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【CeBIT 2003】
サムスン、iモードや3G、スマートフォンとてんこ盛り

 今回、CeBITに出展した端末メーカーの中でも、1、2を争うほど見どころが多く、展示内容が充実していたのがサムスンのブースだ。

 まず、サムスンで触れておきたいのは、CeBIT期間中に欧州版iモードへの端末供給が発表されたことだ。しかし、同社ブースでの展示では、残念ながらモックアップのみとなっていた。モックアップは、ヒンジ部分に回転カメラとカラーのサブディスプレイを備えた折りたたみ型。今年中に出荷する予定だが、「あくまでもプロトタイプ段階のもの」とのことだ。


今回のCeBITの中でも、もっとも見所が多かったブースだ 欧州向けiモード端末の試作機。ヒンジ部に回転カメラがある

 一番注目を集めていたのがW-CDMA/GSM端末の「SGH-Z100」。同機種はヒンジ左端部分に回転式のカメラを内蔵し、テレビ電話機能を搭載している。また、40和音の着信メロディやJavaにも対応。会場ではテレビ電話や高速Webブラウジングのデモが行なわれ、来場者の関心も非常に高かったようだ。一応、実機が展示されたものの、台に据え付けられており、自由に触ることはできなかった。


Samsung初のUMTS端末「SGH-Z100」 こちらも「SGH-Z100」。まだ試作機段階のため自由に触らせてもらえなかった テレビ電話のデモ。右上にこちら側のカメラで映っている映像が、メインに相手側の映像が映っている

 Palm OS 5.2を搭載したGSM方式のスマートフォン「SGH-i500」も常に見物客が絶えなかった端末の1つ。30万画素のモバイルカメラを内蔵。162×176ドット、65,000色表示のTFT液晶をメインディスプレイに、サブディスプレイには256色有機ELが搭載されている。さらにJava、WAP2.0をサポート。

 大きさは87×54×26.9(高×幅×厚)mmで、重さは約150g。サムスンは、昨年もPalm OS搭載端末を出品していたが、今回出品されたものはよりコンパクト、かつスマートになり、ほぼ普通の折りたたみ型端末と同じサイズだ。出荷は今年末になるとのこと。


Palm OS搭載の「SGH-i500」。PDA機能を搭載したいわゆるスマートフォンだが、サイズ的には普通の携帯電話と大差ない デモ中はうまく作動しなかったようだが、サブディスプレイは有機ELだ カメラは背面に内蔵されている

 また、Pocket PC Phone Editionを搭載したGSM方式のスマートフォン「SGH-i700」も展示されていた。デモではWindows Media Playerでストリーミングビデオを流していた。こちらは前述のPalm搭載機とは異なり、PDAに通信機能をビルトインした、と表現するのが適切だろう。出荷は第2四半期末とのこと。


Pocket PC Phone Edition搭載の「SGH-i700」。こちらは通信機能搭載のPDAといった感じだ。デモではWindows Media Playerで映画予告編をストリーミング再生していた。撮影は著作権関係でNGとのこと

 CeBITで発表された腕時計型GSM端末「Wactch Phone」は、残念ながらモックアップのみの展示。説明員によると、音声認識を使って99%の操作が可能だという。モックアップを見た感じでは、普通のデジタル時計とほとんど同じ大きさだ。96×64ドットの有機ELをディスプレイに採用、BluetoothやWAP1.2準拠のブラウザ、40和音の着信メロディに対応する。ヨーロッパで第4四半期に出荷される見込み。説明員が「(007の)ジェームズ・ボンドが使ってそうでしょ」と語っていたのが印象的だった。


CeBITで発表された「Watch Phone」。音声だけで9割以上の操作が可能だという

 会場でもっとも人気があったのは、Symbian OSを搭載した折りたたみ型GSM端末「SGH-D700」だ。もっとも大きな特徴は、176×208ドット、65,000色表示の回転式メインディスプレイ。180度回転するので、メイン液晶を表側に出した状態で閉じるいわゆる「ビュースタイル」も可能だ。また、ヒンジ左端部分には動画も撮影可能な30万画素のモバイルカメラを搭載している。さらにOutlookとの連係機能、RealOne Player、MP3再生機能も利用できる。出荷は第3四半期からヨーロッパで行なわれる見通し。

 このほか、韓国向けのCDMA2000 1xEV-DO端末「SCH-E250」や、カラーのサブディスプレイを装備しながらも、80×40×20mm(高×幅×厚)、70gと軽量小型の折りたたみ型GSM端末「SGH-S300」、今後のラインナップ中でGSM端末のメインストリームとなる折りたたみ型カメラ付き端末「SGH-P400」などが展示されていた。


Symbian OS搭載の「SGH-D700」。メインディスプレイは180度回転する 直線を基調としたデザインでサイバーな印象だ メインディスプレイを表面に出したスタイル。PDAライクに使用する場合に便利だ

韓国向けのCDMA2000 1x EVDO端末「SCH-E250」 カメラはメインディスプレイの裏側だ

ラインナップ中では、メインストリームとなるカメラ付きGSM端末「SGH-P400」 回転式カメラをヒンジ部左端に備える

コンパクトな折りたたみ型GSM端末「SGH-S300」 ディスプレイも小さめだ

映画「マトリックス・リローデッド」に登場する携帯電話も登場

・ CeBIT 2003(英文・独文)
  http://www.cebit.de/
・ サムスン電子(英文)
  http://www.samsung.com/


(伊藤 大地)
2003/03/19 11:58

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