ケータイ Watch
最新ニュースIndex
【 2009/06/26 】
携帯フィルタリング利用率は小学生で57.7%、総務省調査
[17:53]
ドコモ、スマートフォン「T-01A」を28日より販売再開
[16:47]
ソフトバンク、コミュニティサービス「S!タウン」を9月末で終了
[15:51]
ソフトバンク、ブランドキャラクターにSMAP
[15:34]
カシオ、携帯での閲覧にも対応した画像変換ソフト
[14:56]
テレビ朝日、iモードで動画配信「テレ朝動画」を開始
[13:54]
ファーウェイ、東京に「LTEラボ」開設
[13:22]
SoftBank SELECTION、iPhone 3GS向けケース3種発売
[13:04]
「G9」の文字入力に不具合、ソフト更新開始
[11:14]
アドプラス、iPhone 3G向けコンバージョンレンズ
[10:41]

松下、非接触IC搭載のSDメモリーカード「smartSD」開発

携帯電話への対応が見込まれるsmartSD

松下電器産業 取締役 秋山 正樹氏
 松下電器産業は、非接触通信が可能なICカード機能を搭載したSDメモリカードの新シリーズ「smartSD」を開発した。2004年12月にもサンプル提供が開始され2005年秋に商用化される予定。

 smartSDは、MOPASSコンソーシアムの仕様に準拠し、非接触ICカード機能を搭載したSDメモリーカード。非接触IC部分には、従来のEEPROMよりも高速処理が可能な不揮発性のメモリ「FeRAM」を採用し高速書き込みに対応。これにより、交通機関のゲートなどでも対応できるという。

 カードサイズはSDカードと同じで、miniSDカード版もラインナップ。ただし、miniSDカードタイプには非接触IC用のアンテナが内蔵されないため、装着する機器側にアンテナが搭載されている必要がある。なお、既存のSDカードやminiSDカードの上位モデルとなり、これまで通りSDカードなども展開される。

 また、メモリ内の一部の領域をICカードの鍵によって暗号化することでセキュリティを確保し、音楽やコンテンツや大容量のアプリケーションをセキュアな状態でメモリカードに保存できる。メモリカードを紛失した場合でも、非接触ICカードのように内部の情報が見られないような仕組みが採用されている。携帯電話などで導入された場合は、カード毎のPINによる認証も行なえ、現在、サービスの停止をネットワーク経由で行なえるような仕組みを検討しているとのこと。

 非接触通信インターフェイスは、ISO/IEC14443 TypeBとJICSAP2.0をサポート。非接触ICでは、JR東日本のSuicaや、ドコモのiモード FeliCaが普及しているが、smartSDにはFeliCaのアプリケーションを搭載することも可能。同社ではFeliCaが非接触ICカードであるのに対し、smartSDは、非接触ICカード機能を搭載したセキュアな大容量メモリと位置づけてアピールする。

 松下電器では、smartSDをまず業務ソリューションとして展開し、その後、携帯電話向けやAV機器向けなどコンシューマー向けに提供していきたい考え。また、smartSDをグループを挙げて展開するとしており、発表会で説明を行なった松下電器の取締役 秋山 正樹氏は、「松下のユビキタス社会に向けた1つのキーデバイス。力強くやっていく」と意気込みを語った。

 なお、従来のSDカードはSDA(SDカードアソシエーション)の中で、他社とともに展開していくことで普及拡大してきたが、今回のsmartSDについてもSDAを通して展開するとしている。


拡大するSDカード需要(画面赤色の部分) ICカードの市場動向

非接触ICのメリットとSDカードのメリットが合体 smartSDの特長

smartSDのロゴマーク
 発表会では具体的なソリューションなどは公表されなかったが、「レンタル型サービスモデル」として、大容量化が進む携帯電話向けのゲームや音楽、映像コンテンツをメモリカードに保存し、再生回数や利用期間の制限をかけられるコンテンツ・プロバイダー向けのソリューションなどを説明。また、複数のアプリをセットしたsmartSDの例として、電子チケットサービス、物販、そして有料コンテンツの会員サービスを相互に連動させて割引サービスやポイントサービスが受けられるといった会員向けサービスも紹介された。

 ドコモのiモード FeliCaでは、非接触ICを端末に内蔵しており、KDDIでも内蔵型で端末を供給すると発表している。今回のsmartSDは外部メモリとなるが、松下電器では今後、大容量のメモリカードの用途が拡大すると想定して展開していくという。ただし、携帯電話内蔵型も視野にいれているとのこと。

 松下電器では、smartSDの市場規模について範囲が広範にわたるため、数値化できないとしているが、一方で「しかし、当社のキーデバイス。携帯電話、AV機器、パソコンなど大きな相乗効果を生む。目標は2008年に350億円」としている。

 なお、smartSDは、10月5日から開催される「CEATEC JAPAN 2004」で展示される。発表会の終わりには、同イベント用のデモンストレーションが一足早く公開された。


smartSD搭載携帯電話をリーダーに近付けると、コンテンツなどの割引などが行なえるコンテンツ配信端末 smartSDをカードアダプタに装着

smartSDの目指す事業分野 非接触ICを使った会員向けサービス


URL
  ニュースリリース
  http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn041001-1/jn041001-1.html


(津田 啓夢)
2004/10/01 19:06

ケータイ Watchホームページ

ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.