コストパフォーマンスと軽さが魅力のカメラ用三脚


高さは52cmから131.5cmまで対応。約970gという軽さと低価格が魅力の製品だ

 今回紹介するのはスチルカメラ、ビデオカメラ両対応の三脚だ。老舗ブランド「SLIK」のエントリーモデル「F153」である。縮めてたたんだときの全長は53cmと標準的なサイズではあるが、1kgを切る軽さが魅力。低価格ながらクイックシュー付きの3ウェイ雲台、クランク式エレベーター、ステーロック、水準器など、一通りの機能が揃う、コストパフォーマンスに優れた製品である。

 脚部はシャンパンゴールドの軽金属製。内側が丸みを帯びた角形パイプだ。レバーロック式で3段階、最大1m程度まで引き伸ばすことができる。ステイロック付きなので、脚を開ききらない状態で固定することも可能だ。最大搭載質量は1.5kgで、脚の太さからいっても妥当な数字だろう。筆者個人としては、搭載するカメラは最大1kg前後に抑えるのが良さそうだと感じた。大口径レンズや大型カメラを載せるには頼りないが、コンパクトカメラや小型一眼カメラには十分な強度と安定性である。

 水準器は、脚の根本にある。液体の中に浮かんだ気泡の位置で水平を測る方式だ。窓の直径が1cmと小さく、精度は目安程度とのことだが、ファインダーやモニターから目を離し、そのまま下方を見れば確認できるので意外に利用価値が高い。

 水準器の近くにはハンドルがある。これは三本の脚とは別に、高さを調整できるエレベーターを上下させるもの。安価な製品では搭載されていない場合があるが、近距離で小物を撮影することが多い筆者には必須ともいえる。「F153」のエレベーターは樹脂製パーツを多く採用しているようだが、動作は滑らかで不満のないレベルだ。

 実をいうと、この「F153」は安価なこともあり、ほとんど何も考えずに購入した。以前から使用している三脚が故障したため、修理から戻るまでの間に合わせとしてである。ところが思いのほか使い勝手がよい。確かにコスト優先の作りで質感が高いとはいえないのだが、機能が充実している上、三脚本体が約1kgという軽さは徒歩や自転車での移動でも大きな負担にならないのだ。なんだかとても得をした気分である。三脚撮影の入門用として、あるいは予備として、お勧めできる製品ではないだろうか。


脚部の根本に水準器を搭載。黄緑色の窓の中に浮かぶ気泡で水平を確認できるクランク式エレベーター。ハンドルを回すことでカメラの位置を上下させることができる。可動範囲は約27cm
3本の脚を補強するステー。黒いリングを締め込むことで、好みの位置に固定できる。足場の悪い場所で便利な機能だ横方向に動かすパン、縦方向に動かすチルトのほか、カメラを90度倒すことができる3ウェイ雲台
DIN規格のクイックシューを採用。あらかじめカメラに台座を取り付けておけばワンタッチで着脱できるブランドロゴ入りのキャリングバッグが付属。ストラップが長めなので肩にかけることができる

 

製品名製造元購入価格
F153SLIK1573円

 

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(サイトウシゲキ)

2012/2/9 06:00