みんなのケータイ
はじめてのプリペイドSIM、普段の電話番号も生かして
【ARROWS NX F-05F】
日沼諭史
(2014/9/10 06:00)
どこぞの高級レストランのメニューみたいなタイトルになってしまったが、初めてのプリペイドSIMに挑戦してみた。
なぜプリペイドSIMを購入したのかというと、海外に行ったから、というわけではなく、単に油断してデータ通信を使いすぎてしまい、高速通信が制限される3GBを突破してしまったため。月の後半だったのでちょっと我慢すれば良かったのだけれど、緊急事態に備えておきたいし、やっぱりネットが遅いとイライラしてしまう。
月額1000円前後の、いわゆる格安SIMにするのも選択肢としてはアリだったかもしれない。でも、1カ月を通じて使うことはないし、最初の数カ月以内に違約金なしで解約できるタイプは、初期費用で(月額費用とは別に)数千円かかることが多い。だったら初期費用だけでそこそこの容量を通信でき、できるだけ有効期限の長いものがいいのではないか。
そう思って選んだのが、初期費用3456円ぽっきりで使い始められる「OCN モバイル ONE プリペイド」。最大150MbpsのLTE対応で、1GBを使い切るまで利用できる容量型だ。通信が1GBに満たない限り、利用開始から120日間使うことができる。この有効期限の長さが、個人的にはけっこう大きな決め手となった。
今までの経験上、通常のキャリアのデータ通信プランで容量上限に到達するのは、あっても今回と同じように月の下旬あたり。数日から1週間程度使うだけなので、1カ月の間にせいぜい通信するとしても多くて200MB程度のはず。30日間しか使えないタイプだともったいないが、120日間有効ならコストパフォーマンスは悪くない。
家電量販店で購入後、パッケージや公式サイトに記載のある通り、利用申し込みを行ってAPN設定するだけですぐに使い始めることができた。もちろん通信は高速で、いつも通り快適にネットを使える。ちなみに「OCN モバイル ONE プリペイド」はXi/FOMA端末向けのSIMのため、ドコモ端末であるARROWS NX F-05FのSIMロック解除は不要だ。
しかし、メイン端末のSIMをデータSIMに差し替えると、電話できなくなってしまう。仕事で使っている電話番号が、予告なく突然使えなくなりました、では困ってしまうわけで……。
なので、データSIMを使っている間はIP電話を利用することにし、普段の電話番号にかかってきた電話は全て転送してIP電話にかかってくるようにした。こうしておけば、メイン端末が電波の届く範囲にいる限り電話を受けることができる。テストしてみたところでは、若干音声の遅延はあるものの、大きな問題はなさそう。
あと1つ、「SMSをどうするか」というやっかいな問題もある。誰かが元々の電話番号宛てにSMSを送っても届かないわけだから、これもなんとかしたい。いろいろ考えた末、元々のSIMを以前使っていた旧端末に移植してSMSを受信できるようにし、さらにそのSMSを“転送”することにした。
といっても、SMSの転送サービスなるものが存在するわけではない。ここで活躍するのが「IFTTT」というアプリだ。このアプリは、“もし●●になったら、▲▲する”という条件に応じたアクションを簡単に設定できるもの。今回の場合は、旧端末で“もしSMSを受信したら、Gmailに転送する”という設定にしてみた。
メイン端末上のGmailアプリで(同期設定と)着信通知の設定をしておけば、SMSがGmailへメール転送された直後に気付くことができる、はず。ただ、Gmail側で全てのメール着信を通知するようにしてしまうと、普通のメールも頻繁に受信しているから通知の嵐になってしまうし、他のメールにSMS通知のメールが埋もれてしまうかもしれない。
なので、あらかじめPCのGmail上でSMSの通知メールについてフィルター設定し、特定のラベルを付加させ、その後メイン端末上のGmailアプリでそのラベルのメール受信時のみ通知するようにしておく。試しに他の端末からSMSを送信してみると、「旧端末でSMS受信→IFTTTがGmailに転送→メイン端末でメール受信→端末上で通知」と想定通り動作し、タイムラグもほとんどなかった。
とりあえずいつもの電話番号からかけ直したり、SMSに返信することを考えなければ、旧端末は家に置いておいても、充電さえしていればほぼ普段通りメイン端末を使えるわけだ。が、ここまでセッティングしたにもかかわらず、月が変わるまで誰からも電話はかかってこないし、SMSも届かなかったのがさみしい限りである。