みんなのケータイ

 マイクロソフトの開発者向け会議「Build」の取材でサンフランシスコを訪れた。今年の基調講演は「iPhoneやAndroidアプリをWindows 10で使えるようにする」という大胆な方針が発表されたことで度肝を抜かれてしまった。正直言って、Windowsのアプリストアは、使いたいと思えるアプリがなくて魅力に欠けていたが、今回の戦略でこれがちょっとは状況が改善されるかも知れない。

 ただ「本当にiPhoneアプリを移植してちゃんと動くの?」というのは気になるところ。基調講演後、マイクロソフトの担当者にインタビューする機会を得たが、「キャンディクラッシュも動くぐらいだから大丈夫だ」と胸を張っていたので、とりあえず信用してみることにしたい。

 さて、Windows 10になることで、俄然、Windows Phoneが面白そうになってきた。基調講演でも、モニターにWindows Phoneを接続して、さらにBluetoothでキーボードとマウスをつなぐと、デスクトップPCのように使えるというデモが行われており、かなり面白そうだった。基調講演後、「Windows Phoneが欲しい。早くWindows PhoneでWindows 10のプレビュー版を試したい」と物欲が抑えられなくなってしまった。

 とはいえ、日本ではauのIS12T以来、Windows Phoneは発売されていない。KDDIがWindows Phoneを出し続けるかと思いきや、iPhoneを扱えるようになったと思ったら、Windows Phoneはなかったことになっていた。

 ここ最近、日本国内でもさまざまなメーカーからWindows Phoneを出そうという機運は高まっているものの、いつ出てくるのかわからない。そこで、衝動的にサンフランシスコでWindows Phoneを買うことにした。

 Buildが開催されているモスコーンセンターから徒歩圏内にマイクロソフトストアがある。そこに行ってみると、UnlockedのLumia、ベライゾンのHTC One(M8) for Windows、BLUというメーカーのWindows Phoneが売られていた。

 どれを買うか迷う中で、重要なのが対応周波数帯だ。いろいろ調べてみると、マイクロソフトストアで売られているものは、当然、アメリカ仕様であるため、アメリカキャリアのLTE対応となっているのだ。とはいえ、日本では技適マークがないために使えないこともあり、「アメリカ専用」と割り切って買うことにした。

「コーヒー界のアップル」という言う人もいるブルーボトルコーヒーでHTC One(M8) for Windowsを使う。まるでまるで西海岸な『新しいWindows Phoneライフ』を実感する

 そんな中、無難に選べばLumiaなのだが、できれば格好良くて性能が良いものを購入したい。あれこれ悩んだあげく、ベライゾン契約のiPhoneを持っていることもあり、ベライゾンのHTC One(M8) for Windowsを購入することにした(No contractで638ドル)。

 ホテルに戻り、iPhoneからSIMカードを抜き、HTC One(M8) for Windowsに挿入するとあっさりとつながった。「よし、これでWindows10のインサイダープレビュー版を入れるぞ」と意気込むものの、何度試しても失敗する。そこで注意書きを読んだところ、なんと「インサイダープレビュー版を入れられるのはLumiaシリーズのみ」ということが判明した。せっかく、気合いを入れて買ったのに……。

 とりえず、Windows 10が正式にリリースされるまでは、Windows 8.1で我慢して使い続けようと思う。

モスコーンセンターの近くにあるマイクロソフトストアで購入。Surface 3のプレオーダーを受け付けていた
サンフランシスコ国際空港にはAT&Tの自動販売機があった。50ドル以下のWindows Phoneも売られていた