどうか」を尋ねてくれるので、国番号を付ける必要があるということだけ知っていれば良いだろう。

 また、日本にいる人から電話をもらう場合は、国番号を付加する必要はなく、通常通りの番号にダイアルしてもらえればOKだ。


ネットワーク設定で、付加する国番号などを変更できる リダイヤル画面には、国番号を付加した状態で記録される

滞在都市の天気予報をiモードで調べる

海外からiモードを利用できるのは、やはり便利
 初日こそ好天に恵まれたニューオリンズだが、それ以降は曇天の日々。豪雨に見舞われる時もあり、こんな天候がいつまで続くのか、調べるには手元にある「N900iG」が一番手軽だった。

 iメニューへアクセスしてみると、一見したところ、国内で利用した場合とほぼ同じ構成。しかし、「かんたん検索」のコーナーには、海外でのiモード利用を想定したサイトへのリンクが設けられている。こちらへアクセスしてみると、「旅行ガイド」や「辞書/会話集」など、ジャンルごとのコーナーがある。

 今回は、この中から「世界の天気」を選択。すると「海外利用設定が必要」と案内される。初期設定では「利用しない」となっているが、ここで「利用する」を選択すれば、そのまま各海外向けiモードサイトが利用できるようになる。

 「海外利用設定」は、国内滞在時にも操作できるようになっており、この場合パケット通信料は無料。海外旅行中に設定する際はパケット通信料がかかるので、あらかじめ「海外からiモードサイトを使うかもしれない」と考えている人は、出国前に「利用する」と設定しておいたほうが良いだろう。

 さて、実際に気象情報をチェックしたのは、ウェザーニューズが提供するiモードサイトだ。世界各地域ごとにリンクされ、それなりに細分化された情報をチェックできる。しかし「北米」カテゴリーの中には、記者が滞在したニューオリンズは含まれていなかった。


利用時には「海外利用設定」を変更しよう 「海外便利サイト」には、さまざまなジャンルのサイトがある

SMSとメール、どっちが良い?

メールの作成はいつも通り
 音声通話だけならば、以前から可能だったドコモの国際ローミングサービス。「N900iG」の登場で、新たにiモードサービスが利用できるようになり、iモードメールやSMSの送受信も可能になった。GPRSネットワーク対応であるニューオリンズでは、両方のメッセージサービスが利用できるようになっていたが、それぞれ利用料が異なるため、よりオトクなサービスを利用するよう心がけたいところ。

 SMSの利用料は、送信は1通100円で、受信は無料だ。一方、メールの利用料はパケット通信料に依存する形になっているため、「グループA」であれば50パケットまで50円、「グループB」であれば100パケットまで100円、1パケットごとに0.2円となる。

 「送信はメールで、受信はSMS」と言う形が一番望ましいが、それを相手に強いるのは難しい。わずかな文章でやり取りするのであればメールの送受信が一番だ。

 さらに、メールであればその場で撮影した写真を貼付して送信することもできる。昨今話題のブログサービスで、メール更新機能がサポートされていれば、海外からリアルタイムで自分が運営するブログの更新もできるだろう。


メール送信画面 自分のメールアドレスへ送った写真。雨天のニューオリンズ空港をN900iGのカメラで撮影したものだ

 国際ローミングサービスは、気軽に利用できる点が大きなメリット。ただし、音声通話と通信料は、国内での利用に比べて割高になる。また無料通信分で相殺されることもない。安さを求めるならば、GSM方式の携帯電話を入手して、現地の通信事業者のショップに赴き、プリペイドのSIMカードを購入すべきだろう。

 安さと引換えに、貴重な時間を費やすことになってしまうため、ゆとりある旅程ならば問題ないだろうが、旅行全体がせわしないスケジュールというのであれば、国際ローミングサービスを利用することをオススメしたい。



URL
  NTTドコモ 国際ローミングサービス概要
  http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/world/roaming/

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(関口 聖)
2005/03/22 18:29

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