みんなのケータイ
海外でも新興メーカーからWindows 10スマホが次々に登場
山根康宏
(2016/2/17 06:00)
トリニティの「NuAns Neo」の販売が始まり、VAIOから「VAIO Phone Biz」が発表と、2016年2月の日本は再びWindows 10スマートフォンの話題で盛り上がった。2015年秋に発表されたジェネシスホールディングスの低価格Windows 10スマートフォン「WPJ40-10」も発売になり、製品選択の幅が広がっている。Windows 10 Mobileはまだアプリの数が少ないなど粗削りな部分があるものの、Office Mobileの搭載やEdgeブラウザの出来の良さだけでもだいぶ使えるスマートフォンに仕上がっている。これ1台で何でもというわけにはまだ行かないだろうが、AndroidやiPhoneを持っている人の2台目用途としては結構イケるのでは? と筆者は思っている。
Windows 10スマートフォンは日本以外ではMicrosoftのLumiaが発売される程度でまだ製品の数は限られていた。しかし、ヨーロッパでもこの2月から他社製品登場し、ようやくが少しずつ出回り始めてきた。いずれも新興メーカーで、Windows 10 Mobile市場がこれから伸びることを期待しているようだ。
イギリスではBushから「Eluma B2」が発売された。Bushはカタログ販売大手のArgosが手掛ける家電ブランドで、モバイル製品としてはタブレットやAndroidスマートフォンを複数展開している。Eluma B2は同社初のWindows 10 Mobile端末で、Snapdragon 210に800万画素カメラ、5インチHDディスプレイ、RAM 1GB/ROM 16GBで価格は79.95ポンド(約1万3200円)。低価格なエントリースマートフォンだ。
また、スペインのFunkerからも「W5.5 Pro」が登場。239ユーロ(約3万600円)のミッドレンジモデルで、Snapdragon 410、5.5インチHDディスプレイ、1300万画素カメラ。ヨーロッパでは各国のWindows系スマートフォンのシェアは5%~15%程度で、それなりにユーザー数は多い。FunkerもAndroidスマートフォンを出しているが販売数は伸び悩んでいる。Windows 10 Mobileで新たなユーザー層を開拓しようということなのだろう。
日本ではWindows Phoneがしばらく出ていなかったこともありWindows 10 Mobileは製品の数が出てきたにも関わらずまだマイナーな存在だが、ヨーロッパではNokiaブランド時代から製品が多数出ていたために、Windows Phone/Windows 10 Mobileはそれなりに知られた存在だ。筆者は今回、MWC2016取材前にロンドンに立ち寄り、現地キャリアのEEの店でプリペイドSIMを購入したが、その時にWPJ40-10を店員に渡したところ、操作に手間どうことなくAPNの設定などを行ってもらえた。
販売店側がWindows 10 Mobileの操作をそれなりに知っている状況は日本よりも恵まれた環境だが、いかんせん製品の数が少ないことにはWindows 10 Mobileの販売数拡大はなかなか難しいところ。しかも昨年発売されたWindows Phone 8.1の「Lumia 640」や「Lumia 435」もまだ併売されている状況では、消費者側も混乱してしまう。Microsoftには旧モデルのWindows 10への早急なアップグレードと、噂されている「Lumia 650」「Lumia 850」などのモデルの投入を期待したい。間もなく開催されるMWC2016で、そのあたりの動きが見れるものと思いたいものだ。