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【2005 International CES】
進化するSDカード、非接触ICカード内蔵など
USB端子搭載SDカード
カメラの静止画に着うたやアプリと、携帯電話が扱うデータは大容量化の一途を辿っているが、そんな中、もはやなくてはならない存在になりつつあるのがメモリカード。日本の携帯電話市場に限定して言えば、SDカード陣営が圧倒的な強さを見せているが、ここラスベガスの会場でも、さらにシェアを伸ばすべく、製品群を広げていることが見て取れる。
まずはCES開幕初日に米サンディスクが発表したUSB端子付きのSDカード「SD Card Plus」だ。SDカードスロットや変換アダプタを使わずとも直接USB端子に差し込めるので、出先で「デジカメからパソコンに転送しようと思ったらアダプタを忘れた」なんてこともなくなるうえ、USBメモリとしても使えるようになる。
容量は512MBと1GBのものがラインナップされており、第1四半期中の製品化を目指す。ブース内のスタッフにUSB端子の内蔵による高速化への影響を聞いてみたところ、「現行製品と同じスピードで進化していくのは実装面積上の理由で難しいだろう」とのこと。また日本のケータイに多く採用されているminiSDカードへの応用は「技術的には不可能ではない」という。
本体の約半分が端子部分を覆うカバーのようになっている
これはUSB端子を露出させたところ
smartSD。どの程度の容量の製品から展開するかは現在のところ未定
smart miniSD。ケータイ向けとしては本命となる製品
次に来るのが、SDカードの業界団体「SD Card Association」が展示していた非接触ICカードを内蔵の「smartSD」だろう。同製品はすでに昨年、松下電器産業が発表を行ない、CEATEC JAPANでも披露されたが、今回の展示は「米国でもお披露目」といった感じだろうか。本誌でもお伝えしているように、smartSDの狙いはまさにNTTドコモの「おサイフケータイ」とそっくり。会場のPRビデオでも、非接触ICカードに個人認証に必要な情報を書き込むことで、ショッピングや電子チケット、電車の定期券で利用できるほか、smartSDの抜き差しにより、第三者にパソコンや携帯電話を勝手に利用できないようにするアクセス制限機能を持たせるなど、今秋の製品化に向け、さまざまなシーンでの応用をアピールしている。
現在のおサイフケータイでは、ケータイを持ち歩くだけでいいというメリットがある一方、機種変更時にICカード情報の移行をしなければならないことや、故障して修理に出す場合の対応など、ケータイから切り離せないがために起こる問題や障害の可能性も懸念されている。
これがメモリカードで管理できるようになれば、この手の問題のいくつかは解決できることになりそうだ。事実、あるメーカーの開発者は「ICチップ内蔵ケータイでは、修理や回収後のことを考えて、チップを簡単に取り出せるように実装しなければならないなど、開発上で制限を受ける部分がある」と語っており、smartSDが日本のケータイに採用される可能性も十分あり得る。
ブース内のスタッフに日本のおサイフケータイについて話すと、「内蔵されていて取り出せないタイプは、パソコンやPDAとの親和性をケータイに求める米国のユーザーには受け入れられないだろう。ケータイに関して言えば、米国ではSIMカードという文化が根付いている。日本にはつい最近までなかった。一人の人間が複数のデバイスを切り替えながら使うか、1つのデバイスでなんでもやってしまうか。そのあたりの文化の違いもあるかもしれないね」という興味深い発言があった。
余談だが、SDカードの好調を物語るような事件が、実は昨年10月に起きている。なんとソニー・エリクソンがSD Card Associationに加盟しているのだ。今のところまだ対応製品は出ていないが、今後、どうなるのか注目したい。
smartSDとともに参考出品されている携帯電話のプロトタイプ
マルチメディアプレーヤーのプロトタイプも展示されている
smartSDのロードマップ。今後、モバイルコマース用の規格が策定される
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URL
2005 International CES(英文)
http://www.cesweb.org/
米サンディスク(英文)
http://www.sandisk.com/
SD Card Association(英文)
http://www.sdcard.org/
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(伊藤 大地)
2005/01/11 11:50
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