みんなのケータイ
出張のお供に欠かせない「Xperia Z2」のノイズキャンセリング
【Xperia Z2 SO-03F】
石野純也
(2014/9/5 06:00)
「Xperia Z2」は、Walkmanと同じ方式のデジタルノイズキャンセリングに対応している。スマートフォンで音楽を聴くことが多い自分にとって、これはうれしい新機能だ。
特に重宝しているのが、飛行機での移動時。自分は長時間のフライトでは、できるだけノイズキャンセリングを搭載したイヤホンやヘッドホンを利用するようにしている。その方が寝やすいし、快適だからだ。ただ、そのために大ぶりなヘッドホンを持ち歩くのは少々悩ましいところ。ただでさえ荷物が多い出張時に、普段使わないアイテムが追加されるのはできるだけ避けたい。
よく利用するANAの国際線の場合、プレミアムエコノミー以上の席にはこの機能が搭載されたヘッドホンが置かれているため、持ち運ばずに済む。とは言え、コストを抑えたい出張では、エコノミーで移動することがほとんど。ANAは、上級会員向けの特典として、国際線で空席があるときに限りエコノミーからプレミアムエコノミーへのアップグレードを行っており、筆者もこれに当てはまるが、必ずしも利用できるとは限らない。ANA以外で移動することもあるため、ノイズキャンセリング対応のイヤホンまたはヘッドホンを持っていないわけにはいかないのだ。
Xperia Z2に機種変更してから、こうしたことを気にする必要がなくなった。Xperia Z2なら普段持ち歩いているスマートフォンに、ノイズキャンセリング対応のマイクを備えたイヤホンをプラスするだけでOK。丸めておけば、ポケットにも入れられる。効果もまずまずで、密閉型のヘッドホンにはかなわないが、飛行機の「ゴォーーーー」という音はかなり小さくなる。
忘れずにやっておきたいのが、設定の変更。Xperia Z2のノイズキャンセリングには、「電車・バス」「航空機」「室内」という3つの設定が用意されている。飛行機に乗っているときは、「航空機」を選択すればよいが、これを忘れているとノイズの低減率が下がってしまう。実際、「電車・バス」にしたまま使っていたら、ややノイズが大きく聞こえた(とは言え、ないよりははるかに騒音が小さくなったため、設定を間違えていても気づかないかもしれない)。
また、ノイズキャンセリングのモードには、「ON(常時)」と「ON(オート)」がある。オートが少々クセモノで、これは音楽を流していないときなどに画面が消えるとノイズキャンセリングがオフになる設定だ。飛行機の中では音楽を流さず、耳栓として利用することもあるため「常時」にしておいた方がいい。ただし、本体側で騒音を分析し、逆位相の音を出すという仕組み上、どうしてもオフにしたときよりは電池の消費が大きくなる。
出張時のフライトのストレスを減らしてくれるノイズキャンセリング機能だが、惜しいと思う点も少しある。1つ目が対応イヤホンが別売だったこと。効果がはっきり分かり、他のスマートフォンにはない機能だけに、別売で利用のハードルを上げてしまうのはもったいない。同梱すればそれだけコストが上がってしまうのも事実だが、セットにしてそれぞれを買うより安く提供するという手はあっただろう。同梱している国や地域もあるため、日本でできないのは残念だ。
いち利用者として悩ましいのが、イヤホンの選択肢が少ない点。仕組み上、純正のイヤホンに頼らざるをえないため、このバリエーションはもっと増やしてほしい。現時点でソニーから購入できるのはヘッドホン1種類にイヤホン2種類。ソニーモバイルが販売している「MDR-NC31EM」を加えても、その数は4製品だ。イヤホンについてはいずれも4000~6000円ほど。音にこだわる人のために、もっと高級なラインナップがあってもいい(もちろん、高ければ音がいいというわけでもないが)。
実際、Xperia Z2購入前に使っていたソニーのバランスド・アーマチュアのイヤホン「XBA-2SL」に比べると、ボーカルの音のクリアさがなくなった気がする。ノイズキャンセリングはXperia Z2だけでなく、同時期に発売された「Xperia ZL2」「Xperia Z2 Tablet」にも搭載されており、グローバルでの存在感も大きい。Walkman専用だったときより、機能の普及が進んだと考えてもいいだろう。だからこそ、対応イヤホンの選択肢は、端末の登場に合わせてもっと広げてほしかった。