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auポイントで「サッカー日本代表」とほぼ同じ体験、auがギフトサービス

 KDDIと沖縄セルラーは、auユーザー向け会員制プログラム「au STAR」で、新たにポイント交換サイト「ギフトセレクション」を11月29日より提供する。

 「ギフトセレクション」は、au STARの会員が、貯めたポイントでさまざまな家電や、体験ツアーと交換できるサイト。au STARでは物品などと交換できるサービスが既に提供されているが、「ギフトセレクション」は「1ポイント1円以上の価値で交換できる」というコンセプトを掲げ、より貴重な体験、景品を用意する。たとえば一般に1万5000円で販売されている商品を、1万ポイントで交換できる、といった形になる。

目玉は「au Dream Program」

 交換できるものとして、目玉となるのは「サッカー日本代表」関連の体験ツアー。1万ポイントで抽選に応募できる「サッカー日本代表の一日体験ツアー」は、親子ペアで参加できるもので、ピッチ入場や試合後のインタビューなど、サッカー日本代表の1日と同じような体験を味わえる。

 この体験ツアーは会場が首都圏のサッカースタジアムとされているが、開催日程が日本代表の試合と同日になるのかどうかなど、詳細は別途案内される。またハリルホジッチ日本代表監督のサイン入りサッカーボール(5000ポイント)や、ロシア大会のアジア最終予選観戦ペアチケット(1万ポイント)も当選者にプレゼントされる。

 auの人気CM「三太郎」にちなみ、各キャラクターのアイテム(5000ポイント)や、お祝いメッセージ(5000ポイント)もラインアップ。こちらもサッカー日本代表と同じく、抽選での受付となる。

 サッカー日本代表や「三太郎」に関するものは「au Dream Program」というサービスに位置付けられ、auだからこそ実現できる体験、価値を提供するもの、とされている。

市価の7割弱でポイント交換

 auが厳選したドライヤーや高圧洗浄機、ドローン、ホームベーカリーなどと交換することもできる。21日時点でポイントの交換レートが明らかにされているのはケルヒャーの「窓用バキュームクリーナー WV75 plus」の1つだけ。メーカー希望小売価格が約1万円だが、「ギフトセレクション」では6000ポイント(6000円相当)で交換可能だという。

 KDDIでは「1万5000円相当のものを1万ポイントで交換できる」としており、約33%の割引率になるよう。ただ、先述の「窓用バキュームクリーナー WV75 plus」を検索してみると21日時点では、通販サイトでの価格は7500円~8000円程度で販売しているところもそれなりにあり、市価と比べた場合の割引率は品によって違いがありそう。

 とはいえ、市価よりも割安な“価格”で提供されるのは、KDDI側がある程度のボリュームで調達することによって卸値を下げたことと、KDDI自身が「au STAR」をauユーザー向けの還元サービスと位置付けて割引額の一部をKDDIが負担していることで実現しているという。

au、これからはポイント還元に注力

 8月に始まった「au STAR」は、長期契約者向けのサービス。auショップを利用する際、相談窓口を事前に予約できる「au STARパスポート」、三太郎グッズや世界データ定額24時間分、誰でも割更新時の3000ポイント分のギフト券をプレゼントする「au STARギフト」、長期契約のユーザーほど還元率が高くなる「au STARロイヤル」という3本柱で構成されてきた。au STARやau WALLETカードなどで貯まったポイントで、さらにおトク感を提供するために用意されるのが、今回の「ギフトセレクション」という位置づけになる。

水野氏

 KDDIコンシューママーケティング2部の水野香氏によれば、au STAR会員は11月20日付けで500万会員を突破。auの通信料金だけではなく、保険サービスやローン、クレジットカードなどを利用することでポイントが貯まるとアピールし、ギフトセレクションでは「1ポイント1円以上の価値で交換できる」と意気込む。

 その一方で、報道陣から多く挙がった声は「au WALLETポイントは貯まりづらいのでは?」というもの。競合他社と比べ、ポイントを貯められる主な手段がauのサービス利用時とクローズドな環境であることや、その還元率がユーザーからすると、おトク感を感じにくい割合であることが影響しているよう。こうした点は、KDDI側も課題と認識しており、「まずはギフトセレクションのサイトなどを通じてコミュニケーションしていきたい。貯まる率が悪いのではなく、見せ方の工夫が足りていないという認識」(水野氏)と説明する。

 ただ、ポイントを中心とした還元は、今後、auによっては大きな取り組みになる。11月1日の決算会見で、田中孝司KDDI社長は「『au STAR』などを通じて、既存ユーザーへの還元を増やしていく」とコメント(※関連記事)している。実際に、au STARロイヤルなどを通じた長期契約者へのポイント還元額は、「2016年度下期が100億円程度、来期(通期)は数百億円規模」(KDDIコンシューママーケティング2部部長の多田一国氏)とのことで、還元に注力していく方針。ポイントの獲得方法の拡大について多田氏は「まずは(KDDI自身が負担する)身銭を切ってでも濃くポイントを付けていけるところとしてまず自社のところから確保した」としており、他社のポイントサービスとの交換などを含めた展開は検討中とした。

左からKDDIコンシューママーケティング2部の多田氏、水野氏、コンシューママーケティング1部の渡辺和幸氏
グーグルとともに脱出ゲームを開催し、au STAR会員を招待