iPad miniと第4世代iPad発売、ソフトバンクの優位性をアピール


宮内氏(左)と一番最初に並んだユーザー

 ソフトバンクモバイルは、ソフトバンクの旗艦店舗である「ソフトバンク銀座」において、「iPad mini」と第4世代「iPad」の発売セレモニーを開催した。

 セレモニーには、主催者側発表で最終的に90名以上の購入者が並んだ。アップルから販売開始許可が出た8時に向けカウントダウンが行われ、8時ちょうどに、祝砲とともに「iPad mini」と第4世代「iPad」の販売が始まった。

 ソフトバンクでは、LTEに対応した「Wi-Fi+Cellularモデル」と、各所ですでに販売中の「Wi-Fiモデル」を発売する。ショップでは、本体のほかにSoftBank SELECTIONのiPad miniのケースなども販売されている。



宮内氏

 セレモニーには、ソフトバンクモバイル代表取締役副社長でCOOの宮内謙氏が登場した。宮内氏は、セレモニー後に報道陣の囲み取材に応じ、新製品をアピールした。

 宮内氏は、iPad miniについて、「すごい手応えがある」と語った。しかし、iPad miniの初期入荷数は非常に少なく、ユーザーがすぐに購入できるようになるまでには時間がかかるという。宮内氏は「世界的にものすごく売れており、供給が追いつかない状況だと思う」「1~2カ月我慢していただいたらきちんと出せる」などと語った。

 また、iPad miniの魅力について、「大きさは小さいが画面は大きい。非常に考えられている」と語った。ただ、Androidのタブレットは価格の安いモデルなども登場している。宮内氏はこの点を「ユーザーインターフェイスはiPadの方が全然いい。あれぐらいの価格差であればiPadの方が市場シェアをとるのではないか」などと説明した。

 iPadシリーズは過去3年に渡り、国内の携帯電話事業者ではソフトバンクが独占状態で販売してきた。今冬のiPadとiPad miniよりauでも販売されることになり、より一層競争が激しくなりそうだ。ソフトバンクでは、3年におよぶiPadの販売ノウハウや、宮内氏が「11月に劇的に改善した」と語るLTEのネットワーク、下取りプログラム、料金プランなどでauよりも優位性があるとする。

 しかし、3年のノウハウが活かされることがなかったのが、契約方法や端末価格、料金といった販売に関する詳細発表だ。11月30日午前8時から販売が開始されたソフトバンクの「iPad mini」と第4世代「iPad」。その詳細発表は、11月29日の22時になされた。ただでさえ初期入荷数の少ないiPad miniだが、ユーザーが購入を検討し、納得いく形で契約に至るには、短い時間しか用意されなかった。なお、この点はKDDIも同様で、同社が詳細を発表したのも前日夕方だった。

 宮内氏に詳細発表が遅れた説明を求めると、同氏は「遅れたというより、元々アップル製品の発表は直前にやるのが通例。我々のプランはほぼ固まっていたが詳細をつめていた」と話した。

 情報革命をうたうソフトバンクは、各業界に参入する際、業界の慣習や常識を打ち破ることを訴えかけ、革命の旗印としている。iPad miniやiPadなどについても、ユーザーがしっかり購入の判断ができるよう、直前発表という「通例」の打破が期待されるところだ。

iPad miniとiPadiPad mini、LTE対応モデル
店頭にはWi-Fiモデルしか並んでおらず、担当者の端末を借りて撮影したiPad mini、LTE対応モデルにはSIMカードの挿入口がある
LTE対応ケース
SoftBank SELECTIONのアクセサリーが並ぶ。取材をしていると、契約を済ませたユーザーが保護フィルムを購入しにきた

 




(津田 啓夢)

2012/11/30 12:23