お掃除ロボ「COCOROBO」をスマホで遠隔操作、家電機器との連携も


COCOROBO RX-V100

 シャープは、ロボット家電「COCOROBO RX-V100」(ココロボ)向けのスマートフォンアプリ「COCOROBO SQUARE」に、家具や家電を遠隔操作できる「COCOROBOナビ」機能を追加し、12月13日より提供する。

COCOROBOナビ

 今年6月に発売された宅内お掃除ロボット「COCOROBO」は、スマートフォンでCOCOROBOの操作が行える。新たに追加される「COCOROBOナビ」機能では、家具や家電などのアイコンを図面上に置いて見取り図を作成する「間取りマップ」が作成でき、この見取り図を元に屋外から遠隔操作で「COCOROBO」が動かせるようになる。

 例えば、外出先から指定の場所を掃除したり、遠隔操作でペットのゲージまで近づいて、COCOROBO内蔵のカメラで様子を確認したりといった利用が可能。なお、COCOROBOの遠隔操作時に、「間取りマップ」に設定されていない障害物があった場合、アプリ側に目的の場所までたどり着けなかったことが通知される。

 「COCOROBOナビ」は、COCOROBO1台につき、1台のスマートフォンと連携できる。複数台をサポートしてしまうと、セキュリティ上、問題が起こる場合も考えられるため、当初は1対1でのペアリングのみとなっている。シャープでは、ユーザーの反応を見ながら対応を検討していく考えだ。なお、間取りデータはクラウドサーバー上に保存される。

 アプリはAndroid 2.3/4.0以降、もしくはiOS 5以降で動作する。アプリの利用料は無料で、Google PlayもしくはApp Storeからダウンロードできる。

COCOROBOナビ
リビングを模してデモンストレーション。スマートフォンで遠隔からCOCOROBOを操作し、宅内の空調を入れた

エアコンやテレビ、照明などを家電

 さらに、アプリの配信日に合わせて、別売の「家電コントローラー」も販売される。価格は1万5750円で、大型の家電量販店などで購入できる。

 「COCOROBO」本体にUSB接続でこの家電コントローラーを装着することで、赤外線通信を使って宅内のエアコンやテレビ、照明などが操作できるようになる。自宅に到着する前にエアコンを動作させて、あらかじめ部屋を暖めておくなど、さまざまな利用が期待できる。

 USB端子を搭載した「COCOROBO RX-V100」で利用可能。対応機器は当初はシャープ製の家電が中心となるが、他社製品についても順次対応を拡大していく計画だ。


家電コントローラー

COCOROBO

シャープの阪本氏

 白物家電事業は、シャープの中でも収益性の高い事業分野となっている。同社の調べによれば、ロボット掃除機の市場規模は2011年度17万9000台であったのに対し、2012年度は25万台、2013年度は37万5000台と堅調に推移しているという。

 シャープの担当者によれば、ロボット掃除機の主要なターゲットは、休日をしっかり余暇に充てたい忙しい共働き世帯や、1人住まいのシニア世代など。多くは2台目の掃除機として活用しているという。

 シャープでは、2012年にCOCOROBOでロボット掃除機市場に参入した音声やLED、スマートフォン連携といったコミュニケーション機能や、掃除機メーカーのノウハウを活かした吸じん力などを武器に製品をアピールしている。市場全体におけるシャープのシェアについては明らかにしていないが、米iRobotの「ルンバ」が多数を占めているものと見られる。

 シャープの健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長である阪本 実雄氏は、COCOROBOの2012年度の売上げ目標を70億円とした。COCOROBOシリーズの店頭価格が6万5000円~13万円程度であるため、平均価格から想像すれば年度内に7万台強の販売目標となる。単純計算で年間30万台程度、売上げベースで300億円の大台を達成できれば単独での事業部化もできるという。

 阪本氏は、COCOROBOの名前の由来を「心を持った家電」と話す。掃除機メーカーのこだわりが詰まった製品であるとし、他社製品への対応も進めていくとした。また、シャープのAV機器など、生活家電と情報家電の統合されたアプリなども今後検討していく方針とした。同氏は「COCOROBOは、スマートフォンのようにバージョンアップ、進化していく」と語った。

 このほか、シャープでは、従来のCOCOROBOよりも小型な「COCOROBO RX-V60」なども合わせて発表している。こちらは「家電コントローラー」などでの連携はできないが、小型でイスの脚の間なども通りやすい設計のもの。子供部屋など特定の部屋での用途のほか、忙しく働く1人住まいのビジネスパーソンなどへアピールしていくという。



 




(津田 啓夢)

2012/11/21 14:59