今週のケータイ Watchの読み方 (2012年11月2日)


新NexusシリーズとAndroid 4.2発表


 

 10月29日(現地時間)、Googleは海外で新しいNexusシリーズを発表した。注目のスマートフォンの名称は「Nexus 4」で、メーカーはLGエレクトロニクスに移行した。端末はクアッドコアのOptimus Gシリーズがベースになっているようだ。発表されたモデルは残念ながらLTEに対応していないが、今後のAndroid端末はクアッドコアがひとつの基準になると予想される。また、同時に発表された最新のAndroid 4.2を搭載し出荷される。すでに日本でも発売済みの「Nexus 7」は、32GBモデルが追加されるなど、Nexusシリーズのラインナップ全体もアップデートされた形だ。

 新しいNexusシリーズとして、10インチタブレット「Nexus 10」も発表された。こちらはサムスン電子製で、Wi-Fiモデルということもあってか、即日、日本からも注文できるようになった。Nexusシリーズはリードデバイス(お手本)という位置づけから、比較的ハイエンドに近いスペックで登場することが多いが、「Nexus 10」のディスプレイは10インチで2560×1600ドット、密度は300ppiと、これまでにない高精細なディスプレイを搭載している。進化を見据えてのハイスペックな仕様だと思われるが、今後の10インチクラスのタブレットの平均スペックを押し上げる起爆剤になりそうだ。

 Android 4.2については、Googleは「新しい味のJelly Bean」と表現。Android 4.1をベースに、カメラ、Miracast、Google Nowなどの拡充を図っている。加えて、マルチユーザーのモードが追加されており、これは同時に発表された10インチのタブレットと合わせて、家族での利用にも配慮した内容になっている。タブレット向けの取り組みはAndroid 3.0系で別れ、Android 4.0で統合された経緯があるが、スマホは個人で使い、タブレットは家族や複数人でも使いたいという、利用シーンの違いが明確になりつつあり、それを反映したものになっているようだ。


グーグルが「Nexus 4」「Nexus 10」発表、「Nexus 7」の32GB版も

Google、Android 4.2を発表

 


 

Windows Phone 8と端末が登場


 

 GoogleのNexusシリーズの発表と同じ29日、ハリケーンの直撃で発表会が延期されたニューヨークのGoogleとは対照的に、西海岸ではマイクロソフトが「Windows Phone 8」と対応端末を発表した。マイクロソフトはパソコン向けの「Windows 8」を全世界で発売したばかりで、日本でも大々的に展開している最中だが、スマートフォン用OSである「Windows Phone 8」については少しトーンが異なるようだ。「Windows Phone 7.5」搭載のスマートフォンは日本では1機種しか発売されなかったが、ドコモ、KDDIのトップからは期待する声が聞かれる一方、具体的な案内には慎重になっているのが残念なところだ。

 「Windows Phone 8」では、タイルのUIなど基本は「Windows Phone 7.5」の内容を継承しながら、ホーム画面により多くの情報を表示できるようにするなど、Androidのウィジェットに近いアプローチが強化されている。また、これらはパソコンの「Windows 8」のタッチ操作のUIでも積極的に取り入れられている考え方で、両社がより親和性を高めようと取り組んでいる様子が分かる。子供が安全に利用できる「Kid's Corner」機能を搭載するなど、奇しくもAndroid 4.2のマルチユーザー機能とある意味では共通する考え方のモードを搭載したのは興味深いところだ。


マイクロソフト、Windows Phone 8を発表

日本マイクロソフトとドコモ、法人向けタブレットで協力

 


 

UQの次世代WiMAXはTD-LTE互換に

 

 UQコミュニケーションズが31日に発表した次世代のWiMAXサービスの概要は、業界団体の策定した規格に則して、TD-LTEと互換性を確保した「WiMAX 2.1」を採用、サービス名は「WiMAX 2+(ワイマックス ツープラス、仮称)」を検討していることを明らかにした。導入時期は2013年度下期を見込む。

 これにより、モバイルWiMAXとして独自の通信方式や特徴を備えていたUQの通信方式は、日本ではWCPが提供する「AXGP」などと同じく、TD-LTE方式をエコシステムの中心に据えることになる。LTEには大きく分けて2つの方式があり、ドコモやKDDI、ソフトバンクモバイル本体が提供するLTEはFDD-LTEで、TD-LTEは中国を中心に採用が拡大している規格だ。LTE世代において、グローバルのレベルでは、通信方式でも収斂が始まったと考えられるかもしれない。


UQ、TD-LTE互換の「WiMAX 2.1」導入へ

 


 

ニューモデルの発表・新情報


ドコモの「Xperia AX SO-01E」予約開始、11月16日発売

au、11月2日発売のLTEスマートフォンを案内

京セラ製「DIGNO S KYL2」の部品破損、発売延期に

スマホのモバイルバッテリーになるPHS端末「ENERUS」発売

ウィルコム、防水&Bluetooth対応の「HONEY BEE 5」発売

ウィルコム、3GのWi-Fiテザリングに対応した法人向けPHS端末

ドコモ、防水対応のフィーチャーフォン「P-01E」を11月3日発売

NEC、10型タブレット「LifeTouch L」に新色


ドコモ、GALAXY S II LTE SC-03DをAndroid 4.0に

 




(太田 亮三)

2012/11/2 17:07