NICTがTVホワイトスペース対応の無線LANシステム開発、実験成功


 情報通信研究機構(NICT)は、無線LAN規格の暫定規格「IEEE802.11af Draft 2.0」に対応したアクセスポイントと端末を開発した。

 「IEEE802.11af Draft 2.0」は、標準化に向けて策定作業が行われている無線LAN技術「IEEE802.11af」の草案にあたるもの。NICTらタスクグループが技術提案を行っている。この規格はテレビ放送用周波数帯(470~710MHz)の空き領域、いわゆるTVホワイトスペースを利用している。

 NICTでは、「IEEE802.11af Draft 2.0」に準拠したアクセスポイントと対応端末を開発し、実証実験に成功したと発表した。テレビ放送用周波数帯において、放送に影響を与えない周波数を自動的に選択し、無線通信を実現したという。

 開発されたアクセスポイントと対応端末には、MAC(Media Access Control、メディアアクセス制御)が実装されている。また、端末間の干渉を防止し、通信品質の劣化を防ぐ「RLSS(Registered Location Secure Server)」が用いられている。

 「IEEE802.11af」は2014年度の策定完了を目指し、標準化活動が進められている。NICTでは、無線機の小型化や省電力化を検討するとともに、総務省のホワイトスペース推進会議の進展に合わせて、「IEEE802.11af」の仕様変更も提案していく方針。今回の実証実験のシステムは、10月17日・18日に開催される会合「Wi-Fi Alliance Member Face-to-Face Meeting」で発表される予定。

 




(津田 啓夢)

2012/10/16 15:31