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【PDAソリューションフェア2003】
hpが今秋発売のiPAQを参考展示

 モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)主催の展示会「PDAソリューションフェア2003」が9月5日、東京国際フォーラムで開催された。展示は法人向けがほとんどだが、一部にはコンシューマ向け製品の展示もある。また、法人向けが主体だけに、一般のコンシューマが普段、目にできない珍しい製品の展示も行なわれている。本誌ではコンシューマの視点から興味深い製品を中心にレポートする。


新iPAQ「h2210」と「h5550」は今秋登場

 hpのブースでは、同社のPocket PCシリーズ「iPAQ」の発売中モデルに加え、未発売のモデル「HP iPAQ Pocket PC h5550」と「HP iPAQ Pocket PC h2210」が参考展示されていた。

 h5550は、現在発売中の「h5450」の後継機種。相違点は主にプラットフォームがPocket PC 2002からWindows Mobile 2003にアップデートされた点で、指紋認証やBluetooth、無線LANなどの機能は引き続き搭載している。ボディデザインなども変更されておらず、既存の「ジャケット」と呼ばれる拡張パックも利用が可能。SDカードスロットはSDIOにも対応。今秋の発売を予定している。


hp iPAQ Pocket PC h2210
 h2210は、既存の小型モデル「h1937」とハイエンドモデル「h5450」の中間をカバーする新モデル。標準でCFスロットを搭載していて、無線LANやPHSといったデータ通信カードなども利用できる。ワイヤレス通信機能としてはBluetoothを内蔵していて、Windows Mobile 2003を搭載。重さは144gで、こちらも今秋の発売を予定している。価格は未定だが、h1937とh5450の中間くらいになるとのこと。

 なおiPAQは登場当初、拡張パックのジャケットによってCFスロットなどを追加できる設計が注目を集めていたが、最近では拡張の必要性に応じてジャケットを着脱することよりも、拡張性を求めないユーザーにはh1937を、ある程度必要ならh2210を、あらゆる機能が必要ならh5550を、といったように「モデルを複数用意することで多様なユーザーニーズに応える」という姿勢にシフトしているという。h5550はジャケットに対応するが、h2210はジャケットには対応しない。


h2210にはSDカードスロットに加えてCFカードスロットも搭載される h2210は、CFカードスロットなどのため、厚みはh1937に比べて大きめ

東芝はPocket PCを2シリーズ展示

企業向けのPocket PC e750
 東芝のブースでは、同社の最新モデル「GENIO e350」に加え、企業向けモデルの「Pocket PC e750」も展示されている。

 e750はWindows Mobile 2003を搭載したPocket PCで、無線LANを内蔵している。CPUにはPXA255の400MHzを、RAMは64MB、ROMは32MB、Flash ROMは32MBを搭載。画面は前モデルのe740よりも大きい3.8型のTFT液晶となっている。国内では企業向けに7月から販売中だ。

 国内ではコンシューマ向けに販売されていないため、一般ユーザーに馴染みのないが、海外ではコンシューマ向けに販売されていて、同シリーズはなかなかの人気だという。ちなみに国内で8月に発売されたGENIOの最新モデル「GENIO e350」も、e750と同様に海外向けに開発されたモデル。

 e750やe350など海外向けに開発されたPocket PCシリーズは、国内でコンシューマ向けに販売されている「GENIO e550」のシリーズとは違う部門が開発を担当していたという。これまでは社内での競合を避けるために、海外向けのシリーズが国内のコンシューマ向けに販売されることはなかったが、最近、国内向けのシリーズの開発が海外向けのシリーズと同じ部門に移ったため、海外向けのe350がGENIOの名前を冠して国内でコンシューマ市場向けに登場したという。ただし、無線LAN内蔵のe750に関しては、国内でコンシューマ向けに販売する予定は今のところないとのこと。

 なお、国内のGENIO e550のシリーズは、まだWindows Mobile 2003を搭載した後継機種が登場していないが、これは開発が遅れているせいで、海外向けモデルに東芝のPocket PC全体がシフトするわけではない。Windows Mobile 2003搭載GENIOとしては、カメラ内蔵モデル、辞書内蔵モデル、通常モデルの3種類の開発が行なわれており、近日登場予定とのことだ。

 国内向けのシリーズは大型液晶やカメラなど、国内のニーズに向けた設計で、海外向けのシリーズは無線LANを内蔵し、海外では人気があるという。東芝にとってこれらのシリーズは、かつてのiPAQとjornada同様に、並存、統合、どちらかの開発中止などの選択肢があるが、現時点では、はっきりとしたことは決まっていないとのことだ。


e750(左)とe350(右)は共に海外向けに開発されたモデルで、デザインも似ている。e750は無線LANの分、頭に黒い部分が余分にある 国内向けでは馴染みのあるGENIO e550シリーズ。海外向けのe750などとはまったくデザインが違うのが面白い

FOMA専用Bluetoothアダプタは12月発売

F-access(仮称)のモックアップ。製品の重さは40gとのこと
 ハギワラシスコムのブースでは「FOMA専用Bluetoothアタッチメントアダプタ F-access(仮称)」が展示されていた。展示品はモックアップの段階だが、発売は今年12月の予定。価格は未定だが、1万円前後の見込み。

 同アダプタは、P2102Vなど、音声通話対応のFOMA端末のデータコネクタに接続するBluetoothアダプタ。PDAなどからFOMAの回線を使ってネット接続などが可能になる。BluetoothのVer1.1に準拠していて、Serial Port ProfileとDial-up Networking Profileに対応。リチウムイオン充電池を内蔵する。


B-port II。FOMAに限らずPHSなどでも利用可能だが、DDIポケットの端末には対応していない
 なお、同社ではデータカード型FOMA端末「P2401」に対応する同様の製品「B-port II」を現在発売している。こちらの製品はFOMAだけでなく、ドコモ製のCF型PHS端末などにも対応している。

 このほかにもハギワラシスコムのブースでは、来月発売予定のメモリースティック型の無線LANカードの実機展示や、メモリースティック型のGPSカードなどのコンセプトモックアップの展示も行なわれていた。


MSワイヤレスLANカード。実際に動く製品をCLIEに接続してデモしている メモリースティックIOのチップを用いることで、無線LANに限らず、GPSなど様々な製品に応用できるという


URL
  PDAソリューションフェア2003
  http://www.ric.co.jp/expo/pda2003/


(白根 雅彦)
2003/09/05 20:08

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