【Mobile World Congress 2012】
Googleのロックハイマー氏が語る、Androidとセキュリティ
Google Android エンジニアリング担当副社長のHiroshi Lockheimer氏 |
Googleは、「Mobile World Congress 2012」の会場内にて、Androidのセキュリティを中心に、記者からの質問に答えるラウンドテーブルを開催した。
会談に応じた、Android エンジニアリング担当副社長のHiroshi Lockheimer氏は、2月上旬に同社のブログに投稿され、表明されたような、セキュリティの強化や対策に触れ、Androidマーケットにおけるチェック体制については、サーバー側、端末側、そして開発者登録側という3つの要素で実施していることを改めて解説した。
特に、データをホストするサーバー側で、ウイルスやマルウェア、不審な挙動のアプリを確認する体制については、クラウド上でアプリを実行し確認を行うなど体制を強化。実際に、マルウェアの疑いがあるアプリのダウンロード数は減少傾向にあるとする。加えて、Androidにはサンドボックスと呼ばれる仕組みが導入されているため、アプリが求める「許可」の種類は、インストール前に確認できるようになっている。
しかし、例えば見慣れてしまって確認が面倒になったり、表示される内容が分かりにくかったりすれば、ユーザー自身の事前チェックという仕組みは形骸化する懸念もある。同氏は「見せ方は、工夫の余地はある」と認めており、今後の改善が期待される部分となっている。
Androidマーケットは、さまざまな面で、AppleがiOS向けに提供するApp Storeと比較されることが多い。Lockheimer氏は、Appleのアプリのチェック体制について、「何をしているのか、分からない」と指摘し、「オープンなほうが、よりユーザーに自由な選択肢がある」と語った。
セキュリティ関連の話題からは少し外れるものの、データ通信のトラフィックを抑えるような仕組みにも質問が及んだ。Lockheimer氏は、「多くのユーザーにとって、フィーチャーフォンからスマートフォンに変えるというのは、データ通信(を多く使うようなサービス)を使いたいから。スマートフォンが売れると、データ通信が増えるのは当たり前」と必然的な流れであるとする一方、「データ通信を効率化するのは我々の責任だが、キャリアから言われたから行うのではなく、電池の持続時間にも影響する問題でもあり、2008年からは継続的に効率化を行なってきた」と、継続して取り組んでいく課題としている。
(太田 亮三)
2012/2/29 11:34