ニュース

840億円のユーザー還元でも増収増益、ドコモの2016年度決算

DAZNは45万契約、MVNO比率は10%に

ドコモの吉澤社長

 NTTドコモは2016年度の業績を発表した。営業収益は4兆5846億円(前年度比1.3%増)、営業利益は9447億円(同20.7%増)となり、増収増益を果たした。

 この業績には、840億円相当のユーザーへの還元が含まれるという。ここで言う還元とは、新たに導入された割引サービスや料金プランの改訂など。2016年度には、シェアパック5の導入、カケホーダイライトの適用範囲の拡大、ずっとドコモ割、更新ありがとうポイント、子育て応援プログラム、ウルトラパックの導入、はじめてスマホ割といった施策が含まれる。なお、それぞれの施策での還元額は明らかにされていない。

 契約数は過去1年で約400万件(6%)の増加となり、7488万件に達した。スマートフォン、タブレットの利用数は3586万件(前年度比9%増)で、解約率は前年同期の0.62%→0.59%へと減少した。回線数のうち、MVNOが占める割合は約10%。NTTドコモの吉澤和弘社長は、国民生活センターからMVNO関連の相談件数が急増したことや、通信速度の表記などで消費者庁から指導を受けるなど、MVNOに逆風が吹いているのでは、という指摘に対して、かつては大手3キャリアもそれぞれ自社がトップといった表記を用いて指導されたことを振り返り、「そうしたものは客観的にやっていくべき」とコメント。MVNO事業者は連携するパートナーとの認識をあらためて示した。

 通話定額とパケットシェアの「カケホーダイ&パケあえる」の契約数は1.2倍の3707万件。ドコモ光は340万件(前年度比2.2倍)。

 Jリーグの試合を楽しめる動画サービス「DAZN for docomo」の契約数は約45万件に達した。吉澤社長は、Jリーグの開幕により、順調に加入者を獲得できたと分析する。

 クレジットカード「dカード」のうち「dカードGOLD」は4月25日付けで約250万契約に達した。

 このほか、約1年前に総務省のガイドラインによる影響を受けた端末販売について、吉澤社長は「第1四半期、第2四半期は落ち込んだが、第3四半期以降、機種変更などの取り換え需要は旺盛だった」と解説し、2016年度の端末販売において、総務省のガイドラインの影響は軽微だったと総括。2017年度の計画でも、スマートフォン、タブレットの販売数は1560万台(2016年度の実績は1502万台、2015年度は1544万台)と、2015年度の実績を上回る計画を立てている。