スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
アップルの「新Magic系周辺機器」×3機種
(2015/11/9 06:00)
アップルの「新Magic系周辺機器」×3機種
2015年10月13日、4K/21.5インチのiMacなどとともに登場したアップルの「新Magic系周辺機器」×3機種。それぞれ、「Magic Keyboard」「Magic Trackpad 2」「Magic Mouse 2」で、どれも入力デバイスですな。
これら「新Magic系周辺機器」×3機種を購入し、2週間程度使ってきました。ので、今回はこれら3機種の機能や使用感などをレビューしてみます。なお、「Magic Keyboard」に関しては「US配列版」を購入しましたので、これについて書いていきます。
Lightningケーブルで充電、ペアリングもケーブル接続でOK
従来のワイヤレス三兄弟こと「Apple Wireless Keyboard」「Magic Trackpad」「Magic Mouse」は、どれも電源が単三形電池でした。が、新型三兄弟「Magic Keyboard」「Magic Trackpad 2」「Magic Mouse 2」は充電式になりました。これについては「なるほどネ」的にフツーに納得したんですが、若干戸惑ったのが「Lightning-USBケーブルを使ってのUSB充電式」ということです。「えっ? Lightning?」的な。
でもまあ実際使ってみると、MacとiOSデバイスを併用していますので、充電用ケーブルが増えなくて快適。Lightningコネクタは表裏関係なく挿せますので、逆挿しの心配やストレスもなく快適です。
ちなみに、満充電までにかかる時間は約2時間で、満充電からは約1カ月もしくはそれ以上使用できるとのこと。また「Magic Mouse 2」以外は、Lightning-USBケーブルでMacとケーブル接続した状態でも使えました。ケーブル接続時はMac側のBluetoothをオフにしても使えます。
それと、3機種とも「Lightning-USBケーブルでMacと接続すればBluetoothペアリングが自動的に完了する」というシクミが新鮮。まあ、従来の方法でペアリングしても大した手間ではないんですが、「ケーブルでつなぐだけで準備完了」というのは簡単でイイです。
ところで、いったんペアリングした後、別のMacとケーブル接続したらどうなるんでしょう? 実際にそうしてみたら、単に別のMacとペアリングされるだけでした。もちろん元のMacとのペアリングは解除されてしまいます。これら新型Bluetoothデバイスの場合、上記のとおり使いたいMacとケーブル接続するだけでOK。なので、2台のMacが近距離にあっても、ペアリング解除やペアリングを順に行う必要がなく、ペアリング先を頻繁に変える場合は便利かもしれません。
もうひとつ、3機種とも電源スイッチがスライドスイッチになりました(マウスは旧型もスライドスイッチ式)。「長押し○秒」とかではなくて、指先の操作で確実にオンオフできてスッキリ。オンオフの状態を目視できるのも好印象です。
薄く小さくなったキーボードは、剛性も打鍵感も「シッカリ」
続いて各機の使用感などを見ていきましょう。まずは「Magic Keyboard」から。税別価格は1万1800円。前述のとおり、「US配列版」について見ていきます。
新キーボードは、従来の「Apple Wireless Keyboard」と比べると、より小さく薄くなりました。従来機種でも「小さくて薄い」という感じでしたので、新型のサイズ感にはかなりインパクトがあります。
それからキー配列。新旧で配列の大きな変更はありませんが、新型では一部キーが大きくなっています。具体的にはファンクションキーの行で、旧型では細め横長だったキーが、新型では他のキーと同じサイズになりました。また、カーソルキーの左右も普通サイズに変更されました。
新旧使い比べてハッキリわかるのは、打鍵感と剛性感です。打鍵感は、旧型でも悪くなかったんですが、新型はよりシッカリした感じ。キーのグラつきが少なく、短いストロークでシャープにタイプしていけます。キーは「再設計されたシザー構造(パンタグラフ式)」で「安定性が33パーセント向上」しているとのこと。確かにそういうイメージで、たとえば[Space]キーの端を軽く押しても、小気味よいクリック感とともに確実にキーインできる感覚です。
その形状から剛性感も上がっているようです。旧型でも十分な剛性感がありましたが、新型と打ち比べると、旧型は「薄い板を指で叩いている感じ」がわかります。新型はと言えば「机面を指で叩いているのに近い感じ」で、机面に張り付いた薄いキーボードを打っているような感覚です。
ただ、新旧どちらが良いかと言えば、慣れと好みだと思います。「大差がある」というほどではなく、まあ充電やペアリングなどまで含めれば「新型のほうが進化してるかも」とは思えますが、キーボードとしては新旧どちらも使いやすいワイヤレス・テンキーレスキーボードだと思います。
ところで、この「Magic Keyboard」だけ製品名に「2」が付いていません。旧機種が「Apple Wireless Keyboard」で「Magic」なキーボードとしては「1」だから、なんでしょうけれど、勝手に深読みしますと、今後、12インチMacBookに搭載された「バタフライ構造」のキーを搭載した「Magic Keyboard 2」が速攻で登場するから、かも!?
