シックでレトロなブックマークにこだわる


筆者が購入したセルロイドのブックマーク(しおり)。最近筆者は「指かけ付きの散髪鋏」を愛用している

 筆者は長い間、日本人は“ブックマーク(しおり)”に無頓着な人種であると思っていたのだが、最近は国内の文具店やインテリアショップなどでいろいろな種類のブックマークを販売していることが多くなっている。

 「しおり」というと、書籍にはじめから付いている、長さ十数cmの紐状のものが一般的だ。しかし、ほとんどの新書にはブックマークはなく、文庫本でも、筆者宅の本棚を見た限り、数冊に1冊くらいしか紐状のしおりは付いていない。

 紐状のしおりを取り付けることはコストアップにつながるため、当然と言えば当然だろう。一方で、躊躇なしにページの一部を目印にするために折り曲げることのできる人はそれほど多くはなく、その結果、書籍の購入者は必ず何らかのブックマーク的なものを使うことになる。

 そこには、広告モデルが成立する要素があり、多くの書店では、手提げのビニール袋、紙のブックカバー、しおりが企業広告の重要な3つの媒体となっている。このうち、ブックカバーとしおりは、パーソナリティやその人のセンスのバロメーターとなることも多い。

 そのために、ブックカバーとしおりについては、パーソナライゼーション市場の商品としてマイナーではあるがいくつかの企業が参入、なかなか面白い展開をしている。こだわりさえ捨てれば、しおりは専用のものである必要はなく、コンビニのレシートから名刺サイズのカレンダー、彼女の写真、紙幣、航空会社のラゲッジタグ、お寺の拝観券の半券など、適当なサイズであまり分厚くない、紙や薄いシート状の物体であれば何でも代替可能だ。

 本日ご紹介するブックマークは、ふだん読んでいる書籍よりも高いかもしれないこだわりのしおり――ブックマークだ。懐かしいべっこう柄のセルロイド製で、サイズ的にも小ぶりで薄い。軽量で、文庫本や新書サイズ本には最適のサイズだ。お約束のリボンもキチンと付属している。

 筆者の購入したものは、老眼鏡タイプと、ちょっとクラシックな“指かけ”付きの散髪バサミタイプの2種類だ。いずれも、マークする対象の本と、持ち主の両方を選びそうな取っつきにくさが新鮮な一品だ。

こだわりを捨てれば、しおりの代用となるものはたくさんある考えようによってはレシートだってブックマークの機能は100%果たしてくれる
自作のワシントンの枯れ葉パウチも、世界で1つの立派なブックマークだセルロイド製のレトロなブックマークはヌメ革のブックカバーとピッタリだ

商品名実売価格購入場所
セルロイド製ブックマーク(しおり)各1050円デルフォニックス 新丸ビル店

(ゼロ・ハリ)

2010/4/8 06:00