みんなのケータイ
Apple WatchのためのSIMフリー版iPhone
【iPhone 6 Plus】
法林岳之
(2015/6/25 06:00)
前回のエントリーでは中国・北京に行ったとき、ZenFone 2のデュアルSIMが便利だったという話を書いたけど、このとき、もうひとつ悩んだのがApple Watch。実は、本誌でもおなじみの石川温氏、白根雅彦氏といっしょに、『できるApple Watch スタート→活用 完全ガイド』を執筆したこともあって、4月の発売以来、Apple Watchを使い続けている。
これまでウェアラブル端末やスマートウォッチを購入し、いくつか試してみたんだけど、どうも長続きしなかったというのが正直なところ。ボク自身が元々、腕時計をそれなりに好きというのもあってか、結局、数週間で普通の腕時計に戻ってしまう。左手に腕時計、右手にウェアラブル端末を着けてみたり、すずまりさんほどではないものの、片手に複数のウェアラブル端末を着けてみたりもしたけど、どうもしっくり来ず、どの製品も1~2週間程度で飽きてしまった。
ところが、Apple Watchについては、書籍を執筆したのもあるけど、結構、長続きしている。質感やフィット感もいいし、通知が便利だし(他機種もできるけど)、身に着けていて、そこそこ話題性もあるので、約2カ月近く使い続けられている。特に、アクティビティについては、外出時のログを継続的に記録しているので、何となく「使い続けないと!」と思ってしまう。さすがに、ランニングまではやらないけどね(笑)。
話題性については、ボクの周辺は業界の人が多いので、あまり珍しくないけど、街中でご飯を食べたり、飲みに行ったりすると、店員さんに「あ、それ、アップルのアレですよね」と声をかけられることが何度となくあった。ちょうど旬の時期だったのもあるけど、見知らぬ人からも言われてしまうあたりは、さすがApple Watchという感じ。
そんなApple Watchだけど、ボク自身の特殊な環境もあって、「さて、どうしたものか」と悩んでしまうことが起きた。実は、ボクは「できるポケット iPhone 6 基本&活用ワザ100」「できるポケット 6 Plus 基本&活用ワザ100」を各キャリア別に執筆したこともあって、NTTドコモ、au、ソフトバンクのiPhone 6 Plusをそれぞれ契約し、現在でも3台(3回線)を保持し続けている。「iPhone、3つも持って、どうすんだよ」と言われそうだけど、Apple Watchを使いはじめるまでは、それこそ「今日はドコモ」「今夜はソフトバンク」「出張はau」くらいの勢いで、その日の気分で自由に使い分けていた。ところが、Apple Watchは1台のiPhoneとペアで使うことになるため、いずれかのiPhone 6 Plusを選ばなければいけない。しかたなく、もっとも利用頻度が高く、エリア的な広さも実感できているau版とペアリングすることにした。
とりあえず、3社の内、1台のiPhoneを選ぶことはできたけど、ちょっと悩んだのが海外での利用をどうするか。もちろん、国際ローミングで使うのも手だけど、iPhoneはプリペイドのSIMカードを入手しやすいわけで、SIMカードを変えてもApple Watchとのペアリングは変わらない。じゃあ、いっそのこと、iPhoneをSIMフリーにすればいいじゃないか。
ということで、結局、au版iPhone 6 Plusの内容を丸ごとバックアップし、その内容をSIMフリー版iPhone 6 Plusに復元して、渡航先ではプリペイドSIMカードを購入し、差し替えて使うことにした。その初めての渡航が冒頭で触れた中国・北京だったというわけ。北京では前回も取り上げた中国聯通香港(チャイナユニコム香港)が販売するプリペイドSIMカード「跨境王(Cross Border King Dual-Number Prepaid SIM)」を使い、無事に北京滞在中もApple Watchと連携して、使うことができた。
続いて、6月はアップルのWWDCの取材でアメリカ・サンフランシスコに出かけたけど、このときはT-Mobileの「SIM STARTER KIT」を入手していたので、これを開通させて、使ってみた。「アメリカ放題」が使えるソフトバンクのiPhone 6 PlusのSIMカードを抜いて、使ったりもしたけど、せっかくT-Mobileを開通させたばかりなので、今回はT-Mobileを使うことにした。帰国便に搭乗後、機内で元のauのSIMカード(au ICカード)に戻し、着陸後に機内モードを解除すると、何事もなかったようにauのネットワークをつかんだ。
発端はApple Watchを渡航先でも使いたいという考えだったけど、SIMフリー版iPhoneを選び、国内では国内キャリアのSIMカード、海外では渡航先のプリペイドSIMカードを挿して使うという環境の便利さを再認識できた。もちろん、国内キャリアのSIMカードを抜いてしまうと、渡航中に国内の電話番号での着信が受けられないので、別途、デュアルSIM対応端末を使ったり、他の端末を用意する必要があるけど、次期iPhoneではSIMロック解除義務化の恩恵も受けられるはずなので、こういう使い方をする人が増えるかもしれませんね。