今週のケータイ Watchの読み方 (2012年10月19日)
auが冬モデル発表
3キャリアで最後となったKDDIが、冬モデルとして10機種のAndroid端末を発表した。Androidスマートフォン向けのLTEサービスを本格的に立ち上げるとあって、LTE部分のスペックや発売日など、大部分を揃えてきたことからも気合の入りようが窺える。一方、LTEを前面に打ち出すためか、フィーチャーフォンを同時に発表することは見送られたが、準備はされているようだ。
端末のラインナップは、800MHz帯を基本に、1.5GHz帯も使える形で「4G LTE」に対応。LTEを端末の設定でオフにできるのもNTTドコモとは異なる仕様だ。ドコモのようにNFCの決済サービスには言及されなかったが、NFC対応端末自体は増えている。本誌読者の間でも注目が集まったモデルは「HTC J butterfly」で、5インチのフルHD液晶は次世代を感じさせるデバイスだ。挟額縁で幅の増加は最低限に抑えられているものの、縦に長いと感じることはあるかもしれない。ともあれ一度は目にしてみたいモデルだ。また、INFOBARの最新モデルが春モデルにラインナップされることもサプライズで発表されている。
LTEのネットワークは、全国で800MHz帯が利用され、10MHz幅なので速度も最大75Mbpsと、現時点でかなり強力な内容だ。また、ピコセルやOptimized Handoverなど技術的な新しい試みも紹介され、品質重視の姿勢を具体的に示した。「勝てなくてもいい、地味な性格なので」と笑いを取ってみせる田中社長だが、プレゼンテーションの中では他社への対抗意識も垣間見え、技術屋としての信念が一連のネットワークの拡充方針に現れているようだ。
■au、2012年冬モデル10機種を発表
ソフトバンク、米スプリント・ネクステル買収を正式発表
先週末に表面化したソフトバンクによる米スプリント・ネクステルの買収は、今週月曜日に正式に発表された。約1兆5709億円という巨額の買収額に注目が集まったほか、資金繰りや買収方法の巧みな手腕は、ソフトバンクが企業買収でその規模を拡大してきた会社であることを改めて見せつけた。米国市場は、それぞれ契約数が1億件を超えるVerizonとAT&Tによる寡占化が進んでいるが、これを「チャンス」と言い切るのが孫社長らしいといえる。
KDDIの田中社長は17日の発表会で、1年ほど前から出資案件のリストに米スプリントが載っていたことを明らかにした上で、北米市場の寡占化はさらに進むと見ており、出資を見送っていたと語っている。また、設備投資のスケールメリットについても、業界や市場の動向を勘案し懐疑的な見方を示している。
もっとも、ソフトバンクの孫社長が、スプリントの5600万の契約者数を合計し、日本一のキャリア、世界第3位のキャリアと謳いあげたことからも分かるように、今回の買収が孫社長の夢を実現する大きな一歩になったことは間違いないだろう。統合の効果が現れるのはもう少し先になりそうとはいえ、日本のユーザーにとってのメリットが語られなかったのも、夢の前では“誤差”だったのかもしれない。
■ソフトバンク、米スプリント・ネクステル買収
ニューモデルの発表・新情報
■ドコモ、「Optimus G」を19日発売
■MS独自タブレット「Surface with Windows RT」、499ドルから
■ドコモのOptimus LTE、PRADA phone、Android 4.0に
■ドコモのMEDIAS ES N-05DがAndroid 4.0にバージョンアップ
2012/10/19 16:03