“魔法の杖”で家電を操作! 学習リモコン「カイミラ」


魔法の杖型学習リモコン「カイミラ」。本体は樹脂製

 先日劇場公開された「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」をもって、ついに映画「ハリー・ポッター」シリーズが完結した。劇中のホグワーツ魔法学園やファンタジーなギミックの数々は、見事に原作を、いや皆の心の中にあるであろう「もし、魔法が実際にあったなら」という願望を鮮やかに再現していたように思う。第一作が公開された時点で、すでにいい歳だった筆者でさえ夢中になったほどだ。

 今回紹介する製品は、きっとそんな風に、いい歳であるにも関わらずハリー・ポッターに夢中になってしまう少年・少女の心を持った大人が作ったに違いない、魔法の杖型学習リモコン「カイミラ」である。

 予備知識なくカイミラを初めて見た人は、「なんだオモチャか」と思うことだろう。ある意味それは正しい認識だ。本体にボタンの類は一切なく、振ると、内蔵されたバイブレーターが作動して震える。そうやって遊ぶ限りはオモチャにもなり得る。だが持ち主と杖本体が正しい使い方を学習したとき、この杖は「魔法の杖」となるのだ。

 前述の通り、カイミラは要するに「学習リモコン」である。ただし、操作はすべて杖のジェスチャーで行う。杖をひねる、突き出す、左右に振る、先端を回す、上げる、下げるなど、ジェスチャーは全部で13種類。学習時は、各ジェスチャーを行った後、先端にある赤外線ユニットとテレビのリモコンなどを付き合わせてリモコンの信号を記録させれば、杖を振って家電製品を操作する夢の生活が! ……と、そう簡単に魔法使いになれるならハリー・ポッターも苦労しないのである。

 はっきり言ってしまうと、カイミラを使いこなすためには、相当の努力が必要だ。筆者がなんとか操作できたのは、テレビのチャンネル送りと電源のON/OFFに割り当てた「左右フリック」のジェスチャーと、「大きく振り下ろす」くらいで、そのほかのジェスチャーはついぞ100%再現できなかった。振ってテレビがついたり消えたりするのは確かに愉快な体験ではあったものの、期待していたような万能感を感じるには至らず、少々残念である。

 もっとも、これは筆者の練習不足によるところが大きいのだろう。カイミラの説明書の冒頭にもこう書かれている。「一人前の魔法使いや魔女になるためには、使い方を練習しなければいけません」と。そのために、カイミラには「練習モード」がわざわざ用意されているくらいなのだ。

 仕方がないので、筆者はカイミラを元々入っていた収納ケースにしまい、大事に保管することにした。いつか我が子が成長して「ハリー・ポッター」シリーズを見た時にこそ、この杖の封印を解き、魔法の杖を継承させるのだ。きっとこの手の道具は、子供のほうが夢中になって練習し、あっという間に習得してしまうに違いない。なるほどそう考えると、魔法使いになるためには年若いころからの修行が必要なのだなと、ホグワーツ魔法学園日本分校の必要性を感じる今日この頃である。

雰囲気たっぷりの収納ケース単四電池を2本使用。柄の部分が電池ケースになっている
家電のリモコンと付き合わせて、機能を学習させる。13種類まで登録可能箱書きにあったコピー「2009年以降、世界でもっとも魔力の強い杖を作るメーカー」に痺れた
残念ながら筆者はカイミラを使いこなすに至らなかった。魔法使いへの道は厳しい

 

製品名製造元購入価格
KYMERA(カイミラ)The Wand Company6980円

 




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2011/8/12 06:00