深読みっていうか、「バタフライ構造」のキーが搭載されたワイヤレス・テンキーレスキーボードが登場して欲しいっつーだけの話でした。ぜひ出して欲しい気分です。
より広く使いやすくなった「Magic Trackpad 2」
続いて「Magic Trackpad 2」。税別価格は1万4800円。旧型と比べると外観もサイズも大きく変わりました。タッチできる面積が29%広くなり、感圧タッチ機能も加わっています。
構造的には、トラックパッド表面の下に4つの感圧センサーがあり、電源オンのときには擬似的なクリック感を発生させるというもの。新MacBook(12インチ)や最新のMacBook Proに搭載されているトラックパッド、と、完全に同じモノかどうかは不明ですが、それに近い使用感と機能を持っています。
旧型と比べると、使い勝手は明らかにイイです。パッド面積が広いのでよりスムーズに操作できますし、どの位置でも軽い力でクリックできます。テキスト上を1本指で強めにクリックすると使える「調べる&データ検出」機能も、デスクトップMacでシッカリ使えるようになりました。
ワタクシの場合、MacBookも使っているので、新型も旧型もトラックパッドは非常に便利に利用しています。キーボードを中心に、左にトラックパッド、右にマウスという感じで置いています。細かな操作はマウス中心で行い、各種ジェスチャのためにトラックパッドも併用しています。
前述のとおり、「Magic Trackpad 2」の税別価格は1万4800円です。が、12インチMacBookや最新MacBook Proのトラックパッドが「とても使いやすい」と感じるなら、この価格を高いと感じないような気がします。そのくらい、デスクトップMacが快適化すると思います。逆に、「例の新しいトラックパッド、悪くないけど、大好きってほどじゃない」というなら、ちょっとお高いデバイスになるかもしれません。
進化は少ないけど、利便は上々の「Magic Mouse 2」
最後に「Magic Mouse 2」。税別価格は9500円です。ワタクシ的には、新型周辺機器3機種のうち、いちばん平凡な印象となりました。旧機種から機能性は高まりましたが、利便はあ~んまり変わっていない? みたいな。
もうひとつ、少々前述しましたが、Lightningポートが本体裏側にあるのは疑問です。充電時に「Magic Mouse 2」を裏返しや斜め倒しにして置かないといけませんし、充電しながらの使用もできません。せめてマウス右側などにLightningポートを設けてほしかったところです。
充電式になり、Lightningケーブルでペアリングできるようになって、少し軽くなった、という感じの進化ですな。旧型の「Magic Mouse」を使っていて、そこから買い換える必要性があるかどうかは微妙なトコロかもしれません。ただ、新旧どちらもマウス上部をタッチして様々な操作ができる点は、慣れると非常に便利に使えます。
新旧「Magic Mouse」とも、表面がツルリとしたボタンすら無いように見えるマウスですが、左右クリックができ、ホイールを使ったときのように縦スクロールもでき(マウス上部を1本指でドラッグ)、同様に横スクロールもでき、ページの送り戻しもでき、2本指の操作ならMission Controlやデスクトップ切り替えまでできます。
で、「Magic Mouse 2」自体の使い勝手ですが、ポインタ追従性も良好で、クリック感なども悪くなく、各種タッチ操作もまずまず快適に使えます。ただ、マウスとしては非常に背が低く、軽い部類でもあります。ですので、マウスに手のひらを乗せるような使い方には向きません。また、タッチ操作に慣れないと、その軽さから「タッチしたらマウスが動いてしまう」みたいな少々のストレスも生まれます。
まあ、全体的に「ちょっと慣れが必要なマウス」かもしれません。でも慣れると各種機能を快適に使える多機能マウスとなり、なかなか手放しがたい存在ともなります。
てな感じの新型入力デバイス×3機種。それぞれ良くできているデバイスですが、直接手に触れて長時間扱うことになる入力デバイスですので、購入前にはぜひ一度実動実機に触れて使用感を確認してみてください。