ドコモ、フレパーとのMVNO協議を終了


 NTTドコモは、4月より協議を進めていた、フレパー・ネットワークスとのMVNOに関する検討を終了すると発表した。

10月に開催された展示会「CEATEC JAPAN 2009」のフレパーブース。一般には非公開で、招待者のみ入場可能だった

 

 フレパー・ネットワークスでは、2009年4月10日、MVNO(仮想移動体通信事業者、他社ネットワークを借り受けてサービスを提供する事業者)による通信サービスを展開すべく、ドコモと検討開始に向けた基本合意書を締結していた。しかし、11月27日に、消費者庁が業務停止命令を下したビズ・インターナショナルで、「違法な営業活動を行う上で重要な役割を果たしていた関連企業」と断定されたことから、経営判断によりフレパーとの協議を終了すると決定、30日付けでフレパーへ通知した。

 27日の消費者庁の発表によれば、ビズ・インターナショナルは特定商取引法違反で、連鎖販売取引の新規勧誘、申込受付、契約締結を6カ月停止するよう命令されている。ビズが提供する仮想空間サービスでは「Windows XP以上のパソコンであればどれでも利用できる」「10万人揃えば必ず儲かる」などと案内しており、不実告知、断定的判断の提供といった点が違反行為と認定された。フレパーは、同サービスのシステム開発を手掛けていたことなどから、「ビズの連鎖販売取引の業務を遂行する上で重要な役割を果たしていた」とされている。

 ドコモでは「消費者庁の発表でも明らかになっているが、システム提供に加え、ビズ社の会合にもフレパー社の代表が出席して発言をしていた。これらの点を踏まえ、このような判断をした。今回は通知したという発表で、先方の反応は(広報部では)把握していない」と説明する。

 通常、ドコモではMVNOに関する動向については非公表の方針を掲げているが、今回、協議終了の通知を行ったことを明らかにした。この点「通常、MVNOの協議に関しては公表していないが、社会的な影響を踏まえ、明らかにすることにした」としている。

 なお、フレパー・ネットワークスでは「担当者不在」としており、コメントは得られていない。

 



(関口 聖)

2009/11/30 19:06