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【 2009/06/26 】
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携帯フィルタリング利用率は小学生で57.7%、総務省調査
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ドコモ、スマートフォン「T-01A」を28日より販売再開
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ソフトバンク、コミュニティサービス「S!タウン」を9月末で終了
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ソフトバンク、ブランドキャラクターにSMAP
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カシオ、携帯での閲覧にも対応した画像変換ソフト
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テレビ朝日、iモードで動画配信「テレ朝動画」を開始
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ファーウェイ、東京に「LTEラボ」開設
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SoftBank SELECTION、iPhone 3GS向けケース3種発売
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「G9」の文字入力に不具合、ソフト更新開始
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アドプラス、iPhone 3G向けコンバージョンレンズ
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【C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2003】
ドコモ立川社長、「年明けの新型FOMAは2Gを超える性能に」
NTTドコモ 代表取締役社長の立川 敬二氏
12月3日~5日の3日間、東京ビッグサイトにおいてNECグループや関係企業がIT事業を紹介するイベント「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2003」が開催されている。最終日となる5日、NTTドコモの代表取締役社長の立川 敬二氏が「FOMAで実現するユビキタス・ネットワーク社会」と題した基調講演を行なった。
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「携帯電話の有望マーケットは自動車」
講演では立川氏の登場に先駆けて、ユビキタス社会が実現した社会をドラマ仕立ての映像で紹介した。映像は、子供の頃に将来の夢を書いて、タイムカプセルとして学校の校庭に埋めた仲間たちが数十年の時を経て集合するというストーリー。映像の中のユビキタス社会では、ネットを介した陶芸教室や、電子マネーを利用したリアル店舗での売買、Yシャツの袖に組み込まれたモバイル端末でテレビ電話、遠隔地からバーチャルグローブで触診して家畜の診察を行なう場面など、夢のような高度ネットワーク社会が展開された。
ネットワークを介した陶芸教室
Yシャツの袖には情報端末
イメージ映像が終了し登場したドコモの立川氏は、今回紹介したようなイメージ映像を毎年1本作成していることを報告し、「こういう社会を実現するのは皆さんだ」と会場に呼びかけた。また現状では、先進国のほぼ全ての国で携帯電話による通話が可能となっている状況で、今後、世界的にボイスコミュニケーションが鈍化すると予測。こうした状況にドコモでは、2010年のビジョンとして「MAGIC」の合い言葉で戦略を進めているとした。
なお、「MAGIC」の「M」はMobile Multimedia、「A」はAnytime, Anywhere, Anyone、「G」はGlobal Mobility Support、「I」はIntegrated Wireless Solution、「C」はCustomized Personal Serviceのそれぞれ頭文字。立川氏は特に、海外でも国内の端末を日本語で利用できるグローバル性と各ユーザーの好みに応じて端末機器を作ることが重要だと語った。
さらに今後、人から人への通信ではなく、人から機械へ、そして機械から機械へといったモバイルコミュニケーションが大きくなってくると述べ、将来有望なマーケットとして自動車産業を挙げた。現在、自動車産業は7,000万台規模の市場だが、立川氏は「将来的に1億台のマーケットになると言われている。全車に通信機器が搭載されれば非常に大きい」とした。
このほか、年間270兆円と莫大な金額が動く商取引においても、「いちいちキャッシュなのか」とコメントしキャッシュレス社会に携帯電話が貢献できる点をアピールした。
ドコモの掲げる合い言葉
モバイルは人から機械、機械から機械の時代へ
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新型FOMAは「2Gを超える」
FOMA契約者数の推移
立川氏は続いて、FOMAについての具体的な話に言及した。
まず、「2Gまでは音声主体のシステム、3G(FOMA)は384kbpsの通信が可能なようにデータが主体となる」と語り、今年9月にFOMAサービスが100万契約を達成し、11月末現在で160万契約となったと説明。ドコモでは100万契約を1つの節目と考え、これが達成できたことの意味は大きいという。「国内で100万台がクリティカルマス。コンテンツプロバイダー(CP)がFOMAの魅力を認識する上でも100万は重要」(立川氏)とのこと。ドコモでは今年度のFOMA契約目標に200万台を設定、この目標もクリアできるとの見解を示した。
また、FOMAのカヴァレッジエリアも今年度末に99%となる見込み。立川氏は、下り最大384kbpsのデータ通信の利用場所として、オフィスや自宅、喫茶店などインドアでの利用が主だとし、ビル内に設置できる小型基地局を紹介。今後は、ビルや地下であっても満足できるデータ通信が可能になるという。
一方で、384kbpsを体験してしまったユーザーの中には、さらに高速化された移動体通信を求める声がある。こうしたニーズにドコモでは、下り最大14Mbps、平均値で2Mbps程度データ通信が可能なHSDPAと呼ばれる方式を実験している。W-CDMAを採用する各国の通信キャリアと標準化も行なっており、同社ではHSDPAを3.5Gと位置づけ、2005年にも提供したい考えだ。
また、年明け早々にも投入される新型FOMAについて、立川氏は「2003年度セカンドモデル(年明けのFOMA)は、連続待受時間300時間以上、高画素カメラを搭載し、TV電話機能も装備。体積が100cc以下、重さが100g以下。2Gを超える」と語った。
このほか、同社では定期券や社員証代わりになる非接触IC搭載端末も2004年に提供する予定。Bluetooth機能を装備し、ヘッドセットでより手軽にTV電話機能が利用できる端末や、将来的には地上デジタル対応端末なども検討していくとのこと。
小型基地局ラインナップ
2005年にもHSDPA方式を導入
2003年セカンドモデルはPDCの性能を超えた端末に
非接触ICやBluetooth搭載端末を投入
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「TV電話機能はキャリアの永遠の夢だった」
FOMAと無線LANのデュアル端末を利用したVoIPソリューション
「ユビキタス社会に貢献するためには、いかなるサービスを提供するのかが重要。これは我々オペレーターが提供するだけではなく、CPやISPと強調してサービスを展開したい」と語った立川氏は、コンテンツの重要性を改めて口にした。同氏はiモーションやiモーションメールといった現状のFOMA向けサービスを説明し、「しかしながら、キャリアにとって永遠の夢だったTV電話機能は、いざ実現してみると評価があまりよろしくない」とコメント。ユーザーが顔を表示させることにかえって煩わしさを感じている点を指摘し、その上で「どうも顔を映さなければいけないと思われているようだ。TV電話機能は必ずしも自分の顔を映す必要はない。周りの状況や部屋の様子だっていい」と語った。
また、FOMAを使った企業向けソリューションについても、各業界向けに導入イメージを紹介。FOMAビジュアル端末を使って建設現場や農作物の遠隔監視など、事例は医療、金融、教育、運輸、公共と多岐に渡った。この中で、今回のイベントで参考出品されたFOMAと無線LANのデュアル端末を利用した事例として、屋外でFOMA、オフィス内ではVoIPによる内線電話ソリューションといったものも示された。
最後に立川氏は、「移動通信の活用の場が増えている。これはユビキタス社会が着実に近づいているといってもいいのではないか。皆さんも共にユビキタス社会を築いていこう」と述べて講演を締めくくった。
FOMAのビジュアルフォンを使った保険契約審査
六本木ヒルズなどではiモードなどを使った複合的なソリューションが導入されている
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URL
C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2003
http://www.uf-iexpo.com/
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
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(津田 啓夢)
2003/12/05 15:46
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