本日の一品

太字愛好者は要チェック! OHTO社の極太ボールペン「筆ボール」

 米国内のホテルなら、ほとんどの場合、ホテルのロゴが入ったBIC社のボールペンがベッドサイドのテーブルに備品として用意されている。そんな何の変哲もないBICボールペンから筆記具の世界にのめり込んだ筆者は、今だに太字クッキリ、粘くてヌラヌラした書き味の筆記具が大好きだ。

 スケジュール管理やThings To Do、備忘録などはスマートフォンと連携するクラウド系のアプリに100%移行してしまったので、細かな文字でシステム手帳に予定を書き込むことはなくなった。詳細な議事録を書くこともめったにない。そのため、昨今は芯先が1.0mm未満の筆記具はまったく使う機会がなくなった。

 現在、メモ用紙やペンなどの筆記具を使う目的は、突然思いついたアイディアや、企画などのイメージを絵や図でスペースや配置、罫線を気にせず、自由に描くことが目的の大半だ。なので、ペンは、メモ用紙の表面とペン先の引っ掛かりがなく、スムースにどんどん溢れ出るインクで書き込めることが必須条件となった。

 現在愛用のボールペンは、uni Laknock、MILANのGEL Touch、uni JETSTREAM、SCHNEIDER社のslider memoなどのいずれもボールの直径が1.0mm~1.4mmの太字や極太ボールペンだ。

 そんな筆者のボールド(太字)ボールペンの新しい仲間に、拍手喝采で迎え入れたのが、ボールペンの老舗であるオート社が開発、販売する「筆ボール」の黒と赤の2種類のボールペンだ。

売り切れ続出の筆ボールをネットで見つけて10本ほど大人買い
赤と黒のラインナップだが、筆ペンからは出てこない発想の青が欲しい!

 パッケージの袋には“「筆ペン」の様な「ボールペン」”と記載のある通り、主たる市場はセーラー万年筆社が1972年に開発した筆のように本物の毛を使用した「筆ペン」と同じ効果を発揮できるボールペンという位置づけらしい。

 やはり、筆記具のビジネス的には、今だに宛名書きや祝儀袋を書く使用形態はメジャーなのだろう。20年近く前から年賀状がパソコンの世界に移ってから、年に何回も宛名書きや祝儀袋を書く機会のない筆者は、消費系の筆ボールを単なる思いつきやアイディア、それに付随するスケジュールやイラストだけを描くためだけに使っている。

 思考にストップをかけないなめらかな書き味は、“机上の空論的アイディア”や“獲らぬ狸の皮算用的ビジネスモデル”を画策、記述するにはピッタリの筆記具だ。なのに「筆ボール」という限定的な使命感のあるネーミングは極めて残念だ。SNS時代の昨今は、従来にもまして、商品はネーミングやタグ付けで大きくイメージが変化する。

 “宛名書き、祝儀袋に、筆ペンの様なボールペン”という商品コピーは、他社が構築した既成の市場に紛れ込もうとするちょっと引いた販売部門の弱気が見え隠れするように感じてしまう。素晴らしい開発力とアイディア、長い伝統を引き継ぐオート社には、「極太イコール筆」ではなく、画期的な新商品ならではの先進的な市場参入スタイルや商品コピーを見せてほしい。

1.5mm径のボールはマクロ撮影すると本当にボールが見える
筆者はまず使うことのない0.38径のフリクションボール(左)との差は強烈だ
愛用の太字ペンをいろいろ比べてみた。筆ボールのスムースさは群を抜く快適さだ
スペースや行を気にすることなく自由気ままに描くには極太スムースな筆記具がベスト
製品名購入場所購入価格
筆ボール文喜堂(楽天内)157円

ゼロ・ハリ