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【CEATEC JAPAN 2002】
パーム矢内氏「Palm OS 5はネイティブでなくとも速い」
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パームコンピューティング プラットフォーム・デベロップメントサービス マネージャ 矢内 健治氏
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10月1日~5日にかけて幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2002」。3日目の「ホーム/ネットワーク トラック」セッションで、パームコンピューティング プラットフォーム・デベロップメントサービス マネージャ 矢内 健治氏が「新世代のPalm OS」と題した講演を行なった。
講演の多くは、同社の新OS「Palm OS 5」の機能説明に費やされたほか、コンセプトモデルなども紹介された。
ARM採用でよりパワーアップしたPalm OS 5
まず矢内氏は、6月からメーカー向けに出荷されていた新OS「Palm OS 5」の概要を説明。「シンプルでスピーディながらも、マルチメディアなどに弱い」と言われていた従来のPalm OSに比べ、高解像度のサポートやCD品質でのMP3再生などサウンド機能の強化など大幅にパワーアップしていると述べた。
またセキュリティ機能についても「これまでは起動時にパスワードを求める程度しかできなかったが、RSA Securityの暗号化モジュールを搭載している。また、サードパーティ製の暗号化モジュールもプラグインとして取り入れることが可能で、用途に応じた最適な暗号化モジュールを利用できる」とアピールした。
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Palm OS 5の概要
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暗号化モジュールが追加できることで、セキュリティ機能も強化
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ARMネイティブでなくとも、充分メリットはある
ARMアーキテクチャを採用しながらも、既存のアプリケーションの動作で68K系エミュレータ「PACE」を搭載している点や、今後のソフトウェア開発において、68K系コードを推奨している戦略について、矢内氏は「ARMネイティブに完全移行するには時間がかかる」として「開発キットは高価な業務向けのものや、無償ながらもサポートが無いものしか存在しないため、ユーザーや開発者に負担をかけずに徐々に移行させていきたい」として、従来の開発環境を活かすことによるメリットを挙げた。
続けて矢内氏は「ARMの意味があるのか、活かしきれていないのではないか、という声もあると思う」と前置きした上で、「OSを頻繁に呼び出すアプリケーションは、体感速度が向上される」と同社内での実験をもとに強調したが、「データ圧縮やグラフィック処理など、プログラム内で処理するものは、エミュレータ上は確かに遅い場合もある」と率直に認め、「ボトルネックになる部分だけ、ARMネイティブにすれば、50~60倍体感速度が向上したケースもある」と強気の姿勢を見せた。
さらに「わざわざネイティブにせずとも充分速い。する必要がない。メリットはある」と述べ、多くの開発者やソフトウェアなど過去のリソースを守りながら、ユーザーへゆっくりとした移行を推し進めていく戦略を語った。
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パームの掲げる移行戦略
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Palm OS 5で利用できるアプリケーション
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Java実行環境は数カ月以内に提供
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今後強化されるという各項目
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今後、予想されるニーズに対応すべき点として、矢内氏は「Javaや独自ブラウザ、メッセージ機能などは数カ月以内に提供する」と述べたほか、より柔軟な入力法、ワイヤレスやBluetoothへの対応などを強化していくとした。
これら対応すべき強化を行なった後に予想されるPDAやスマートホンなどのコンセプトモデルも披露されたが、講演後に矢内氏に質問したところ「(スマートホンは)いずれもGSMやGPRSなど、海外市場を想定したもの。ソフトウェアメーカーであるパームとしては、メーカー先導でないと日本国内での展開は難しい」として、現在のところ予定はないと語った。
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PDAに音声通話機能が付加されたタイプ
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スマートホンタイプ。しかし日本国内での展開は予定されていない
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・ CEATEC JAPAN 2002
http://www.ceatec.com/
・ パームコンピューティング
http://www.palm-japan.com/
・ Palm OS 5を搭載した新型CLIE「PEG-NX70V」
・ 米PalmSource、Palm OS 5のメーカー向け出荷開始
(関口 聖)
2002/10/03 21:31
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