ドコモ、モバキャス対応スマホ「AQUOS PHONE SH-06D」


AQUOS PHONE SH-06D(Magenta Red)

 NTTドコモは、携帯向けマルチメディア放送「モバキャス」に対応し、モバキャスで番組を提供する放送局「NOTTV(ノッティーヴィー)」が利用できるシャープ製Androidスマートフォン「AQUOS PHONE SH-06D」を開発した。3月に発売される予定。割引適用後の実質価格は3万円台前半になる見込み。

 「AQUOS PHONE SH-06D」は、NEXTシリーズの1つに位置付けられるAndroid 2.3搭載スマートフォン。冬モデルの「SH-01D」をベースにしており、多くは「SH-01D」と同等となるが、モバキャス対応のほか、カメラの画素数やボディサイズ、CPUクロック、内蔵メモリなどで違いがある。たとえば「SH-01D」のカメラは1210万画素だが、SH-06Dは800万画素となる。ボディサイズについては、1.9mm厚くなり、7g重くなったが、これはモバキャス対応のため。またCPUクロック数も向上し、内蔵ROMも倍増した。

 プリセットアプリなどは、モバキャス関連を除けば、「SH-01D」と同等となる。Wi-Fi経由で、シャープのテレビ「AQUOS」で「SH-06D」の写真・動画を再生したり、ブルーレイレコーダー「AQUOSブルーレイ」で録画した番組を「SH-06D」で楽しんだりできる。


Magenta RedMagenta Red

 約4.5インチ、720×1280ドット、1677万色表示のNewモバイルASV液晶ディスプレイや約800万画素CMOSカメラを装備する。チップセットはOMAP4460で、CPUは1.2GHz駆動のデュアルコアプロセッサとなる。ROMは8GBで、そのうちユーザー領域は2.7GB。RAMは1GBとなる。最大32GBまでのmicroSDHCカードが利用でき、パッケージには16GBのmicroSDHCカードが同梱される。

 周囲の明るさにあわせてディスプレイを見やすくする「アウトドアビュー」、周囲からの覗き見を防止する「カラーベールビュー」といった機能が用意されている。

Blue BlackBlue Black
WhiteWhite

 主な対応サービス・機能は、spモードメール、モバキャス/ワンセグ、おサイフケータイ、エリアメール(緊急地震速報、災害・避難情報)、防水・防塵(IPX5、IPX7、IP5X)、Wi-Fi/Wi-Fiテザリング(最大5台)、Bluetooth 3.0+EDRなど。Android 4.0へバージョンアップするかどうか、現時点では決まっていない。LTE方式の「Xi」(クロッシィ)や、遠隔で利用方法を教えてもらえる「スマートフォンあんしん遠隔サポート」、おくだけ充電は非対応となる。また「おまかせロック」は今後、準備が整い次第、利用できるようになる。このほか、DLNA(DTCP-IP)対応だが、この機能を使ってモバキャスを外部機器に出力することはできない。

 大きさは約128×66×11.8mm、重さは約145g。バッテリーは1520mAhで、連続待受時間は約420時間、連続通話時間は約300分(どちらも3G)、モバキャスの連続視聴時間は約190分となる。シャープの省電力機能「エコ技」を搭載し、液晶バックライトの制御、ユーザーが意図しないアプリの通信の制御などを行って駆動時間を長くする。ボディカラーはMagenta Red、Blue Black、White。

モバキャス対応、充電台にアンテナ

 NOTTVではリアルタイム放送は録画できず、タイムシフト放送(蓄積型コンテンツ)は外部メモリカードへ保存される仕組み。またFOMAカード(SIMカード)を外すと、NOTTVは視聴できない。機種変更時も、FOMAカードの顧客情報を元にした、NOTTVのIDが必要となり、機種変更後の端末で同じFOMAカードを装着していれば視聴できる。

 本体に備わる伸縮型のロッドアンテナでワンセグ、NOTTVを受信する。同梱の充電台にも伸縮型アンテナが用意されている。このアンテナは、同時発表の「MEDIAS TAB N-06D」の充電台にはないもので、屋内の奥まった場所などでの受信感度を向上させるべく用意された。開発途中の調整により、「SH-06D」本体に備わるアンテナでも十分受信はできるようになったが、より安定した視聴が可能ということで、「SH-06D」の充電台にアンテナを付けて発売されることになったという。

 充電台装着時には、「チャージングメニュー」「スライドショー(静止画)」「スライドショー(動画)」のいずれかを表示するよう設定できる。スライドショーは、ユーザーが選んだフォルダ内のコンテンツを自動再生し、「SH-06D」をデジタルフォトフレームのように使える。「チャージングメニュー」とは、充電台に装着した際に選べる横長表示のメニューで、NOTTVやYouTube、ワンセグなどのアイコンが表示され、コンテンツビューワーとして使いやすいメニューとなる。ホームアプリを好みのものに切り替えても、「チャージングメニュー」は変更されず、そのまま利用できる。

 視聴アプリは、同時発表の「MEDIAS TAB N-06D」が画面サイズにあわせ、横長表示時には左右に画面を分割して、左にチャンネルと蓄積されたコンテンツの一覧、右に放送画面とデータ放送部分と表示されるのに対し、「AQUOS PHONE SH-06D」はワンセグの視聴画面に近く、端末を横にすると番組をフル画面で、縦にするとデータ放送と番組の表示といった形で楽しめる。また「SH-06D」では、NOTTVの3D番組を裸眼で楽しめる。

 会場で展示された端末には、「NOTTV」のウィジェットが用意されており、こちらをタップすると、ニュースチャンネルへ切り替わるようになっている。また視聴中にホームアプリを押して、アプリがバックグラウンドに切り替わると、自動的にサスペンドしてバッテリー消費を防ぐ。これは同時発表の「MEDIAS TAB N-06D」でも同様とのこと。

 Bluetooth対応だが、モバキャスの音声もBluetooth経由で聞ける。仕組みとしては、モバキャスの番組側がBluetoothでの音声再生をサポートしない、ということも可能となっている。

 




(関口 聖)

2012/2/16 14:53