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格安スマホ/格安SIMの顧客満足度、「mineo」と「DMM mobile」が1位を獲得

J.D.パワー 調査

 J.D.パワー アジア・パシフィックは、格安スマートフォン/格安SIMのユーザーを対象にした顧客満足度調査の結果を発表した。

 J.D.パワーが「格安スマホ」に対する顧客満足度調査を行うのは、今回が初めて。MVNOや大手キャリアのサブブランドのうち一定のシェアを満たしているモバイル通信サービスを対象として、「格安スマートフォンサービス」部門と「格安SIMカードサービス」部門でそれぞれ4000人のユーザーの回答を元に各サービスの満足度を評価している。

 「格安スマートフォンサービス」部門では、「mineo」が総合満足度で1位を獲得した。「格安SIMカードサービス」部門では、「DMM mobile」が1位となった。調査では、「各種費用」「通信品質」「サービスメニュー」「手続き・サポート対応」という4つの要素を総合から1000ポイント満点のスコアを算出して比較している。

「格安スマートフォンサービス」部門

 通信サービスとスマートフォンをセットで提供する「格安スマートフォンサービス」部門では、7サービスが対象となった。総合満足度で1位となったケイ・オプティコムの「mineo」は622ポイントを獲得。mineoは「手続き・サポート対応」で7社中もっとも高い評価を得たほか、4つの要素すべてで平均以上の評価を獲得している。

 2位はUQ mobile(618ポイント)で「通信品質」において最高点を獲得。3位のFREETEL(615ポイント)は「各種費用」の要素でトップスコアとなっている。平均スコアは593ポイントだった。

「格安SIMカードサービス」部門

 SIMカード単体で提供するサービスが対象とした「格安SIMカードサービス」部門は、10サービスが評価された。総合満足度で1位となったのは、「DMM mobile」で652ポイントを獲得した。

 DMM mobileは「各種費用」でトップ評価を獲得したほか、「手続き・サポート対応」も平均を大きく上回るスコアとなっているという。2位はmineo(647ポイント)で、3位はUQ mobile(641ポイント)となった。

費用面では高評価、自分にあったデータプランに見直す動きも

 J.D.パワーは、格安スマホ、格安SIMサービスの顧客満足度は「総じて高い」と総評。総合満足度では6割以上のユーザーが「良くなった」と評価。特に費用面では7割以上の満足度となっているという。

 たとえば、大手キャリアでスマートフォンを分割購入していたユーザーでは、格安スマホに切り替えたことで「毎月3000円以上の支払いが減った」と回答している。また、大手キャリアではフィーチャーフォンを利用していたユーザーが、SIMカードの単体購入者では3割を占め、スマートフォンセット購入者では約半数にのぼった。J.D.パワー は、スマートフォンを使ってみたいが、費用が増えるため踏みとどまっていたユーザーを格安スマホサービスが取り込んでいるようだと考察している。

 また大手キャリアから切り替えたスマホ/SIMサービスのユーザーの特徴として、「契約容量の見直し」を積極的に行っている傾向があるという。大手キャリアでは1GB~3GBの小容量プランを使っていたユーザーのうち半数は、格安スマホでは1~2GBほど契約容量を減少させている一方、大手キャリアで5GB以上のプランを契約していたユーザーの大部分が格安スマホに切り替える際に容量を落としたプランを契約しており、自分にあったデータプランに見直すことが高いコスト満足度につながっている分析している。

通信品質やサポート対応に課題

 一方で、格安SIMに切り替えたことで「悪くなった」という回答が多かったのは、「通信品質」と「手続き・サポート対応」という2要素。通信品質ではユーザーの2割程度が悪くなったと答えている。格安SIMではお昼休みの12時~13時や、17時~21時の夕方から夜間にかけて、特に速度が落ちる傾向にあり、ユーザーの要望でも通信品質の改善を望む声がもっとも多かったという。

 手続き・サポート対応では、特にシニア層が「悪くなった」という回答が多かったという。シニア層はスマートフォンを同時購入する傾向が強く、サポートが必要とされるユーザーが多いとみられる。今後、大手キャリアを再検討したいと答えたユーザーは、格安スマホ/SIMサービス全体では1割程度にとどまったのに対し、サポートに不満があるユーザーでは2割まで増える傾向があった。